「ツイ4」を支配する女王様のような作品を待ってるぜ!
今井 SとMの関係の描き方は悪くないと思います。MにSが振り回されている感じとか、本当にSMが好きな人が描いていると伝わりました。ただ、ネタの1本1本は、ギャグとしても、ちょいエロとしても中途半端ですね。
太田 ほほえましさは魅力ですけどね。ただし、SMものは過去に傑作が多数あるので、後発ならば新味が必要です。このマンガにはそれがない。見つけてください。
石川 女の子のMっぽさというか犬っぽさはかわいく描けてますよね。ただ、「純情」の「ご主人様...」のカットとか、「魅力的」の女王様ルックとか、作画的に一番かわいくあるべきところがいまいちキマってないのがもったいないと思いました。
平林 不条理ギャグとしてはもうちょっと味付けが濃くてもいいかも。予想を裏切るドS、ドM描写が欲しいなぁと。もっとぶっ飛んでてもいい。
太田 ギャグセンスはこの人ちゃんとあると思う! 「願い事」のラストはいい感じです。「回転寿司」の見せ方もうまいです。でも、「ラブラブ」のラストはMっぽくない。そこはいわゆる「ごほうび」でしょう!
平林 「回転寿司」、いいですよね。僕も好きです。
石川 S子さん、M男くんのこと大好きすぎじゃないですかね......いいと思います!
岡村 先ほどのSM作品と比べてギャグテイストだけど、読んでいてちゃんと笑えるのがいいですね。絵面に狂気もあって魅力的です。違う設定で次回作読んでみたいです。
林 この方は逆に「SM」という設定が足かせになっている気がしました。キャラが自由に動けるように、次回はもっとゆるいテーマにしてみては?
太田 さっきの人は本当にSMが好きな人だけど、この人にとってはSMはマンガを描いていく上での「ネタ」なように感じる。表現における目的と手段の違いかな。だから、確かにSMにこだわる必要はないかもしれないですね。
林 キャバの裏側を描くお仕事4コマを期待したのに、お仕事要素ゼロでした......。ふつうにキャバ時代の経験を描いた方がおもしろいのでは......?
岡村 「秋葉原」と「元キャバ嬢」という組み合わせ自体は、ふつうのキャバ嬢ものよりも興味を惹かれるよ。でもその組み合わせがうまく作品に活かされていないのが問題。
今井 エッセイマンガは経験じゃなく視点を競うものだと再認識させてくれる作品です。主人公が恥をかいてないのも、エッセイとして弱いです。もっと自分をさらけ出して!
平林 マンガとしてのゴールが設定されてないのも、読みづらいというより楽しみづらい印象ですね。あと、2本目と10本目は著作権の関係で不掲載とさせていただいております。ご了承ください。
平林 主人公の福田が女性だということに、4本目まで気づきませんでした。
林 いわゆる百合ものですが、「私ってこんなに変態」ネタで笑わせるタイプなので、百合を期待した人はがっかりしてしまうかも。百合である必要性がほしい!
今井 美紗さんに心酔している理由を、容姿以外で描いて欲しい。素敵な人だな、と思える描写がこの10本では見られなかったので。
太田 同じくです。これはいわゆる広義の百合マンガで、それが売りのマンガなのにその売りがわかるまでが長すぎます。また、美紗さんの魅力を読者に伝える仕掛けをきちんとつくってほしい。
林 百合好きの石川君から見てどんな感じ?
