編集部ブログ夜の最前線
金曜日は映画の日〜
今日は、みんな大好き! 『アイアンマン3』の話をします。
今や「アイアンマン」シリーズを筆頭に、『アベンジャーズ』などアメリカンコミックヒーローの実写映画は大ヒットを連発していますが、
少し前まで、日本映画界ではアメリカンヒーロー映画(以下アメコミ映画)は鬼門とされていました。
「スパイダーマン」は例外的にヒットしましたが、それ以外のアメコミ映画が広く受け入れられることはありませんでした。
だってあの『ダークナイト』ですら、満足のいく結果が残せなかったんですよ……!
そんなアメコミ後進国日本に一筋の光明が現れましたーーそう、『アイアンマン』です。
「アイアンマン」シリーズといえば、
俺、社長! そんで超天才!!
セレブだし女にはモテモテ!
神が二物どころか三物も四物も与えたような主人公、トニー・スターク。
ここまで恵まれた条件を持った主人公は珍しいと思います。
正直恵まれすぎていて、トニーは非常に共感することが難しいキャラクターです。
けれども極端に“カリスマ化”させることで、結果として日本の観客にも支持されました。
これまでのアメコミ実写映画、特に2000年以降の作品は、原作がマンガというコンプレックスと、ひとりのヒーローの価値観を「正義」と名乗っていいのか? というジレンマを抱えた結果、
社会派の要素を入れたり、「何故僕は戦うのか」と哲学的ともいえる複雑なテーマを扱うようになったように感じます。ヒーローの弱さがクローズアップされ、とにかく悩みます。例えば『ダークナイト』はこの典型といえるでしょう。
こうしたアメコミ映画の複雑化は、テロを経験したアメリカにとっては自然な文脈なのかもしれません。けれども、日本人にとっては「ヒーローの話なのに何でこんな暗いの!?」と何だかしっくりこない……
この日米のギャップこそが、日本の映画業界でアメコミ映画不況の一因だったように思います。
そんな複雑化したアメコミ映画から原点回帰したのが、自信家でかっこよくて強いヒーロー「アイアンマン」だったのです。
第一作目の『アイアンマン』は、個人的にトニー・スタークのPVといっても過言ではないでしょう!(あくまでも個人的な意見です!!)
物語なんて添え物とばかりに、派手なCGと爆発で、ひたすらカッコイイ映像の連続。
空中でアイアンマンが最新鋭のステルス戦闘機F-22と戦うシーンとか最高ですよ!!! 「フレア!」ビューーーーンってところとか超アガるよね!!!!
とにかく物語よりも画で納得させる力業で観客を惹きつけます。
80年代の筋肉アクション映画の様な“強いヒーロー”を求める風潮は非常に興味深いです。
そして、今回の『アイアンマン3』。
トニーのカリスマ性は相変わらずメガマックスでビンビンですが、これまでの激闘からPTSDを患ってしまってさぁ大変。
以前のアメコミ映画特有の「暗さ」のエッセンスが加えられていますが、決してウェットにならない良い塩梅だと思いました。
まぁ、あれですよ。ジャンク味で有名なラーメン屋さんが、急に繊細な塩ラーメン発売! 一口目はあっさりしてたけど全部食べたら結局ジャンクな味だね大将! って感じ?
『アイアンマン3』はとにかくお祭りだから観に行って損はないと思います!
くれぐれも、クレジットの最中で帰っちゃダメだよ!!