編集部ブログ昼の最前線
風邪が長引いているので、今日は抱き枕について書こうと思う。
いや、風邪は関係なく、もとより今日は抱き枕について記す予定であった。
お知らせのない日は徒然なるままに駄文を記すのである。ご諒承いただきたい。
勿論、同意が得られなくても書くのだが。
さて、抱き枕である。
いったい、抱き枕と聞いて読者諸賢はどのようなものを想像されるであろうか?
やはり、ゲームやアニメのヒロインが描かれたそれであろうか。
露出度はやや高く──ものによってはかなり高く、ほとんど肌色一色であったり、おまけに頬を赤らめていたりするような類のもの。
昨今ではそのような抱き枕が人気のようである。
確かに、ああいったものはなかなかに魅力的であると、私も男子として認めるにやぶさかではない。
しかし、そういったものを所持することを己に許可できるか否か──、たとえ人目に触れずに入手できる手段があろうとも、その手段に訴えるかどうかというところに、男子としての種類を分けるなにがしかの境界線を見いだしたい気持ちもまたあるのである。
いかがであろうか?
ところで、抱き枕といっても色々ある。
先に述べた、うら若き乙女たちのあられもない絵姿が描かれたそれは、基本的に既成の綿入りクッションにかぶせるためにつくられている。
それとは別に、竹などで細長い籠状に編まれたものも抱き枕の一種として古くから通行している。
これを「竹夫人(婦人)」という。
綿を詰めたものに比べ、通気性が良いため夏に重宝されたようだ。もちろん今でも手に入る。
「ちくふじん」、なんとも直裁的すぎるような気もするが、夏の季語としても辞書に載っているから、口にするのに恥ずかしい言葉ではないのである。恐れてはならない。
また、「うら若き乙女たちのあられもない絵姿が描かれたそれ」を指して「嫁」という人もいるから、こういう喩えは人類普遍のものなのかもしれない。
私の友人にも「うら若き乙女たちのあられもない絵姿が描かれたそれ」を愛好し、「嫁」と呼んでいるものもいるが、彼は更に念の入った言葉の選びようで、洗濯のことを「水責め」、干すことを「逆さ吊り」などと呼んでいる。
「休日なので嫁を水責めにして、今は逆さ吊りにしている」
などとツイッターで書かれた日にはぎょっとしてしまうが、彼が通報された際は私がきちんと証言してやらねばと思っている。
お巡りさん、彼は独身です──と。
というわけで、ここまでつらつら書いてきたが、一般論や人様の話だけで済ますのはいかにも申し訳ないので、先般私が購入した抱き枕の写真で締めたいと思う。
ご覧頂きたい。
勝手に名付けて「だきまくま」と呼んでいる。
欲しくなった方は、こちらから。
なお、私はまだ「うら若き乙女たちのあられもない絵姿が描かれたそれ」を所持していないことを、ここに付言しておく。