編集部ブログ夜の最前線

2017年3月30日 23:10

ぼくの卒業旅行

就活シーズンの今日この頃、後輩から「どうすれば出版社に入れますか?」と聞かれたりもするのですが、ぼくは新卒採用を全落ちした身です。
「自転車で北へ向かえ!」という、まったく役立たないだろうアドバイスしかできません......ふがいなさにおそわれています、丸茂です。

前にもお話いたしましたが、ぼくは星海社の選考のために自転車旅行をしていたのでした。
櫻井が楽しそうに卒業旅行記を書いていますが......思えばあれが、ぼくの卒業旅行でしたね。



しかし卒業旅行というには、あまりにも過酷でした......。
本気で北海道を目指していたので、とにかく急がなければと2泊5日、つまり2度徹夜で自転車を漕いだわけです。
しかもママチャリで!
しかも次の選考では「自分の本棚から10冊本を選ぶ」という課題があり、脳内も身体もいっぱいいっぱい......しんどかった。

ライトが充電式で、1日目の夜から電池が切れ、真っ暗闇の道をぼうぼうに生えた雑草にビシバシと体を鞭打たれながら、「とにかく北へ! 目指すは北海道!」と思ってママチャリを漕ぎましたが、5日かけて到達できたのは気仙沼でした。
もちろん、自転車で東京に戻る余裕はなく、どこかに捨て置くしかないのか......と思っていたところ、気仙沼のある本屋の親切な店主のおじいさんと邂逅。
自転車を置かせてもらい、一ノ関駅まで車で送ってもらったのでした。


星海社の選考を終えて、気仙沼にお礼の品を持って自転車を引き取りに戻ったら、店主のおじいさんからこんなプリントを渡されました。

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星海社新書『完全対訳 トランプ・ヒラリー・クルーズ・サンダース演説集 何が勝負を決したのか?』のFAX注文書。
おじいさんのメッセージ入りです。

星海社は販売を講談社さんに委託しているので、このFAXは星海社ではなく講談社さんに届いたはず。
受け取ったかたは「丸茂? 誰だよ!?」と首をかしげたことでしょうが......数時間話をしただけのぼくのことを、心に留めていただいたのはものすごく嬉しいことでした。


「最近おもしろいブログないよね」と太田さんに言われ、ふがいなさを感じるとともに「たるんでいるんじゃないか?」と我が身を省みます。
この紙面をふと見返してみました......あれだけのご恩を受けたのに、このままじゃいけない。

卒業式も終えた身、おもしろいブログを書けるようにもっと頭をひねっていきたいと思います。


......ちなみに、ゼミの恩師に言われて、ぼくはこの気仙沼の本屋さんが儲かるための方法を卒業論文として書くこととなり、合計3回、気仙沼のその書店さんを訪ねたのでした。
......さらにちなみに、ママチャリを東京へ発送するのに新しい自転車が買えるくらいのお金がかかり、せっかく戻ってきたものの後輪が曲がってしまい、すぐさま廃車となってしまったのでした。

......稼ごう。