ツイ4 『第31回 ツイ4新人賞座談会』 #0006

『第31回 ツイ4新人賞座談会』

2017年ラスト! 常連さんの作品に変化が……?

作品No.0006 りんたの保育日誌 里山えねこ

作品No.0006「りんたの保育日誌」里山えねこ

石川 好きな作品でした。「◯◯グループさーん」とかうどんが伸びるシーンのような細かいところを見ても、実体験かちゃんとした取材に基づいて描かれていることが伝わってきます。

丸茂 ぼくは今回この作品がいちばん好きでした。エッセイ風でほのぼの読めます。園児と一緒に「おうどんだー!!」って喜ぶ無邪気な主人公の嫌味のなさもいいですよね。

平林 保育と介護は社会的に大きな問題なので、エンタメとしても必ず需要があると思います。ただアプローチは難しくて、保育園と関係のある読者にとっては割と知っていることが多く、関係のない読者はほぼ関心がなさそうです。そういう意味では、より広い読者にアピールするためのとっかかりが何か必要なのかもしれません(あと、主人公の名前が山田風太郎みたいなのが気になりました)。

岡村 僕は全然おもしろさがわからなかったですね……。マンガとしてやるのなら僕みたいな興味がない人も読みたいと思えるように「保育士×◯◯」みたいに何かフックが欲しいです。保育士の仕事がとても大変というのは少しわかったので、世の保育士さんはすごいと思いました……。

櫻井 イケメン保育士がたくさんいる漫画とか、需要があるかもしれないですね。あと、実態としてまだまだ女性が多い職場なので、男性が増えるとこんな騒動が起こるかも!?という話があったらおもしろいかなと思います。

平林 「うちの娘の着替えを手伝わせないで!」的なやつね……。

すごくリアリティがありますね。主人公を応援したい気持ちになりましたが、続きを読みたい!とまでは思いませんでした。子どもや同僚のキャラを立たせてみてはいかがでしょう?

丸茂 素朴な題材なだけに、大きな笑いや意外性を演出するのはきっと難しいのかもしれません。けれどただの日記、エッセイにおさまってしまうと読者は限られるので、ヒロインとしてかわいい保育士さんを用意したり、題材を殺さない程度に脚色やテーマを加えてみてはいかがでしょう。