第2回星海社FICTIONS新人賞 編集者座談会

2011年5月17日@星海社会議室

受賞作なし! 荒ぶる作品を我々は待っている! 『原くくる処女戯曲集六本木少女地獄』原くくる緊急出演決定

第1回星海社FICTIONS新人賞受賞作『ブレイクキミコア』、
ついに発売!

太田 座談会の前に、発表です。栄えある第1回星海社FICTIONS新人賞受賞作、小泉陽一朗こいずみよういちろうさんの『ブレイク君コア』がついに星海社FICTIONSから刊行されます! 刊行は7月です!

一同 (盛大な拍手)

太田 第1回の受賞作をスピード刊行することで、この賞を目指す人たちに僕たちがどんなものを欲しているか、よりわかってもらえると思います。

山中 今まで『ブレイク君コア』がどんな作品か謎のベールに包まれてましたからね

太田 この座談会が掲載されるのと同じ頃には『最前線』での連載も開始されてるんじゃないかな。小泉さんには受賞後、何度も何度も改稿していただいたんだけど、最終的に、時代を画すような非常に面白い原稿になっているという自信を編集者として持っています。僕は基本的には、デビュー作の原稿はあまり改稿のお願いをしないんだけどね。

平林 そうなんですか? 西尾維新にしおいしんさんの『クビキリサイクル』はかなり改稿されてたという話がありますけど

太田 いや、西尾さんが例外的なんだよ。ふだんはほとんど触らずに出版するんだよね。

山中 西尾さん以来、ってことですね。

太田 そう。それだけ手をかけていただいて、本当に良いものになったという確信はある。『ブレイク君コア』はある事件をきっかけに心が入れ替わってしまうという小説なんだけど、まさに、21世紀の『おれがあいつであいつがおれで』とでもいうべき作品になっています。ただ、僕は今回、編集者としてあまりにも深く原稿に関わりすぎたせいで自分ではだんだんよくわからなくなってきた部分もあるんだよね。だから、出版バージョンを読んだみんなの感想を聞いてみたい。まず、山中先生はどうだった?

山中 小泉さんは、受賞翌日に真っ先に僕をパシリにした男です! だから気合いを入れて読みましたよ!

一同 (笑)。

太田 小泉さんは新人とはいえ作家さんだし、山中先生は先生とはいえ新人編集者じゃない。パシリ、オッケーです。

平林 小泉さんは、俳優としても海外の映画祭に招待されるほどの大物ですからね。

太田 そうだよ! っていうより、僕は感想を聞いてるんだよ! もういい、平林さんに聞こう、どうだった?

平林 柿内さんの人生のテーマとかぶる部分がすごく大きいとかなんとか。

太田 えっ!?

柿内 自分が振られたのにすぐこっちに振るなよ!

平林 ワンタッチです(笑)。

柿内 いや、ぶっちゃけアレですよ、男・柿内の永遠のテーマですよ。そのテーマ性に惹かれましたね。

岡村 いったい、なんなんですか?

柿内 女は顔か、はたまた心か。

一同 (爆笑!)。

柿内 僕は中高一貫の男子校出身で、女性との接点がまったくなかったんです。教師も生徒も事務員も全員男。6年間、同世代の女性との会話はゼロでした。通学電車で、近所の女子高の生徒がいっぱい乗ってる車両にわざと乗るくらい悶々としてたんですよ! しかも、顔が好みの女子高生をホームで探して、その娘が乗る列にわざわざ並んだほどですから。

岡村 あ、ありえないですね

柿内 かわいい娘を眺めているだけで幸せでした(遠い目)。とにかく、そういった原体験があるので、いまだ中二病的に「顔か心か」という問題意識は持ち続けています。モテない原因ですね(苦笑)。だからこの作品も、僕の個人的なテーマについて描かれた小説だと思って読みました。

平林 柿内さんのリビドーに響いたんですね。

柿内 改稿前のバージョンだと描かれている世界にすんなり入っていけなかったんだけど、昨日改稿版を読んで、自分の永遠のテーマとかぶることに気づいてすごく面白くて。自分の人生の深いところとリンクしてくるから「これはこれは!」と思いました。

