編集部ブログ作品
2019年1月 7日 13:27
君の名を砂に埋める
- 作品 | 白倉由美の「死ぬ話」
彼は時計をみる。もう宵の口を過ぎていることはわかっていた。彼は二本の針を確認し、正確な時刻を看護師に告げる。そして患者をじっと見守っている家族―――もはや遺族だがーーに「ご臨終です」と伝える。この瞬間が彼にはとてもつらい。病室の窓の外では白い雪が地球という大地を冷蔵庫のように閉じ込めてゆく。彼の指先も冷たく凍る。医師という職業を選んだ以上、こういった経験を幾度も迎えることはわかっていたはずだ、と彼は思う。けれどやはり慣れることなんてない。医師にとって死は敗北だ。死亡宣告をされた患者はまだ少年といってもいいほど若かった。彼は最後の処置を終えると足早に病室から立ち去る。たったいま遺族となったひとたちの嘆きをききたくないのだ。
「ただいま」
築十五年の中古マンションのすこし軋んだ扉を開けると夕食のいい匂いがする。チャンネルをゼロにあわせるとくるりと平凡な日常に着地した気持ちに戻り、彼はほっとする。凍った指先がほどけてゆく。
「おかえり、森(しん)くん」
キッチンから明るい声がきこえる。菜摘子(なつみこ)だ。彼は靴を脱ぎ、コートを玄関の取っ手に掛けると、キッチンの扉を開ける。菜摘子が笑顔で彼を振り返る。まだ遠い春の菜の花のような菜摘子の清さが眩しい。彼はすこしうつむいて、きく。
「晩ご飯、なに?」
「ハンバーグだよ。森くん、好きだもんね」
面映ゆい気持ちで彼は頷く。もう三十を超えたのに、彼はハンバーグやらオムライスやら、エビフライといった、子どもっぽい食事が好きだった。菜摘子もそれをよく知っていて、当たり前のように食卓にはそれらのメニューが並ぶ。彼はテーブルの椅子にすわり、キッチンでハンバーグを焼いている彼女を眺める。菜摘子は右耳が聞こえない。おさないころ、病気で失調したのだ。もう片方の耳にもすこし障碍がある。けれど彼女はそれを言い訳にすることなく、きちんとした大学を卒業し、いまは市役所に勤めている。彼と彼女は共通の友人を通してしりあった。先に述べたように彼女は耳のことで医者にかかることも多く、彼の仕事を理解してくれた。シフトの都合で家に帰らない日が続いても、晴れて気持ちのいい休日に一日中眠っていても、菜摘子は文句ひとついわなかった。
「隠し味にね、挽いたばかりばかりの山椒をいれてあるのよ。この間の日曜日、青山のファーマーズマーケットで買ったの。森くん、いつも仕事が大変で疲れているから、すこし食べやすいようにね」
菜摘子の声はもうなくなった蓄音機から漏れる古いレコードのように懐かしい音色を感じさせる。それは菜摘子の耳のせいであるのか、彼にむけられたやさしさのせいであるのか。
テーブルに料理が並べられ、彼と彼女は食事を始める。ラジオから古い音楽が流れている。菜摘子はテレビが好きではない。映像とミックスされた音声を片側だけの耳でチューニングが苦手なのだという。テレビのない生活にも彼はすっかり慣れた。彼が菜摘子と暮らして、もう三年になる。彼女は彼より五歳年下だ。結婚した方がいいのかな、と彼は思う。桜の花びらのような菜摘子のくちびるはなにも語らない。それに甘えるように、彼もそのことを口にしない。結婚したくないのではない。菜摘子をただ待たせるだけなのはよくないとしってはいる。けれど彼は子どもを持つのが、こわかった。
