編集部ブログ夜の最前線
金曜日は映画の日〜
サスペンス映画の神様とも呼ばれる、アルフレッド・ヒッチコック。
巨匠ヒッチコックと、彼を陰でサポートした妻を主役にした、事実とフィクションを織り交ぜた映画『ヒッチコック』をご紹介します。
映画『ヒッチコック』予告編
物語は1959年。ヒッチコックは『めまい』や『北北西に進路を取れ』などヒット作を連発。
名実ともに超売れっ子映画監督でした。だけどヒッチコックは60歳。
さすがにもう映画監督を引退するだろう……とマスコミや業界関係者は思ってたわけですよ。
ヒッチコックの後釜を狙う若手監督も勃興していました。
そんな状況にヒッチコックは、手塚治虫よろしく「俺より優れた映画監督なんて認めてたまるか!」と嫉妬心バリバリ。
俺を舐めきっている連中を見返してやる! と新作映画の制作を決意。
その映画というのが、あの名作『サイコ』だったのです。
以下、ネタバレ含みますのでご注意ください。
いやぁ、『ヒッチコック』とんだ萌え映画でした。
ヒッチコック萌え!!!
撮影進行がうまくいかないイライラから、冷蔵庫の缶詰全部食べちゃうとか、
寝ている妻を起こして「ねぇねぇ、この本のここ読んでよ〜(それも陰惨なシーン)」って言ったり……萌えるやないか! 巨匠かわいい〜萌え〜
ヒッチコックのまん丸とした体型と、キョトーンとした間の抜けた顔が相まって、かわいさ2割増し!
でも、そんなかわいいおじいちゃんが、
「お金もない時間もない中で映画をつくった、楽しさを! 新人だった頃のときめきをもう一度思い出したいんだよ〜」
と絶叫するシーンはほろっときました。
どんなに有名になっても「自分がワクワクする作品」を作りたいという欲望を抱き続けたヒッチコック。心から尊敬します。
そして妻のアルマの物語もいいんだこれが。
陰で夫を支えても、誰も評価してくれない。
やっと純粋に自分の才能を認めてくれる人が現れたと思っても、「ヒッチコックの妻」としてしか見られていなかったり……。
そんな妻アルマのアイデンティティの承認を巡る話と、
ヒッチコックのクリエイターとしての葛藤が終盤にうまく統合され完結するフローは、見ていて非常にここちよい!
今期ベスト3に入るくらい好きな作品となりました。
上映時間も98分。タイトで素晴らしい!
というか、個人的には
おじいちゃんが頑張ってる映画は、評価が3百点加算ですよ!
あと、エド・ゲイン※が登場するだけでハイ、5億点追加ーって感じです。
※ エド・ゲイン
アメリカ犯罪史でも稀に見る大量殺人鬼。死体から皮を剥いでランプシェードとかベストを作ってた。彼をモデルにした映画は『サイコ』の他に『羊たちの沈黙』や『悪魔のいけにえ』等他多数。
皆さんも是非『ヒッチコック』みてみてください!
でも、『サイコ』は観てから劇場行ってね!