編集部ブログ昼の最前線
このところ企画のことばかり考えています。
雑誌時代は「切り口」ということを良く言われましたが、それとにたようなことが書籍でもあるんだろうな、と思いつつ日々企画を温めています。
喩えば……というわけでいきなり書影を貼りますけど、左は柿内さんが光文社時代に手がけた本。
右は何ヶ月か前に読んだ別の本なんですが、これがミクロとマクロだな、と。
『江戸三〇〇藩最後の藩主』の中にも『脱藩大名の戊辰戦争』の主人公・林忠崇は出てきますが、当然その割合は小さい。
「幕末、最後の藩主」というテーマを選ぶ時点では、どちらに振ることもできるわけですが、じゃあ何を持って決めるのか。
全藩主を短いながらも紹介することによって、大名たちの動きから時代のダイナミズムを読み取ってもらうか。
或いは、一青年大名の戦いと数奇な人生を通して、幕末に大名という立場に置かれた人間の姿を詳細に描写し、時代の覗き穴とするか。
どちらにしても、企画を立てるにあたって定見が求められるわけであり、しっかりした企画を立てるというのはまことに難しいものだな、と思う深夜でありました。