編集部ブログ昼の最前線
本日発売の3月14日発売の『果てなき天のファタルシス』を紹介したいと思います!
星海社FICTIONS
著者:十文字青
Illustration:ネコメガネ
定価 1300円(税別)
自分がどんな歴史を体験しようとも、いつ見ても空の色は青。
そんなことを思ったことはないだろうか。
いつの時代も空は青いのだ。
そんな当たり前のこと。
自分が記憶を失ったとしても覚えているだろう。
主人公の大海八尋は記憶を失い、過去の自分はファタルという生き物と戦っていたことを知る。
空の青さは覚えていても、戦い方や住んでいる場所、共に戦っていた仲間のことはもちろん覚えていない。
そんな中、街を守るために戦いに出る。
戦いの最前線で以前の自分に違和感を感じながらも、恋、友情、仲間の死————
を目の当たりにする。
周りは自分のことを知っている、しかし、自分だけ周りを知らない。という環境にいることを想像すると、心に穴が空いたような寂しさがある。私が経験で近いものといえば転校が思いついたが、そんなのもとは比べ物にならない心情だろう。
そんな心情の中、戦いに出ている大海八尋を想うと、彼の姿や行動に引き込まれてしまう。
この作品は、十文字青さん(@jyumonji_ao)が同人誌『BLACK PAST』にて発表された長編を加筆訂正し、解説を加えて星海社FICTIONS化したものです。
解説は『BLACK PAST』を編集された坂上秋成さん(@ssakagami)によるもので、長編に至るまでの経過や、作品自体への想いを追体験することが出来ます。
私は解説を読んだ後にもう一度読みたくなり、すぐに二周目。
空の青さが引き立つ素敵なカバーイラストはネコメガネさん、デザインは木緒なちさんです。
どのページも素敵ですが、中でも私は見開きのイラストが大好きです。
物語を読み終わったらぜひもう一度前のページに戻り見てください。
今日も空は青いと感じるはずです……。