編集部ブログ

2021年7月27日 17:35

倉田悠子×「くりいむレモン」ノベライズ復刊シリーズの今後に関しまして

星海社では、2020年6月の『黒猫館・続 黒猫館』の刊行を皮切りに、紫綬褒章作家・稲葉真弓が倉田悠子のペンネームで執筆した、アニメ「くりいむレモン」シリーズのノベライズ作品を復刊してまいりました。

歴史的な背景を含めた力の入った解説を寄稿していただいた解説陣の皆さまや、倉田悠子の世界に新しい命を吹き込んでいただいたイラストレーター陣の皆さま、何より、本書をお買い上げいただいた読者の皆様のお力添えがあり、おかげさまで、このシリーズはこれまでに5冊を刊行することができました。

改めてお礼申し上げます。

つきましては、既に刊行済みの『黒猫館・続 黒猫館』『エスカレーション』『旅立ち 亜美・終章』『マイ・ソング 亜美それから』の4冊、そして7月16日に刊行された5冊目の『サマーウィンド』をもちまして、倉田悠子作品のうち、純文学色の強いものは一通り手に取りやすい形で復刊できたかと思います。

そのため、星海社で刊行しております倉田悠子×「くりいむレモン」ノベライズ復刊シリーズは、最新刊『サマーウィンド』で一旦完結とさせていただきます。

これまでのご支援誠にありがとうございました。

ここで改めまして、シリーズ各書籍の内容をまとめて紹介いたしますので、引き続き星海社FICTIONSにて新たに展開された倉田悠子作品の世界をよろしくお願いいたします。

また、いずれも少部数の刊行のため、紙本は遠からず品薄で入手が難しくなってしまうことが予想されますので、お近くの書店などでお見かけの際には、ぜひお求めいただけますと幸いです。

『黒猫館・続 黒猫館』

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日本中が軍国主義に染まった昭和16年。大学生・村上正樹は、奇妙な求人に導かれ、僻遠の山奥に佇む豪奢な洋館 "黒猫館"を訪れる。

女主人の冴子とその娘・有砂、メイドのあや。蠱惑的な女たちと織りなす陶酔と頽廃の宴の果てに、正樹を待ち受ける罠とは──。(『黒猫館』)

高度成長期もピークを迎えた昭和45年。奔放な過去と決別するかのように、正樹は弁護士を生業としていた。

しかし、桜の香りに誘われた彼の前へ、あの"黒猫館"がふたたび姿を現し、30年前の倒錯の日々が甘やかによみがえる──。(『続 黒猫館』)

紫綬褒章受章作家・稲葉真弓がかつて「倉田悠子」の別名義で著した、『くりいむレモン』の絶品ノベライズ。今なお色褪せぬ伝説の名作、ここに復活!

"倉田悠子=稲葉真弓"を自ら明かしたエッセイ「私が"覆面作家"だったころ」を特別収録!

Illustration:岡崎武士

解説:久我真樹

『エスカレーション』

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ここは聖アザレア女子学園──厳粛なカトリック系の全寮制女子高校。

転入生の小松崎リエは、生徒会長の上級生・早川なおみに見初められ、夜ごと繰り広げられる秘め事へと誘われる。

ミステリアスな同級生・碧も加わっての、底知れぬ欲望の連鎖のなかで、少女たちの愉楽と悲哀が艶やかに浮かび上がる──

百合ノベルの原点にして金字塔が、今ここに蘇る!

Illustration:いとうのいぢ

解説:倉田英之

『旅立ち 亜美・終章』

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高校生の野々村亜美は義兄の宏に密かに思いを寄せていた。

そしてまた宏も亜美に恋しており、二人は禁断の愛へと落ちていく。

秘密の発覚により二人は引き裂かれるが、亜美はディスコでの出会いやモデル業界へのスカウトを経て大人になり、やがて宏を追ってロンドンに旅立つ──。

シリーズの原点にして今なお鮮烈な「妹萌え」の聖典が、今ここに再誕!

Illustration:渡辺明夫

解説:藤津亮太

『マイ・ソング 亜美それから』

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野々村亜美は、最愛の義兄である宏を追ってロンドンに旅立つ。

しかし、そこで待っていたのは宏の不義という残酷な事実だった。

ショックを受けた亜美は道ならぬ契りを繰り返し、やがて成長して「宏よりも大切なもの」を見つける。

彼女はアイドルの晴れ舞台たるコンサートで、自らの思いを宏に伝えるため、力の限り歌う!

「妹萌え」の、眩くも哀しい有終の美----。

Illustration:渡辺明夫

解説:速水螺旋人

『サマーウィンド』

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大学生の日比木陽は、海辺のリゾートで謎の美少女・美奈と出会う。

二人はすぐに近づき、結ばれるが、美奈は「私は人魚姫」と言って正体をひた隠す。

やがて美奈の秘密が、残酷にも二人の間を引き裂いてしまう──。

『くりいむレモン』当時の空気感を閉じ込めた、爽やかな青春ロマンスを原典復刻!

Illustration:かんざきひろ

解説:タニグチリウイチ