編集部ブログ昼の最前線

2011年10月19日 15:11

ミクロとマクロ

このところ企画のことばかり考えています。

雑誌時代は「切り口」ということを良く言われましたが、それとにたようなことが書籍でもあるんだろうな、と思いつつ日々企画を温めています。

 

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喩えば……というわけでいきなり書影を貼りますけど、左は柿内さんが光文社時代に手がけた本。

右は何ヶ月か前に読んだ別の本なんですが、これがミクロとマクロだな、と。

『江戸三〇〇藩最後の藩主』の中にも『脱藩大名の戊辰戦争』の主人公・林忠崇は出てきますが、当然その割合は小さい。

「幕末、最後の藩主」というテーマを選ぶ時点では、どちらに振ることもできるわけですが、じゃあ何を持って決めるのか。

全藩主を短いながらも紹介することによって、大名たちの動きから時代のダイナミズムを読み取ってもらうか。

或いは、一青年大名の戦いと数奇な人生を通して、幕末に大名という立場に置かれた人間の姿を詳細に描写し、時代の覗き穴とするか。

どちらにしても、企画を立てるにあたって定見が求められるわけであり、しっかりした企画を立てるというのはまことに難しいものだな、と思う深夜でありました。