石川 うーん、もうちょっと読者が入れ込める関係性を見せてほしかったですね。福田→美紗さんのベクトルは、福田が変態的に美紗さんを好きというだけなんですけど、その変態度合いも表面的な感じがする。美紗さん→福田のベクトルも、福田は変態だけど絆されてる、というようなところまで踏み込んで描くと、関係性が立体的になるのではと思います。
今井 ロボット娘の恋って設定はいいですね。
岡村 1ページ目で何のマンガかわかるのはgoodです。
平林 ロボ子、もっとかわいくしてもいいのでは? それから、ロボ子にどういう来歴があるのか、ちょこっと入れてもよかったのでは、という気がします。
太田 設定はいいですね! ちょっとマルチのことを思い出してみたり。ロボ子のデザインも、僕はいいと思う。
今井 デザインでいうと、手のUSBのとこは、何故かテンション上がりました。男心をくすぐられたというか......性格とギャップがあってよかったです。
大里 ロボ子、かわいいですね。千秋くんが勉強も運動もできるスーパーマンにみえないので、マンガで説得力を出してほしいです。
太田 逆に清水君のキャラクターは弱い。彼のツッコミ力がまったく足りていないので、ロボ子のボケとのバランスが取れていません。ここがいちばんの改善点になるかと。
岡村 話も構成もわかりやすい。登場するキャラ数も10本では最適。ただ僕は、ロボ子の続きが読みたいと思えるほど魅力的に描かれているかというと、今のままだと足りないと思います。ロボ子の「無表情キャラ」という設定をうまく使ってもっともっと考えれば、今以上にグッと魅力的な作品になると思います。
平林 この「ずきん族」が、超がつく人気キャラだったら成立すると思うんですが......。
林 ちびキャラの名前がなかなか出てこないので、モノローグでもいいから早めに出したほうがいいですね。そのほうが読者もキャラに愛着がわくと思います。
石川 もっと徹底的に「ずきん族」のかわいさを追求されるといいのではないでしょうか。『ねこのこはな』などが参考になると思います。
林 これは以前ご投稿頂いた作品の続編ですね。前回の総評では「白い」とコメントさせて頂いたのですが、今回はトーンが追加されました。ありがとうございます!
岡村 画力については置いといて、もっと1つ1つオチをつける構成にしてほしい。
太田 4コマで割ったストーリーマンガになってしまってるからね。
林 ひとつのマンガを10本の4コマで区切るのと、10本で完結する4コマは別物ということですね。
太田 そうです。それを意図的にやっていて、しかも4コマとしてもおもしろいのならば何も問題はないですが、これはそうじゃないですね。
平林 また続きだ......。
今井 1本目から、魔女が何を言っているのかよくわかりませんでした......。
岡村 続きものなので初見の人にはよくわからないですね。次回投稿していただけるのであれば、違う作品だと嬉しいです。次も同じ作品だと、おそらく同じことの繰り返しになります。
太田 この世界を手放して新しいものにチャレンジするべきです。
今井 デザインの心得がある方なのか、色使いは綺麗ですね。フォントもちゃんと選んでらっしゃる。
太田 絵はうまい! でも、それだけで終わっている感じです。題材も、ネットにいくらも転がっているペンギンあるある以上のものを現時点では感じません。
林 旭山動物園の月刊誌の4コマなら十分おもしろいんだけど、毎日読むには物足りない感じですよね。ペンギンを擬人化するなり、キャラ化は必須だと思います。
岡村 あと身も蓋もない話をすると『エンペラーといっしょ』という、とてもおもしろい皇帝ペンギンマンガが既に世に出ているので、後発の作品はそれを上回る工夫が必要です。テーマや設定が被ること自体は何ら問題ないのですが、作品の「切り口」は明らかに別物かつ新しいおもしろさがないと、後からやる意義が特にはない、と思っています。
太田 この人には何かある気がする......!
林 ウケちゃんって名前いいですよね。いい感じにメタでふりきってる(笑)。
岡村 高校生の同性愛をシリアスではなくライトに描く、というのは結構難易度が高いと思います。ライトならではの楽しさとか笑いとかがあまり伝わってこないのが残念。
林 これ、クラスにカミングアウトしたいウケちゃんと、したくない瀬川君とか。初めに2人のスタンスを提示したほうが良いですね。
今井 たしかに解決すべき課題がありそうで明示されないから、何をよりどころにして読んだらいいのかわからないんだよね。
太田 僕、こういう世界観が好きなんですよねえ。女の子版だとこういうふうに読み取れる作品はいくらもあるけれど、男の子版で4コマで一般向けっていうとまだあまりないんじゃないかなって思うので、そこには鉱脈があると思います。
平林 この人、声をかけさせてください。
岡村 はやっ!!