彼は毎日病院のベッドの上で、身体中にコードやチューブをつなげられて、苦痛にもがきながら死んでゆく患者をみていた。医師という職業につくために、おさないころから彼はこつこつと学び、医学部を卒業し、病院に勤務し、技術をみがき、手技も憶えた。病院には病を癒すための機械や、薬品も備わっている。彼としても最善を尽くして患者を救おうとしている。けれどやはりひとは死んでゆく。助けられない。彼は思う。自分は医師という職業を名乗ってはいるが、所詮はただの医療専門の技術屋でしかなく、ひとの生き死にを左右できるなんて傲慢なことを思ってはいけないのだ、と。ひとは泣きながら生まれて、季節を追うように鮮やかに育っていっても、必ず最期はとけるように死んでいく。彼が赤ん坊に抱くのは祝福や跳躍という印象ではなく、昏い奈落であり、落下だった。
雪は積もることもなく、道は薄く凍っていた。彼は枝ばかりの並木道を抜け、ちいさな踏切の前で立ち止まった。そこに見慣れた彼の病院専用のブルーのパジャマを着た少年がしゃがみこんでいた。凩が頬を切る寒さのなかで、その姿は彼の目をひいた。彼は少年に話しかける。
「どうしたの? 気分が悪いの?」
少年は顔をあげた。彼は驚いた。それは昨日彼が死亡宣告をした少年だった。
医師という職業柄、彼は霊を信じていない。しかし少年は何処か透明で、その身体の向こう川でカンカンと高い音を鳴らしながら降りてくる遮断機が透けてみえるように彼は思えた。
「先生」
ほんのすこし翠色になった目で少年は彼をみつめている。
「僕がみえますか? 僕のこと、憶えています?」
彼は少年の名前を思い出す。電車が通り過ぎるのを待って、彼は口をひらく。
「藤井翔(ふじい かける)くん......」
翔はほっとしたように表情を和らげた。
「えっと......。僕、多分、死んだんですよね?」
彼は翔の末期を思い浮かべた。病による激しい痛みを緩和するために翔にはかなり強い薬を使っていた。そのため翔が亡くなる前後、彼は殆ど意識がなかった。心電図の信号の線が平行になったことで、翔の死が確定されたのである
その死んだはずの少年が、半分透き通って彼の目の前にいる。何処となく所在なげに、凩に揺られながら。彼は少年の裸足のつま先をみる。
「寒くないの?」
少年は困ったように眉をさげる。また遮断機が下りて、会話が途切れる。そして彼は自分の質問そのものが、少年を困惑させていることに気づく。彼は晴れた冬の空をみあげる。そこには国境がないはずなのに、ひとは空を自由に飛ぶことはできない。少年は飛びそこねたのだろう、と彼は思った。医師としてはおかしな考えだと思ったが、彼はめずらしく感傷的な気持ちになっていた。すこし怒っていたのかもしれなかった。涼しい目元をした、まだ思春期の少年が死に至る病に冒され、眠ったまま、息をひきとる。その死亡宣告をした自分に対して。
「行こう。いつまでもここにいても仕方ないでしょう」と彼はいった。少年は首を傾げた。
「何処へ?」
「僕のうちに」そういった途端に彼は後悔したのだが、木の枝に枯れ葉の一枚もない線路脇に少年を置いておくわけにはいかなかった。
菜摘子に少年の姿はみえないようだった。翔が彼の部屋にいるようになってからも、テーブルの上には変わらず二人分の皿が並び、食後のコーヒーのマグカップもふたつだった。菜摘子の煎れるコーヒーは甘かった。一度だけふたりでいったカナダのティム・ホートンズの砂糖とミルクたっぷりのダブルダブルと呼ぶコーヒーの味を菜摘子は懐かしんでいた。
食事が二人分しかなくても翔は気にしていないようだった。翔はなにも口にしなかった。窓辺に吊り下げられた黄色のインコの鳥籠の下に座り、ぼんやりと外を眺めている。
