編集部ブログ作品

2014年2月12日 14:43

三国志キャラクター稿遊記 ⑧

■ロマンスとロマン2014

土林です。表題とはあまり関係ないですが、世間ではバレンタインデーが近いのでスーパーマーケットからデパートまで沢山のチョコレートが並びます。友達や同僚から両親そして本命の方へとロマンスの気持ちがある人物にチョコレートを贈り、信頼や感謝を含む、愛情の表現をするのかと思います。

三国志1巻では、これからはじまる流転(るてん)の様な戦場での展開の序章として男同志の人間関係が描かれている部分が多いのですが、じつは劉備(りゅうび)のちょっとした初恋の様な淡いロマンスが一節として在ります。桃園の儀で世直しの誓いをして、義兄弟の長兄としての立ち位置の劉備(りゅうび)が、助けた芙蓉妃-ふようひ-に恋をするのですが、それに対して弟分の関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が「世直しを前に兄者(長兄の劉備)は女ごととは何事ぞ!」とやきもきとする箇所があります。美しい情景の中での淡い恋の綴りと、やけ酒にも類するお酒を関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が酌み交わしている男のロマンを語り合っただろうなと想像できる綴りとの対比がとても面白いと思います。皆さんも読み進める中で見つけてみて頂けたら嬉しいです。

 

岳南の佳人イメージ/ 銀を刷いたような、朧をひいた月の事を思案する。イラスト 土林誠

※刷(は)いたような…刷毛(はけ)で塗った様な、  朧(おぼろ)…ぼんやりとかすんでいる様


 


 

 

星海社文庫 三国志(一)