太田 「最強の中二」ことカッキーに響いたってことは、10代のハートに届くってことだよね! よし、これで「大丈夫だ。問題ない」。

柿内 何せ〈本屋大賞 中2賞〉を受賞した男ですからね! ※光文社時代に手がけた山田玲司やまだれいじ非属ひぞくの才能』で受賞

太田 でも、冒頭のヒロイン登場シーンを読めば、10代の読者のみならず、みんながぐっと引き込まれると思うんだよね。

柿内 そうそう、前回の座談会でもありましたけど、冒頭でしっかりつかみがありますし、読んでいくうちに自分の物語として読むことができるようになっている。

平林 改稿で、とくに後半が研ぎ澄まされましたよね。「この辺をもうちょっと書き込んでほしいな」と思ったところに筆が尽くされていて、甘いところがなくなったと思いました。

岡村 僕は前回の座談会の時はいなかったので、今回改稿版ではじめて読んだのですが、純粋にすごく面白い小説だと思いました。

太田 そうだ、岡村さんの紹介をしなきゃね。彼は星海社に合流したアシスタントエディター。前職は「森ビル」です。

岡村 皆さんよろしくお願いします!

太田 ところで、この『ブレイク君コア』って小説は、震災後の今読んでみるととても不思議な感じがするんだよね。ほら、小泉さんの出身地でもある福島が舞台じゃない。

山中 その部分は小泉さんが一番苦悩した部分だったんじゃないでしょうか

太田 そうだよね。『ブレイク君コア』は、処女作ということもあって、小泉さんご自身の青春に基づいたノンフィクションの部分も多かった作品だと思うんだよ。でも、作中に登場してくるショッピングセンターなんかは今はぜんぶなくなっちゃったんだよね、あの津波で

岡村 「ネオンショッピングセンター」ですね。あれ、なくなっちゃったんだ

太田 本当に不思議な感じだよね。5センチだけ時空がずれてしまった世界というか。でも、だからといって舞台を別の場所に変えてくれっていうのも変な話だしね。だから、この作品は逆の意味で今という時代を背負っているようなところがあるんだよね。一行も3.11に触れるような文章はないのに、濃厚に感じさせてしまう小説なんです。

柿内 まさに、期せずして今の時代に選ばれた運命的な作品ですね。

太田 うん、昔のカッキーみたいな若い人に、ぜひ読んでもらいたい! でもこの作品は、○○○できないんだよね

山中 それ、言っちゃダメですよ(笑)。

平林 原稿ではうまいこと伏せときます(笑)。

太田 それから、『ブレイク君コア』の装画は僕の“秘蔵っ子”でもある新人イラストレーター・きぬてんさんが担当してくださっています。きぬてんさんとはシオミヤイルカさんにリコメンドされてコミティアで出会ったんだけど、本当に素晴らしい絵を描かれる方です。

山中 新しい作家に新しいイラストレーター、まさに“新人賞”って感じですね!

太田 うん、まさに新時代を創るにふさわしい一冊になると思います! そんなわけで、新星・小泉陽一朗さんのデビュー作『ブレイク君コア』ヨロシクだ!!

応募総数は45本!

太田 というわけで、第2回星海社FICTIONS新人賞の選考に入りましょう。今回の応募総数は45本。前回が64本だったから少し減ったね。

山中 (平林をチラ見しつつ)誰かさんがきついこと言ったせいでは

平林 心外な! 誠心誠意やりましたよ!

太田 それはともかく、いずれは50~60本くらいをキープできるといいよね。

山中 あれ? 前回「ちょっと多い」っていう評価じゃなかったでしたっけ?

太田 そうなんだけど、応募作って質と量の両面で評価できると思うんだよ。今回の有望作を読む限り、質的には前回より上がってきているから、この質をキープしつつ、もう少しだけ量が増えるといいなあと思うんだよね。

柿内 岡村君も加わったので、多い日も安心です!

