編集部ブログ夜の最前線

2011年8月26日 23:18

魂の宿る物作りを——

熱い作品を読み終わったときは子供の頃から変わらず走り出したくなるもんですが、『大東京トイボックス』7巻うっかり読み終わってしまった! 俺は今すぐ走り出したい!

 

 

『G戦場ヘヴンズドア』しかり、『大東京トイボックス』しかり、フィクションだと分かっていても、「物作りの熱さ」そのものをぶつけられると昔から落ち着きがなくなってしまうんですよ。「このリビドーをどこかにぶつけてえ!」って感じで。

 

7巻にも回想シーンで出てくるのですが、以下の仙水の言葉はいま見直しても滾ります。

 

 

「ゲームというのは何時間も 場合によっては何十時間もかかります 他人の人生をそれだけ拘束しておいて 何も残らないようなものなど いったい何のために作るというんです?」

 

 

それが良いのか悪いのかはさておき(本作もまさにそこにスポットが当てられているわけですが)、「その作品に出会えなければ今の僕ではなかった」、と言わせてしまうような作品をあなたに届けたいと思うのは、物作りの側のエゴなのでしょうか?

 

僕は仙水のように人の心に残らないもの全てが無意味とは思いません。

 

ただ幸運なことに、星海社の至上命題は「あなたの人生のカーブを切らせる」作品を届けることです。

 

人の人生揺さぶってなんぼな、編集者でありたいですね。

 

 

 

最後に、7巻で大活躍だった依田さんの言葉を。チクショウ熱いぜ。

 

 

「どの現場にも そこそこプログラムが組める奴はゴロゴロいる だがその先にいけるヤツってのは あと一行削ることをけしてあきらめないヤツだ コトバにすると陳腐だがな 魂ってのは案外 そういう小さいところに宿るもんなんだよ」