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カテゴリ: 編集部より

記事カテゴリ:昼の最前線

匍匐前進で結婚式に

相変わらず鼻づまりとめまいに悩まされている。

どうやら、この風邪は一生治らない奇病のようである。

半ばあきらめの境地に達しつつも、いつか快癒することを願って日夜神仏に祈願して一睡もしない今日この頃です(過剰なユーモア)。

 

そして間の悪いことに、この週末は友人の結婚式があるのである。

新郎新婦並びにご列席のみなさまに於かれましては、充分に私の保持している菌に注意を払っていただきたい。

出来れば自宅でゆっくり静養したいが、めでたい席だし半年も前から呼ばれているので行かねばなるまい。

 

それに、私の結婚式には彼も招待しているので、ここで私が欠席などしてしまうと、祝儀と食事代で彼に損害を与えてしまう。

しっかり者の彼のことであるから、私が欠席などしようものなら損害賠償請求訴訟など起こさぬとも限らぬ。

夫婦揃って立派な会社に勤めていることだし、どう考えても敏腕弁護士を雇ってくることが予測され、私は血の一滴までも搾り取られてしまうであろう。

 

故に、私は這ってでも彼の結婚式に向かわねばならぬ。

たとえ一張羅がずたずたに破れたとしても受付にたどり着き、祝儀を渡したのち、止めどなく流れ出る血を以て記帳し、そのまま逝く。

──めでたい席、台無し。

 

ともあれ、この週末に正装して青山通りを匍匐前進している男がいたら、それは十中八九私であろうことを申し述べておく。

 

(written by 平林緑萌



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