編集部ブログお知らせ
2015年7月21日 15:00
アナステーシア・モレノ先生ご逝去につきまして
弊社ウェブサイト『最前線』の「4ページマンガ」にて連載中の『まりんこゆみ』の原案者アナステーシア・モレノ先生が、2015年7月12日にご逝去されました。応援してくださったファンの皆様に謹んでお知らせ申し上げます。
モレノ先生は海兵隊員としてご活躍したのち、軍事通訳・マンガの翻訳活動を開始。2012年に『まりんこゆみ』で原案者としてデビューされました。 「4ページマンガ」の創設時から今に至るまで、共同著者であり作画を担当する野上武志先生と二人三脚で『最前線』を支えてくださいました。
海兵隊の日常を描いた『まりんこゆみ』は、モレノ先生の実体験を基に描かれた作品です。思いやりに溢れ、不屈の闘志を持つ主人公・南雲弓のキャラクターは、まさにモレノ先生そのものです。
『まりんこゆみ』の単行本化に際しては、手間のかかるコラムの執筆をお願いした時も「おもしろそうですね! やりましょう!」と快諾してくださり、こちらが要求する以上の原稿をあげてくださいました。たとえ闘病生活中であっても、この攻めのスタイルが変わることはありませんでした。
モレノ先生と共に限界まで作品をブラッシュアップする作業は、自分にとってかけがえのない経験となり、本当に幸福な時間でした。右も左もわからない新人である私に、編集の楽しさを教えてくれたのは、間違いなくモレノ先生です。
あまりにも早すぎるお別れに、正直まだ心の整理がついていません。やり残したことがたくさんありすぎます。
モレノ先生の最期のメッセージのなかに、『まりんこゆみ』を通して「メディアが報じない在日米軍基地の中からの視点を伝えたい」という言葉がありました。
モレノ先生が遺した原案と志を引き継ぐためにも、野上武志先生と力を合わせて、引き続き『まりんこゆみ』の連載を続けていく所存です。 モレノ先生の生きた証である『まりんこゆみ』をこれからも見守っていただけますよう、お願い申し上げます。
星海社 アシスタントエディター 林佑実子