太田 (しばし沈黙して)え~、柿内さんが冒頭から飛ばしていますが気にせず行きましょう。僕が思うに、新人賞には2つのパターンがあって、ひとつは、とにかく応募数を増やしていくタイプの賞。応募数が多ければ多いほどオッケーで、そのたくさんの応募作の中から才能を探し出していきましょう、という考え方の賞だよね。

平林 ライトノベルの新人賞は、とくにそういう方向性のところが多いですよね。

太田 電撃小説大賞とか、あそこまでいけば本当に大したもんだよね。すごいと思うな。

山中 下読みを外注しないととてもじゃないけど読めませんけど

太田 まあね。もうひとつのタイプの新人賞は、間口を狭くして敷居を高くして、選考コストを抑える賞。それでも賞が何らかの強い魅力を放っているから、才能のあるヤツがこぞって応募してくるという考え方の賞。星海社FICTIONS新人賞は、明らかに後者だよね。

岡村 下読みなどにかかるコストの問題ってそんなに重要なんですか?

太田 うん、お金で解決できるコストばかりじゃないんだよね。たとえば、僕は応募作を下読みに出してばかりいると“編集者が強くならない”んじゃないかって思うんだよね。それに、才能って確率論で出現してくるものじゃないんだよ。星海社FICTIONS新人賞のモデルになったメフィスト賞って、第1回目に応募してきてくれた投稿者はたったの二人だったんだよ!

一同 二人!

太田 そうだよ。なのに「こんなに来た!」って当時の編集部は大真面目に喜んでいたという(笑)。

柿内 そう考えると星海社FICTIONS新人賞、めちゃめちゃ応募数多いじゃないですか!

太田 そうそう。ありがたいなって心から感謝しつつ、新しい才能を見つけて応援していきましょう!

今回の高齢者枠

太田 まずはトップバッターで『約束の旅路』。担当は柿内さん。

柿内 はい。著者は75歳、第1回の投稿者の方を思い出しましたよ

太田 第1回? ああ、『小林秀雄』の人か!

柿内 おそらくあの方よりも高齢で、今のところ星海社FICTIONS新人賞の最高齢投稿者だと思います。

平林 今回の最年少投稿者が17歳ですから、半世紀以上の歳の差が(笑)。

柿内 キャッチコピーは「戦争孤児は理不尽な世に独立した一人格に成長する」。

一同 (爆笑)。

柿内 東京大空襲の話から始まるんですよ! 戦争孤児の主人公が里親のもとで育って、大学在学中は新左翼として活動してというお話。

平林 自伝的小説なんですか?

柿内 いや、添付されている経歴を見る限りではそういう感じはしないんだよね。

岡村 執筆の動機が謎ですね

太田 高齢の方ということで柿内さんにお願いしたんだけど、どうでした?

柿内 75歳の方がストレートに書いたものなので、小説としてはやっぱり厳しいですね。あと、興味深い知見として、高齢者の方は投稿してくるのがとにかく早い! これが今回最初に届いた作品でしたから。

平林 お年寄りは朝早いから?

山中 関係ないと思います!

太田 締め切りを過ぎてから送ってくる人も何人かいて、そういう人は応募規定に則って次回に回してますけど、期限を守るのはとてもいいことです。この世代の方はやっぱりきっちりしている。

平林 作家になったら締め切りを守ってくれるんじゃないですか?

柿内 そうかもしれない。なので、『ブレイク君コア』を読んで、ぜひもう一度投稿してほしいです! 75歳のおじいさんの「中二病」ものが読んでみたい!

太田 そうきたか、さすが「最強の中2」!(笑)。でも、山田芳裕やまだよしひろさんの『しわあせ』みたいに、そういうコンセプトで書かれた名作もあるし、いいかもしれないなってちょっと思っちゃった。今後も高齢の方は柿内さんに振るからよろしくね!

柿内 おまかせください!

太田 あとさ、高齢の方がデビューするのはもちろん100%アリなんだけど、そこにはどうしても完成度が必要になるんだよね。

平林 『信長の棺』の加藤廣かとうひろしさんとか(75歳でデビュー)。

太田 そうそう。若くしてデビューする人と違って残された作家人生の年月が少ないだけ、どうしても大きく伸びることが難しい。だから、若い人と比べて、年長者の原稿に対してはより完成度を重視することになると言っておきます。深い人生経験を活かしてほしいな。

前回の期待の星、相次いで撃墜!

太田 次は『雪少女』。これは前回『見えない光と綺麗な世界』を送ってきてくれた人ですね。

山中 前回は僕がかなり推しました。

柿内 僕を泣かした人だよね?

太田 そうそう、柿内さんを柿2玉分泣かせた人だ! それで、前回お願いした柿内ってキャラは出てきたの?

