編集部ブログお知らせ

2013年8月14日 21:07

『那由多の軌跡』に込めた思いと仕掛け

こんにちは、平林です。
本日は、8月19日頃より全国書店さんに並びます『那由多の軌跡』のご紹介です。


ファルコムファンの皆さんは先刻ご承知かと思われますが、原作は10万本を超える売上げを記録した大ヒットゲームです。
故に、お預かりするこちらとしても大変緊張するといいますか、「良いものにしなければ!」という意識が強くありました。


ところで、良いノベライズとは何でしょう? 原作のテイストを忠実に守り、設定も全て原作準拠、一歩もはみ出すことなく小説にする……というのもひとつの手段だと思います(特にノベルゲームなどでは、その方がいい場合も多々あるでしょう)。
しかし、今回『那由多の軌跡』のノベライズを製作するにあたって、その方法を採りませんでした。

なぜなら、『那由多の軌跡』というゲームの面白さを、小説というメディアで伝えるためには、「そのままのノベライズ」ではない手法のほうがいいのではないか、と思ったからです。
そんなわけで、ノベライズ版『那由多の軌跡』には、ファルコムさんのご好意に甘える形で、幾つものオリジナル要素が入っています。
しかし、原作をプレイした時の感動、それを読者の皆さんに伝えることを、一番大事に考えて製作したつもりです。
原作ファンの皆さんには、懐かしく、それでいて新鮮な気持ちで楽しんでいただけるのではないかな、と思っています。

我々のわがままな提案を「面白そうですね、いいですよ!」とにこやかに通して下さった日本ファルコムの皆さん、本当にありがとうございます!


そして、最後にひとつ、ちょっとばかり面白い仕掛けのご紹介を。

作中で、ノイがセキュリティの問題でナユタたち人間に伝えられない情報がある、という場面があります。
ノベライズ版でもそのシーンは健在なのですが……こんなことになっています。



なるほど、確かにナユタには意味の取れないものになっていますね。
でも、我々の技術ではどうでしょう?

勿論、肉眼では難しいかもしれません。
けれど、拡大コピーなどして、文明の利器を用いれば……ノイの話していることが読み取れるかもしれませんね。

他にも書体のデザインは幾つか凝った処理が施されていますので、気になる方は探してみるのも一興かと。
また、尾谷おさむさんのイラストや、桑山慧人さんのデザインも素晴らしいものになっています。
テラを冒険した皆さんの本棚に、この本も並べてもらえたなら、関係者一同とっても幸せに思います。

ノベライズ版『那由多の軌跡』、発売は8月19日(全国に行き渡るまで数日かかります)。
試し読みキャラクターイラストの公開も先行して始まっていますので、それらをチェックしつつ、お待ちいただけましたら幸いです!