ツイ4 『第86回 ツイ4新人賞座談会』 #0001

『第86回 ツイ4新人賞座談会』

投稿者の今後に期待!

作品No.0001 カレはアミちゃん はるさわみみずく

作品No.0001「カレはアミちゃん」はるさわみみずく

持丸 以前の作品にも感じたのですが、湿り気のある絵柄と内容に惹かれました。彼氏を男の娘に仕立てたいところから性差と上下の逆転が起こり、そこにおもしろさが生まれます。男の娘がこの先どうなっていくのか? 奴隷化まっしぐらなのか愛の対象となっていくのか? そこを出せるとよかったですね。

岩間 勢いのある展開やキャラクターに作品の個性を感じました。一方で、10ページを通して黒棘さんがやや強引に見えてしまい、星網さんから「ずっと好きでした」「付き合えるなら何だってします」と告白される魅力がわかりづらく感じました。

岡村 冒頭3ページのつかみとスピード感、いい意味で2人の思考が極端なのがおもしろいです。画力は一朝一夕で向上するわけではないですが、絵がよくなると作品としてさらに魅力が増すので、がんばってもらえると嬉しいです。

丸茂 画力向上は引き続きがんばってください。画力で男の子のほうをかわいいと思わせなければいけない内容だと思うので。なんで女の子のほうを男の子が好きなのか、理由が見えなかったのが気になる点でした。

磯邊 個性的な2人が意外にもうまく噛み合ったという展開、いいと思います。アミちゃんの魅力は「へなへなだけど暴走する部分もあり、たまに天然発言でドキッとさせてくる(10ページ目の2コマ目)」ところ、黒棘さんの魅力は「ドSでハッキリものを言うけど、優しくて意外と気にしい」なところだと思いました。2人それぞれのギャップが見えるのが最後3ページに入ってからでしたが、もっとそこが見たかったです。コンセプトのひとつに「黒棘さんが振り回しているようで逆にアミちゃんに振り回されていく」ことがあるのかなと感じたので、そこがわかりやすくなるといいとも思いました。また、5ページ目の3~4コマの「モブキャラのセリフ」・「はしたない姿」が女装を否定しているとも受け取れる表現だと感じました。慣れない女装にドギマギする様子がユーモアに伝わる言い換え表現など、もしよければ検討していただけたらと思います。

見野 設定や最初の展開のテンポはよかったと思います。ただ、そこからキャラの魅力を広げるところで少し失速してしまっているように感じました。画力の向上もそうですが、言動も含めて読み手がキャラを好きになる、応援したくなる工夫は心がけてほしいなと思います。

守屋 キャラクターの感情の変化が激しすぎるように感じました。特に彼らの人となりが伝わる前ですと、マンガとしてオチをつけるためにキャラクターが動かされているように見えてしまいます。このテーマでしたら、より生き生きとした、読者の共感・感情移入を誘うようなキャラクターづくりを心がけていただければと思います。

太田 冒頭の引き込まれる感じはかなりいいと思います。あとは、ご本人もおわかりだと思うのですが課題は画力ですね。まずは基本に忠実に、模写からはじめてみてはいかがでしょうか。