その非日常性のせいだろう。彼は次第に眠れなくなった。病院と菜摘子のいるマンションを往復するだけの静かな暮らし。変化を求めなかった彼の生活が、すこしずつ歪み始めていた。患者の死を確かめ、死亡宣告をすることが怖くなった。もし彼が死亡届を書き、遺体安置所に置かれた後、火葬場に送られた患者が、棺のなかで目を醒ましたら? そう考えると、夜の闇は触手のように彼の喉をしめつけた。
菜摘子は彼の変化に気づいていた。夜中に目を醒ますと隣に彼の姿はなく、少しだけ開いたリビングに、明かりも点けないままじっと座っている彼を、菜摘子は幾度もみた。彼女がいないところで、まるで誰かと会話するように独り言をいっていることも知っていた。インコの餌を取り替える度に、彼女はちいさく呟く。
私は彼のためになにをしてあげたらいいの? 彼にとって私を必要になるためにはどんなものを捧げたらいい? ダブルダブルのコーヒーのようにこころを甘くするものを。ねえ、かみさま......。
「テレビが観たい」
ある時、翔がいった。春も間近な淡い夜だった。鳥籠のインコは眠っていた。菜摘子はどういう訳か家にいなかった。少年は綻び始めている梅の香りを運ぶような口調でいった。
「ひとが笑ったり、喋ったり、歌ったりしているところが、観たいんだ」
「君は......」霊なんだから、といいかけて、彼は口を噤む。十三夜の月が彼らの頭上にぽっかり浮かんでいる。
「街にでてみたら、どうかな。大勢ひとがいるよ」
「でも向こう側から僕はみえないでしょう? それはすこし寂しい。でもテレビなら、僕のことなんか気にせずに、笑ってるひとが観られる」
翔は菜摘子が育てている水栽培の葉を指で弄んでいる。そんな仕種に彼は自分がまだ少年だった日々を思い出す。理想と、おさない微熱のような理念に胸を焦がした季節。彼にも、そして翔にも、もう二度と訪れない。
翔が空を見上げると、すっかり晴れていた空に急に雲がふくらんで雨が降ってきた。まるで翔が魔法を使って雨を呼び寄せたみたいだった。春先の、すこし温く感じる雨。霞んだ霧の奥に、柔らかい風がひそんでいる。翔は雨に手を伸ばす。滴は翔の手をすり抜けて、バルコニーを黒く染める。籠の鳥が目覚めて、一声、鳴く。彼は水を取り替えて、インコの様子をうかがう。
「ねえ、テレビ買ってよ」
すこし拗ねたような、甘えるような声で少年はいう。彼は翔の存在を受け入れている訳ではない。何度もいうようだが彼は医師だ。生と死の境界をはっきりさせる立場の人間だ。彼は翔を否定しなければならない。翔に死亡宣告をしたのは彼自身なのだから。
「先生は寂しくないでしょ。だって、あの女のひとがいるしね」
普段おとなしい少年が、今夜に限って彼に絡むように話し続ける。
「あのひと、毎日先生の好きなもの作ってるよね。本当はあのひと、そんなにハンバーグやらエビフライやらが好きな訳じゃないんだよ。ひとりのときは違うものを食べてる」
それくらいのことは彼も知っていた。菜摘子は蒼い波のようにさざめくだけで、なにも語らないことも。翔は彼を責めるように続ける。
「先生の人生は先生が主役でしょ。でも僕はもう主役どころか、もう舞台の書き割りみたいなんだよ。せめてテレビで、外から他人を見下ろすような、そんな感覚をすこしだけ味わいたいんだ。だって、僕はもう誰にもみえないんだし、誰も僕に気づかない。僕は生きても死んでもいない。どうしたらいいのかなぁって思うけど。ねえ先生にね、どうにかしてっていいたいけど......」
どうしようもない、と彼は思う。
先生、たすけてください。
お願いします。なんでもします。どうかどうか先生......。
