編集部ブログ朝の最前線
おはようございます。櫻井です。
いよいよ自宅に本があふれてきたので、ついにAmazonのダンボールで本棚を増設するという暴挙にでました。
切実にスモールライトが欲しい。
本棚を整理したついでに、またお気に入りの図録をご紹介します。
今回は、2013年に東京都美術館で開催された、『エル・グレコ展』の図録です。
エル・グレコは、16世紀から17世紀にかけて、主にスペインのトレドで活躍した画家です。
この「エル・グレコ」というのは通称で、「ギリシア人」を意味します。
本名はドメニコス・テオトコプーロスといい、ギリシアのクレタ島生まれ。
多くの宗教画や肖像画を遺したことで有名です。
私は、エル・グレコの劇画的(といっていいのかわかりませんが...)な線と、
濃厚な赤・青・黄の色使いが好きで、今の家に引っ越す前は部屋に
<聖アンナのいる聖家族>の複製画や、
<無原罪の御宿り><受胎告知>のポストカードを飾っていました。
私はキリスト教徒ではないのですが、エル・グレコ作品に関しては
「マリア崇拝」のきらいがあるようです。
エル・グレコの描くマリアの、特に頬と顔色が好きです。
<無原罪の御宿り>と<受胎告知>は、ともに教会の祭壇に飾るために
製作されたものですが、祭壇画ならでは特徴があります。
↓<無原罪の御宿り>
↓<受胎告知>
ちょっと頭身バランスがおかしい気が...?
どちらも、なんとなくマリアの足が長くないですか?
祭壇画は、その名の通り教会の祭壇の背後に置かれるために、
サイズがとても大きくて、<無原罪の御宿り>は縦の長さが3メートル以上あります。
すると必然的に、祭壇画は常に斜め下から見上げられることになります。
ふつうに描くと見上げたときにすごく短足に見えてしまうので、
わざと下半身が長めに描かれているのです。
この話を聞き、展覧会では絵の前でしゃがんで下から見上げてみたら、
「たしかに、これなら体のバランスがちょうど良く見える〜!」
と、魔法にかかったような気分でした。
この時、周りの大人はみんな熱心に<無原罪の御宿り>をしゃがんで鑑賞していたのですが、
ふと気づくと、小さい子どもたちがその姿をおかしそうにながめていました...。