編集部ブログ夜の最前線
みなさま、はじめまして。
このたび星海社に合流いたしました、アシスタントエディターの丸茂智晴と申します。
ぼくはこの三月に卒業を控えた大学生なので、新卒で星海社にて働くことになります。
ですから、とくに複雑な経歴はなく、同期の櫻井はおもしろいのにお前の経歴はつまらないなと言われがちなのですが……はじめてのブログ更新なので自己紹介がてら、入社までの経緯をお話いたします。
ぼくは、高校生のときに太田副社長が編集した文芸誌『ファウスト』を読んで衝撃を受け、「こんなふうに次世代の想像力の潮流をつくりたい」と思って編集者を目指しました。
そのためには文学について学ばなければと考えて、早稲田大学の文化構想学部に入学して文芸批評を学び、さらに文芸誌の編集部で働いて、雑誌編集部や本屋でバイトするなど、四六時中本に触れるような生活を送りました。
そして出版社一筋で臨んだ就活、ぼくは怒涛の勢いで落とされ続けました。
失意していた9月末、星海社の人員募集が告知され、これが最後と奮起して応募します。
その一次面接……
「どんな経験をしようが編集なんて面接官のほうがくわしいよね。ぼくはきみに聞きたいことなにもないよ」
太田副社長が言い放ち、出版に偏ったぼくの経験は、全否定されました。
……なぜか通りました。
しかし、あれだけダメ出しされたのに、なにか行動しなければ、次は絶対に落とされる。
なにをすればよいのか……面接ではこんなことを言われていました。
「学生らしい経験がなにもないよね。ベタだけど自転車で北海道まで行くとかさぁ……」
本気で「北海道に行け」と言われていたわけではないでしょう。
それでも、面接で言われたことを少しでも実行するしかないと考えて、ぼくは自転車を買いました。
北を目指して自転車を漕ぎ、二泊五日で行けたのは気仙沼まで。
(途中、タイヤがパンクしたときの写真です。朝六時にこうなったときの絶望感……)
新幹線でぎりぎり東京へ戻って二次面接に臨み、結果、採用を通知されました。
自転車を漕いだことが評価されたかはわかりません。
しかしこうして、ぼくは星海社で働いています。
自転車旅行で学んだことを強いてあげるなら、下手に計算することなく、求められたことに実直に向き合うことが必要ということです(それっぽい経験をすれば編集者になれると思い込んでいた、今までの自分に欠けていた態度だと思います)。
必死に自転車を漕いでいたときの気持ちを忘れず、いい本をつくることで、ぼくを採用していただいた上司に報いることができればと思っています。
長々と書き連ねましたが、決意表明として、読んでいただければ幸いです。
みなさま、これからよろしくお願い致します!