編集部ブログ夜の最前線

2017年3月27日 20:41

「鈍器」を手にしたあの頃......

丸茂です。
先日の櫻井に続きまして、愛校心に欠けるぼくもせっかくの休日開催だったので、この日曜日に大学の学位授与式&卒業式に参加してきました。

 

所属していた文化構想学部、文芸・ジャーナリズム論系(通称・文ジャ)の学位授与式では、中上健次から譲り受けたという勝負服を着た渡部直己先生から、学位記を手渡していただきました。

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(単位的にはあぶなげなく卒業できたのですが、いざこれをもらうまではヒヤヒヤしてました......よかったよかった)

ぼくは早稲田に対する愛校心はありませんが、業界の最前線でご活躍されている作家、批評家の先生方から手厚く指導をいただける文ジャは大好きな場所でした。
とはいえ不出来な学生であったところのぼくは、そんなめでたき日さえ、ゼミの恩師に最後の最後までお説教を頂戴するという......。

以前、文ジャをあんなにディスってしまった報いでしょうかね。


さて、本日は谷川ニコさん『クズとメガネと文学少女(偽)』今月掲載分の最後の掲載日でした(以下内容に触れますので、未読の方はご注意を!)。

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それだけでは不思議な字面である「文学少女(偽)」の意味を、すでにみなさんお察しのことでしょう。

今月掲載分には、京極夏彦さんご登場!
「百鬼夜行シリーズ」の分厚さにビビりまくっている文学少女(偽)=織川衣栞に「おもしろいから読めよ!」と内心ツッコミたくなりますが、自分もかつては織川さんと同じだったよな、としみじみ思います。
(以前の講談社文庫版は『姑獲鳥の夏』はよくても『魍魎の匣』で驚きますよね......川上稔さんの『境界線上のホライゾン』と並んで「鈍器」のイメージが強いです)

誰しも読書にはまる前は、作家さんなんてほとんど知らないでしょう。
ぼくも萩尾望都さんのマンガを読んでなんとなく名前を知っていたけれど、レイ・ブラッドベリやJ・G・バラードを大学に入るまで読んだことがありませんでした。

そんな自分の不勉強については恥だと思いますが(編集者になった身ですし)、しかし読書家(自称)の上から目線な発言も嫌味なわけです。
「伊藤計劃からSF読み始めたんだ、ふーん」......って、にやつきながら言ってくるような文ジャ生いたなぁ。

とはいえ、大学にはいってから友人の影響でSFを読み始め、学業の影響で純文学を読み始め(ついでにアンチ村上春樹という価値観も叩きこまれ)、ミステリとラノベしか読んでいなかったそれ以前を思い出すと、卑小な読書遍歴だけど変わったなぁと思います......なんて想いを馳せるのは、やっぱり卒業の感傷をひきずっているからでしょうか。

ひとまず『幽談』を手に取った織川ですが、これからクズとメガネと文学少女(偽)がどんな本を手にとってゆくのか......楽しみですね。