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2014年1月28日 13:44

三国志キャラクター稿遊記 ⑥

■馬という美しく賢い生き物 

土林です。義兄弟(ぎきょうだい)といわれている、三国志1巻の前半登場キャラクターの

劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)、の話をしたので、今日は少し違った切り口のお話をしてみたいと思います。

西暦2014年が明けてあっという間に1月の末日になりましたが、今年の干支は午年-うまどし-です。表題のままですが、僕にとって「馬の美しさ」と、「馬を描く事の難しさ」の2点には、この仕事に携わってから長い事、表現を探るうえで嬉しい悩みの種になっています。

自動車やオートバイや自転車等の人の乗り物が無かった時代、馬は、人にとって良き相棒という存在でありました。なおかつ、中国という広大な土地でいかに早く移動出来るかという点は、戦場で勝利をおさめる鍵だと思います。三国志は、物語前半から名馬として『赤兎馬-せきとば-』という優馬が登場します。さらさらと読める吉川英治文学ですが、赤兎馬-せきとば-の描写だけは、機を見て度重なり綴られている点からも、いかに名馬であったのだろうかと僕は想像します。

そんな点から、もう一度中国大陸での馬種から調べたりしました。日本の馬とは少し違っているんです。そして、勇将のそばには、必ずと言っていいほど、美しく賢い馬が寄り添っているような気がします。


 

馬考察中イメージ/ 勇将と優馬を思案する。イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(一)