編集部ブログ夜の最前線
こんばんは、丸茂です。
先日、ある変革に備えて「最前線」のコンテンツをくまなく確認する作業をしました。
ぼくはかねてより星海社が好きだったので、一肇さんの『フェノメノ』、ビジュアルノベル版ダウンロードしたなぁ……渡辺浩弐さんの『2013年のゲーム・キッズ』、ニコ生見てたなぁ……『星海社ラジオ騎士団』、平林さんの声聴いてたなぁ……などと懐かしさに浸っていたのですが、同時に「こんな本出してたんだ!」と知らなかった企画や刊行物も多々ありました。
いまではぼくも星海社の一員ですから、自社のことはゆっくりでもわかっていかないと……と考えていたある日、Twitterを眺めていると、カルロ・ゼンさんのツイートが流れてきました。
ぶっちゃけ、最強の教科書です。
ストーリーもさることながら、WEB小説で書き始める人、書籍化するかも……とかいう人、した人、全員にお勧めできます(`・ω・´)
しかし、重大な欠点と欠陥もあります。私自身、文芸部に入り浸ったにもかかわらず、図書館での素敵な出会い等々はなかった。
……とのこと。
津田彷徨さんの『ネット小説家になろうクロニクル』か……そういえば読んでいなかった。
学生生活中、小説ばかり読んで過ごしてきましたが、ネット小説は異世界転生モノのイメージが強く、その流行りに乗れず、敬遠していた分野でした。
これを機会にと、カルロさんのツイートに背中を押され、『ネット小説家になろうクロニクル 1 立志編』を手にとってみました——
主人公は元サッカー少年の高校生・黒木昴。
プロサッカー選手を目指していた彼は、しかし試合中に大怪我を負い、選手生命を絶たれて失意の底にありました。
ぼうっとグラウンドを眺めていたある日、彼は友人・夏目優弥に『アリオンズライフ』という小説を渡されます。
小説を読むなんてタルいなあと億劫にしつつ、トラックに轢かれて異世界転生というあらすじにツッコミを入れながらも読み始め……。
翌日、「アレさ、続きないの?」と昴は興奮しながら夏目に迫るのでした。
『アリオンズライフ』が投稿されていた、ネット小説投稿サイト〈Become the Novelist〉――通称〈ベコノベ〉を夏目に紹介され、彼はその世界にのめり込んでいきます。
そして数多の投稿作をむさぼり読んだ昴は、理想の小説を作り上げ、プロの小説家になる!と決意したのでした。
『ネット小説家になろうクロニクル』は、異世界ではなく、現実世界を描いた小説です。
ですが、プロのサッカー選手としての人生を絶たれた昴が、ネット小説投稿サイトという異世界で商業作家デビューを目指して新しい人生を歩んでいくという、異世界転生モノのストーリーの型をなぞっていることに気づきます。
異世界転生モノは似たような設定の作品ばかりと思っていましたが、その型を踏襲しながら、創作を志す仲間と作家デビューを目指す王道の青春ストーリーが紡がれていく……おもしろい!
そんなストーリーが物語られるなかで、アクセス解析の利用や投稿頻度の工夫など、昴はネット小説投稿サイトでランキング上位になるためのメソッドを学んでいきます。
つまり商業デビューに近づくためのメソッドが、この本にはぎゅうぎゅうに詰めこまれているのです!
カルロさんが「最強の教科書」と評した理由はそこなのでしょう。
『ネット小説家になろうクロニクル』は、その物語を楽しむのはもちろん、ネット小説の世界を知ることができる本です。
だからこそ、小説家になりたいと思っているひと、すべての方におススメしたい!
新人賞に応募するも落選して失意にあるひと、ネット小説投稿サイトからの商業デビューという道を、この本を読んで考えてみませんか?
もちろん、すでにネット小説を投稿されている方にも、この本に詰め込まれたメソッドはお役立ちになるはずです。
そして、なんとなく小説家になりたいと思いつつ、まだ小説を書いていないひと、この本を読めばきっと小説を書きたくなります!
現在、第2巻『ネット小説家になろうクロニクル 2 青雲編』も発売されております。
第1巻とあわせてぜひ、チェックしてください!