編集部ブログ夜の最前線
岡村さん(@seikaisha_k_oka)が新人賞の担当分の作品を全て読み終えたらしい。
僕も今週スパートかけないとヤバイ、という状況なのですが、新人賞の原稿読み、実はかなり疲れるので丸一日使っても五作品ぐらいが限界な気がします。
誰もその作品のよさを担保してくれない——むしろその作品が面白いと思った場合、自分がその面白さを担保しないといけない、という真剣勝負の切り結び。
さすがに一作一作気を抜くことが出来ません。
ちなみに新人賞の読み方は人それぞれだと思うのですが、僕は有望そうな作品はあとで思い出すために起承転結を簡単にメモして、作品への一言、雑感、キーワード、いいところ、フォローした方がよさそうなところ、などをA4の紙にがしがしと書き殴っています。
残念ながら水準にきてないかな、という作品は一言コメントのみ。
数も多いので、めんどくさがらず読了後に時間をかけるのが新人賞の原稿を読むコツな気がします。
誰の役にも立たない豆知識や……。
ところで、最近になってようやく言語化出来るようになった気がするのですが、結局のところ小説を書くことは物語やキャラクターを描くための手段であって、物語やキャラクターすらも、読者を面白がらせるための手段だと思うのです。そういった流れがぽっかりと抜け落ちていて、キャラクターや物語を描くことや、小説を書くこと自体を目的にしている作品が多いように感じます。
自分で小説を書いたこともない、しかも新米の編集者に言われてもへのつっぱりにもならんような気はするのですが、自分の描いた小説が果たして“何を”編んだものなのか、見直しの際に俯瞰して再考してみるのも面白いかもしれません。
しかし、新人賞の原稿を読んでると「デビューは誰にでも出来る」という言葉が重くのしかかります。
半端な覚悟でデビューさせるわけにはいかないんだよなぁ……。
うーん、がんばろう。