太田 『ヘタリア』×『WORKING!!』ですね。絵柄は素直でのびしろがありそう。
平林 テーマがすごくいいので、ちゃんと取材して、1人ずつ丁寧に紹介していくと良いと思います。我々の身近にある状況で、食ものでありお仕事ものであり、異文化ものでもあるので、すごく強いカードになる可能性がある。
太田 居酒屋についてはしっかり取材してほしいですね。職業ものはそこがしっかりしていないととたんに色あせて見えるので。
平林 要素が多いので、うまくまとめられるかどうか......という懸念はありますが、ちょっとトライしてみたいです。
林 「断食」がとてもおもしろかったので、ぜひこのインドネシア人のおじさんを復活させてください!
今井 「モグラのたたき」は、ちょっとおいしそうだなと思ってしまいました。
太田 この人も才能あると思う! って俺、今回こればっかり言ってるな......。疲れてるのかな......。
岡村 小湊のキャラはとてもいいですね! 狂気とかわいさがある。この人も違う作品でどういうキャラが描けるか知りたい......。
石川 「モグラのたたき」で完全に引き込まれてしまいました。それと、この人の何がいいって、導入部のスピード感が心地いいんですよ。情報が絶妙に圧縮されていて。僕、お声がけしてもいいでしょうか?
太田 ぜひお願いします!
林 「ベタは偉大」という言葉がありますが、この作品はちょっとベタからはみ出なすぎでは? もうワンアイディア欲しいです!
平林 知識が裏切られるパターンがどれも似ているのも気になりますね。
今井 名前が勝手に決まるくだりは、おもしろかったです!
岡村 定番のRPG設定・テーマで、主人公がパンイチっていうのがこの作品の特徴ですが、パンイチであることが特に作品の魅力になっていないのが残念。
太田 RPGあるあるは激戦区中の激戦区なので覚悟は必要ですね。あと、そのあるあるがわかる読者ゾーンの高齢化も激しいので、今から出て行くならばよっぽど新しいアイデアがないとですね。
岡村 これと似たような設定の投稿作を以前読んだ記憶が......。
林 第7回の「ストレスむにむに」って作品ですね。疲れたOLさんの前にだけ現れる、白くて柔らかい妖精が本当にいるのかも......。いつか私も見えるかなあ。
今井 絵もうまいし、1本1本オチてるけど、予想外のことが起きないから明日も読みたい! とまでは感じなかったかな。
岡村 この妖精だけで話をひっぱるには、キャラが弱いと思う。
石川 線の太さやネーム量の多さ、集中線の多用など、全体的に画面が詰まって見えるので、疲れてしまう感じがします。もうちょっと緩めてもいいのでは。
岡村 今回は『異文化居酒屋バイトの今田くん』と『覆面レスラー『棺桶』』がおもしろかった。覆面レスラーは久々にやられたと思いました。
林 もう座談会も11回目ですが、ちょっと見たことないタイプの作品でしたね。
今井 『覆面レスラー『棺桶』』、すごかった......。突き抜けるってこういうことなんだなと。SM作品が多かったですが、よほど自信がない限りは、既存連載陣と被るネタは避けたほうがチャンスは増すと思います。
平林 これまでの座談会がずいぶんたまってきたので、投稿者の皆さんは一度目を通してもらえると嬉しいです。ジャンルやテーマが似ている作品があるかも知れないので。
大里 過去の座談会で、僕たちは一貫して同じことを言っていますしね。
太田 『覆面レスラー『棺桶』』はヤバかったですね。今の「ツイ4」の方向性とは真逆だけど、僕はこういうのもひとつはあっていいと思う。
林 あと、『青春オカルティーン!』の集中連載を経験して痛感したのですが、4コマ目でボケて落とすというのは大事です。ひとつのマンガを4コマで区切るのではなく、1本1本の4コマの精度を上げることが大切ですね。
岡村 引き続き、ご投稿お待ちしております。
一同 宜しくお願いいたします!
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