岡村 しっかり出ていました。若手の刑事の役で。

柿内 やった、出演した!(笑)。

太田 それで、内容的にはどうだったの?

山中 プロフィールに「第1回星海社FICTIONS新人賞 編集者座談会で高い評価を受ける」って自分で書いてます。

一同 自分で書くなよ!(失笑)。

山中 今回は雪女の話なんですが、僕たちが座談会で紅玉こうぎょくいづきさんの名前を挙げたことに影響されすぎているように思いました。構造的に、紅玉さんの書かれる「人喰い」の話と似すぎているんです。

太田 うーん、それは良くないね。僕は初めて会った作家さんには必ず「太田の言うことは3割も聞いてもらえれば大丈夫、7割はスルーしてオッケーです」ってお伝えするんですよ。だって、編集者のことを100%聞いてしまう作家さんなんてクリエイターじゃないし、それなら編集者が自分で書いたほうがいいってことになるじゃない? それに、仮に、作家さんが100%編集者の言うことを従順に聞いて作品を紡いだとして、それだと何の驚きもないものしか生まれないんじゃないかな。きっと読者にとっても面白味のないものにしかならないと思うんだよね。

山中 更に悪いことに、この人は前回の座談会で他の作品について僕たちが言った意見もぜんぶ採り入れようとしてるんですよ。その結果、最初の数十枚で惹きつけられるような作品になっていないと思いました。

太田 星海社FICTIONS新人賞は“傾向と対策”で受賞できる新人賞にするつもりはないからね。僕らを心から驚かせてくれる原稿がほしいんです。それを踏まえて、仕切りなおしてほしいね。

平林 前回の有望者で残念だったという意味では『Fake Plastic Trees』もそうです。

太田 これ、前回の「緑萌もえぎ賞」の『Spiral Fiction Notes』の人だよね。この人も今回は良くなかったね~。

平林 本当は皆に回すレベルにも達してないんですけど、言いたいことが色々あるので回させてもらいました。タイトルはレディオヘッドの『The Bends』からですね。僕はこの曲より「High and Dry」のほうが好きなんですがってことはどうでも良くて、とにかく今回は良くなかった! 主人公を巡る二つの三角形が話の軸になっていて、お兄さんとその彼女と主人公が一つ目の三角形。主人公のことが好きな女友達と、その子のことが好きな男友達と主人公、というのが二つ目の三角形。でも、これが上手く活用されていなかった。

柿内 なんか、昔のドラマの脚本みたいだよね。

太田 トレンディドラマだよね、悪い意味で。

柿内 血が通ってないんですよ。前回、良い意味で「この人は一度川に落ちたほうがいい」って言ったんだけど、そのアンサーになるシーンが入っていたのは評価します。でも、敢えて言いたい「もう一度川に落ちたほうがいい!」。そこから這い上がってきてほしい。

山中 前半はまだしも、後半がぐちゃぐちゃになってますよね。物語が上手くつながっていない。

岡村 2章の冒頭部分は意味がわからなかったです。

山中 前回の「マツケンとその眷属けんぞく」をほうふつとさせる意味不明さでしたね。

岡村 折角の恋のダブルトライアングルも活用されていないと思いましたし、冒頭のお兄さんの神隠しに関する設定も活かされていなかったです。

太田 そうなんだよ、おもしろそうなエピソードが三つくらいあるのに、ぜんぶ中途半端なんだよ。

平林 「上京」と「岡山」というテーマを封印して、3人称をやめて1人称に移行しようとしている。でも、それがことごとく失敗している。

太田 もっと言ってあげて! ガンガン!!