何度患者や、その家族からいわれただろう。
勿論巧くいくときもある。ありがとうございます、感謝します、楽になりました。そういわれることだって、何度もあった。彼は束の間、万能感に酔うことができる。医師になってよかった、と思える。ひとを救えた、と感じる。それは心地よい。
けれどやはりひとは死んでいくのだ。気持ちよく晴れ渡った日が続いてもやがて雨が降るように、ひとは永遠に死に続けるのだ。彼にはなにもできない。太陽と月が空に浮かび、地球に光は注ぐけれど、空気の揺らぎからあらわれる矢のような水滴からは逃れられない。明けない夜はないが、暮れない昼もない。
宇宙を翳らすこともなく存在しているのは、ただ翔だけだった。
「テレビ」と執拗に翔はいった。翔の願いはもうそれだけなのだ、と彼は自分を納得させた。
マンションにテレビが届いたとき、菜摘子は呆然とリビングに立ち尽くしていた。業者のひとが配線を終え、彼が書類に印鑑を押し、リモコンを手に画面をチェックして出ていくまで、菜摘子はなにもいわなかった。薄い茶色の瞳孔が閉じていく。音を消されたテレビの光が、ちらちらと星の瞬きのように煌めいた。
「私たち、お終いなの......?」
東雲の夕闇の底で菜摘子は静かにいった。彼は驚いて彼女を振り返った。
「菜摘子? どうしたの? 何故そんなことをいうの?」
菜摘子は髪を耳にかけた。彼女が耳をみせることは今まで決してなかったことだった。
「私じゃあなたの支えにならないことはしっていた......。もっとはやく出ていけばよかったんだけど......」
彼は菜摘子の動揺に戸惑った。彼女の身体のふるえを止めようと、彼は咄嗟に「たかがテレビじゃないか?」と軽い笑みを浮かべていった。
「僕の君への気持ちとはまるで関係のないことだよ」
菜摘子は侘しい窓辺の先の梅の花の綻びをみる。寂しさと悲しみの色が彼女から香ってくるのを彼は感じる。
「あなたにはたかがテレビ、なのね......」
「だって、僕は君を......」
愛している、といいかけて、彼は菜摘子の視線が光のほとりに揺らいでいることを感じる。菜摘子のこころがもう彼から離れてしまったことを、彼は識る。
「私の耳は微かに音を拾えるけれど、本当はくちびるの動きを読んでいるの。あなたのくちびるを読むことに、慣れるまでとても時間がかかった」
菜摘子は彼をみつめた。
「でもこころまでは読めないし」
菜摘子の背後で春の星が凍る。浮かび上がる菜摘子の魂を抱きしめたい、と彼は思う。けれど菜摘子はもう遠い場所にいた。菜摘子は悲しげに呟く。
「あなたのこころの声はきこえない」
「君は耳のことを気にしすぎだよ。健常者だってこころの声なんかきこえない」
そういいながら彼は自分がもう壊れてしまったものを必死に取り繕うとしていると感じている。感情に任せて彼はいう。
「僕の病院にはもっと重篤な患者がいるよ。毎日ひとが死ぬ。もっと苦しむひとも、生まれて数時間しか生きられない赤ん坊だっている」
「ねえ、私が死なないから? ただ耳がきこえない。それだけ? 私はそのことで傷ついたらいけないの? あなたにとって、医者にとって、死に至らない病は意味を持たないことなの? 私の耳。私の静かで、けれど乱暴な音が軋む世界をあなたは想像することができないの?」
彼にとって菜摘子は楽園だった。繰り返される死から逃れられるのは菜摘子といられるときだけだった。その菜摘子が彼から離れようとしている。すがりつきたくなる衝動を彼は必死で抑える。
「あなたのことが大好きだった。なにもいらないと思っていた。でもいらないのはあなたの方なのね」
