編集部ブログ夜の最前線
新海誠監督の最新作『君の名は。』
映画動員ランキングで3週連続1位を記録。この勢いだと動員500万人突破はおそらく時間の問題でしょう。
そんな新海誠さんが装画を担当した、白倉由美さんの『きみを守るためにぼくは夢をみる』という作品をご存じでしょうか?
装画でも一目で「新海さんの作品だ!」と分かりますね。
ワンショットから物語が溢れ出す、この作家性!
最小限の情報量で、感情を最大限に引き出す構成力! いつ見ても新海さんのイラストは美しいです……うっとり。
新海さんの絵(アニメーションを含む)は自然や原風景といった非都会的なものがモチーフになることが多いと思うのですが、私はそこに何故か懐かしさや切なさをいつも感じてしまいます。
田舎に住んだ経験なんてないはずなのに何故かほっこりしてしまう、『となりのトトロ』的ノスタルジーに、「後悔」とか「黒歴史」とか、痛みがないまぜにされる感じ……が堪らなく好きなのです。
『きみを守るためにぼくは夢をみる』は、一夜にして7年の歳月が流れてしまった男の子の、切ない恋物語です。
純粋な10歳の主人公と、幼なじみの17歳のヒロイン。2人の思いが深ければ深いほど、時間の壁が残酷に突き刺さるのです。
そのやるせなさが、切ないを通り越して痛い。でもずっと2人を見守っていたくなる……読めば心が洗濯されるような優しいお話です。
新海さんの挿絵も魅力たっぷりで、神話級に物語とシンクロしているので必見です!
現在『最前線』で連載中のショートショート「白倉由美の「死ぬ話」とはまた違った魅力が魅力が詰まっているので、秋の夜長のお供に『きみを守るためにぼくは夢をみる』を加えてみるのはいかがでしょうか?