編集部ブログ朝の最前線

2018年7月 5日 08:00

漫画編集

おはようございます。

一昨夜、「漫画編集者談義 対談:栗原良幸×飯田孝」に行ってまいりました。

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会場は阿佐ヶ谷ロフトA!




栗原良幸さんが講談社に入社されたのは1970年。
雑誌・週刊『モーニング』や月刊『アフタヌーン』の創刊に大きく関わった漫画編集者です。

同じく飯田孝さんも、白泉社の編集者。
『楽園 Le Paradis』の編集作業をおひとりで担当されています。

長年出版界の歴史を見てきた漫画編集者としてのお話を、たくさん聞くことができました。




・講談社での雑誌立ち上げについて

「モーニングがおもしろければ、日本がおもしろい」「日本がおもしろければ、モーニングがおもしろい」
「アフタヌーンがおもしろければ、漫画がおもしろい」「漫画がおもしろければ、アフタヌーンがおもしろい」

当時、こうしたコンセプトを掲げて
おもしろそうなことは何でもやってみよう! という考えのもと進められた結果、
あれよあれよという間に、『アフタヌーン』は1000ページを超えてしまうことに......!

当時、「安価」で「薄く」、かつ「丈夫」「裏写りしない」紙の種類や印刷技術は
なかなか存在せず、あえなく増ページを断念されたそう。

ページ数が増えれば、当然値段も上がりますが
モーニングの場合、売上にはまったく影響が出なかった、というエピソードに驚愕です。




・2コマがあれば物語は生まれる

「漫画は2コマの連続である」
栗原さんが力強くおっしゃった言葉です。

作家を見定める基準は、2コマに力があるかどうか、ということ。
少ないコマの中に伝わってくるものがあるのか、あるいは足りないものばかりなのか。
そこに、作家の資質があらわれるそうです。

「2コマ」を軸として、
今までに見たことがないパワーが出てきそうだ! という期待、
そして想像を持つことができるような作品・作家を選んできたそうです。

会社などで使われる「育成」という言葉に、
違和感を持っている、というお話もいただきました。

人間は20歳からはそう変われない、
つまりは時間と経験を積むことでしか変化できない、とのこと。

子どもから大人になるような、「育つ」「育てる」とは、意味合いが少し異なるのでは? と
言葉にしておりました。

漫画に必要である3つの要素、
「絵」「ストーリー」「センス」。

「絵」と「ストーリー」は、努力によってどうにでもなるが、
残念ながら、「センス」は生まれ持ってのもの。

どれだけ画力がなく、話の展開がおかしなものでも
なぜかビビッときてしまう。やはり、そんな作家さんに惹かれてしまうことが多くあるそう。




3時間を超える、静かに燃えるような熱い対談でした。
ありがとうございました!

同期有馬と同じく、我々にはまだまだ実感を持てないことばかりですが、
どうにか頑張っていきたいと思います。

今日も一日がんばりましょう!