菜摘子は窓辺の鳥籠の扉をひらいた。解き放れた小鳥は空へと駆け上がった。それは菜摘子の最後の言葉だった。
彼一人では広いベッドに横たわって、まだシーツに残る菜摘子の匂いに顔を埋めていた。それはダブルダブルのコーヒーの匂いだった。
「先生」
ベッドの端に腰掛けても翔の身体はシーツには沈まない。翔は何度も彼を呼んだ。でも彼が求めているのは菜摘子の声だ。
「先生」
明け方が近づく頃、ようやく彼は立ち上がって、キッチンでコーヒーを煎れる。菜摘子の匂いが恋しくて、ミルクと砂糖をたくさんいれてみるけれど、彼の舌はなにも感じない。
「ごめんなさい」
ブルーのパジャマのままで翔はいう。死んでいる翔の容姿に変化はない。
「君のせいじゃない」コーヒーを流しに捨てて彼はいう。
「ううん。僕、わかっていた。こうなること。わざとしたんだ」
「わざと?」
彼はゆっくりと翔を振り返る。白いタイルの上の裸足の指がほんのり赤い。
「そうだね......。僕も多分怒っていたんだと思う。あのひとがいうように、先生が生と死だけを二進法みたいに切り離していることに」
「二進法?」
「僕は1でも0でもない。でも先生はどちらかに分けたがる。だったらどうして僕を生の方に分類してくれなかったのかなって」
翔の淡い色の瞳から涙があふれだす。翔は両手で顔を覆い、キッチンの床にしゃがみこんで暫くのあいだ泣き続ける。それは慟哭だった。肩をふるわせ、吐くように翔は泣き続けた。
「死にたくなかった」
ちいさく、叫ぶように翔はいう。
「死にたくなかったんだ」
「すまなかった」
彼はそれしかいえない。砂に名前を埋めるような、青く冷える言葉しか彼には思いつかない。翔は涙を拭うとささやくように呟く。
「......あの女のひとを傷つけるつもりじゃなかった」
「わかってる」と彼はいう。「菜摘子を本当の意味で傷つけていたのは僕だ。君じゃない」
「僕もでていくよ」
「何処へ?」
「わからないけど......。天国をさがしてみる」
「でも君は......。死にたくないんじゃないの?」
「そうだけど......。でももう死んだのは事実だし。僕がいることでこれ以上誰かを傷つけるのもいやだし」
彼は明けてゆく空をみあげる。銀色の月が架かっていた。
「君がいたいだけここにいても僕はかまわないよ」
「先生」
すこしだけ微笑んで翔はいう。
「あの女のひとの気持ちがまだわかっていないんだね。ひとは取り替えがきかないんだ。死んでも、生きていても、もう逢えなくなるときがあるんだ。先生はまだそれに気がつかないの?」
彼は菜摘子を思う。朝の靄のなか、キッチンに立ち、彼の好きなメニューを用意する菜摘子。鳥籠をきれいに磨きあげる菜摘子。夜中に目覚めると、彼の腕にその耳を載せて眠っている菜摘子。彼はラジオのスィッチをいれようとするが、音がでない。ラジオは壊れていた。まるで菜摘子の葬送のように。
生きていても、もう逢えない。
しかし自分を憐れんではいけない、と彼は思う。菜摘子は翔とは違う。生きている。彼と離れても、人生は続く。彼のいない場所で幸せになることだってきっとできる。それを願う。
朝の眩い陽射しが差し込むころ、彼は部屋に翔すらいなくなっていることに気づく。
全部夢ならいいのに、と彼は思う。翔や菜摘子のことではなく、自分の出生を彼は遠い水に流したいと感じる。その深い川に溺れて、沈んでしまいたい。
けれど彼は今日も病院へと向かう。そして死亡宣告をする。涙にくれるひとたちを残し、病室をでる。手袋をとり、白衣を脱ぎ、彼はまた、失う。それが彼の選んだ人生だった。