編集部ブログ夜の最前線
みなさんこんばんは。
暑い日が続きますね。
夜の最前線から、今井雄紀です。
夏と言えば高校野球の季節ですね。
僕は小1~高3まで、ずっと野球をやっていた(実力のピークは小6)ので、
やはり、高校野球の情報は多少気になります。
高校野球と言えば、やはり松坂世代。
そして、この時期になると必ず読みたくなる本が1冊あります。
僕は86年生まれで、ちょうど中1(実力のピークを過ぎたころ)の時に、
松坂世代が「3年の夏」を迎えていました。
毎試合出てくる強烈なライバルたちを、
時に完膚なきまでに叩きのめし、
時に大逆転で下す、松坂選手擁する横浜高校。
「完全に少年漫画やがな」と思いながら、そんな横浜高校を応援していました。
起こっていることのレベルが高すぎて、ドラマチックすぎて、
ファンタジーのように思えてしまったのです。
この認識を変えてくれたのが、こちらの本でした。
その名も『松坂世代』。
この本は、松坂世代の大卒選手たちがこぞってプロ野球入りした2003年に出版されており、
あのとき甲子園で起こっていたことと、あのとき甲子園にいた選手たちのその後が、
綿密な取材をもとに、超丁寧に描かれています。
(文庫版も発売中)
これを、彼らと同じ高3の時に読んでまず、
「野球のレベルまじでおかしいな」と思いまいた。
例えば、横浜対PL学園。
松坂選手に隙がなさすぎるからと言って、
横浜のキャッチャーの小山選手(元中日)の構えから球種を読むPL学園もすごすぎるし、
途中で読まれていることに気づく横浜高校もまたすごい。
あのドラマチックな試合展開の裏には、文字通り超高校級の攻防戦があったことがわかります。
また、彼らが「普通の高校生」だったという点も、これまた丁寧に丁寧に描かれています。
沖縄で「なんくるないさ」(なんとかなるさ)と思いながらのほほんと暮らしてきた新垣選手が、
大学でどう変わったのか、変わらなかったのか…って話があったり。
僕はこれを読んで、新垣選手(現ソフトバンク)のことが好きになりました。
そして、今なお続く松坂世代のドラマ。
PL学園のエースとして松坂選手と投げ合った上重選手は、
立教大学の投手として活躍したのち、プロ入りを諦めてアナウンサーになります。
これを聞かされた時の松坂選手のリアクションがまた泣かせる。
「またプロで投げあおうって言ったじゃねえか!」(うろ覚え)と怒るんです。
この話を知っていたので、WBCで松坂選手がMVPを取った時の中継インタビュアーが、
上重アナウンサーだったときはそりゃもう、泣きました。
はー。また読みたくなってきた。
分厚いですが文章がお上手でさらさら読めるので、ぜひ手にとってみてください。
特に試合ドキュメントの部分は、暑いうちに、蝉の声を聞きながら読まれるのをおすすめします。