平林 1人称は正直全然向いてないです。あと、無理やり締め切りに間に合わせた感がすごく強い。年齢的にも30歳目前だし、締め切りに間に合わせるために未完成なものを送るんじゃなくて、ここらで一発、気合を入れたものを書いてほしいです。現段階では、この人の人生の何割かを背負って心中しようという気にならないです。今後『Spiral Fiction Notes』以下のものを送ってこられても

太田 これじゃあダメだよね、この人はこういうものを書いている場合じゃない。こっちは一生に一度の「デビュー作」を送ってくれって言ってるのに、肘から先だけで書いたものを送られても困るよ。チャーリーとかもう本当にどうだっていいよ。

平林 どうでもいいですねえ。あと、この人は『雪少女』の人と同じで、前回の座談会で僕たちが言ったことをぜんぶ採り入れようとしてるんですよね。

太田 そう、そこは本当にさっきの人と同じだよね。自分にとってストライクゾーンにある球だけ打ち返せばいいんだけどね。何でわからないのかな。編集者は神様じゃないんだよ。

平林 前回4人がそれぞれの意見を言って、今回も5人が思うところを述べるわけですけど、自分が採るべきだと思う意見だけ採ってほしい。

太田 そこもセンスが要求されるよね。この人はこの先、どうすればいいんだろう?

平林 基本中の基本ですけど、じっくり腰を据えて、渾身の一作を書くしかないんじゃないでしょうか?

山中 その作品で自分が最初にやろうとしたことを、丁寧に料理してほしいです。厳しい事を言うと、ツイッターで僕らと馴れ合ってる場合じゃないんです。前のピリピリした感じがなくなってますよ。

太田 そう、その通り! 「これでデビューするんだ!」って気合が全く窺えないんだよ! 僕はこの人の作品で時間を損した気分になりたくはなかった

平林 こういうものを送ってこないでほしかったですよね。「緑萌賞」も剝奪はくだつです。

太田 「緑萌賞」はどうでもいいけど(笑)、とにかく気合を入れて書いてくれ! 初投稿の気持ちで頼む! 己の人生か、己以外の世界を削る覚悟で執筆に挑んでほしいぜ。だって新人なんだもの。

タイトルとペンネームは才能を映す鑑

平林 (投稿一覧を見ながら)しかし、こうやって見ると今回もぶっ飛んだタイトルが多いですね。

山中 ホントにひどいのが多い!

柿内 『少女は異世界旅行がお好き』とかひどいよね

太田 これは岡村さんか。

岡村 これ、異世界ミステリなのですが、ミステリに入るまで延々と描写が続いてしんどかったです。本題である「演劇」に入るまでが長すぎます。もっとスピード感がほしかったです。正直、読んでいて寝そうになりました。

山中 寝た?

岡村 寝てませんよ! ただ、ミステリとしても目新しいところはなかったですね。「郊外住宅地の木造家屋」という感じ。存外普通だったな、と。

柿内 さすがは元・森ビル!

山中 物件に喩えられても僕らはよくわからないよ!(笑)。

平林 僕が読んだのだと『ケモノのミミをつけたなら』もタイトルがひどい。この人は前回も僕が読みました。

山中 もしかして、前回平林さんが一行コメントの最後でぶった切ってた人?

平林 いや、違う人なんだよ。

太田 ケモノミミと聞くと、反射的に“あのお方”を思い浮かべるよね(笑)。

平林 そうですね(笑)。別の方ですが同じように残念だったので、同じ言葉を贈りたいと思います。「猫耳少女が好きなら好きでいいです(断言)。しかし、残念ながら猫耳少女を登場させる必然性がなかった。支倉凍砂はせくらいすなさんの爪の垢を煎じて飲んでください」。 

山中 ケモノミミ・マイスターへの道は遠いと言わざるを得ない、と(笑)。

太田 おっ、これもなかなかすごいぞ、『知られざる男達の、夏の静かな攻防』(笑)。

山中 これはハードボイルドものですね。

岡村 ある意味タイトルもそんな感じですよね。

山中 これ、全体の3分の1くらい使って銃器の話をしてるんですよ。おそらく資料にあったことしか書いていない。銃が大好きなことはよく分かりましたけど、小説一本使ってそんなことをアピールされても

太田 小説を書くことよりも、資料を読むのが楽しくなった人が陥りがちなダメなパターンだね。

平林 ペンネームで言うと『カオルワールド』の「ちくわ大好き」さんが今回もダントツです。

一同 「ちくわ大好き」! また送って来たんだ!(笑)。

平林 そうなんですよ。しかも、前回とタイトルが同じ。前回は山中先生が読んで未完だったと言っていたので、ついに完結したのかと思ったら、あとがきに「完結は当分先です」と。

一同 (爆笑)。

山中 ひどい! 新人賞で連載するなと言いたい!

柿内 「ちくわ大好き」じわじわ来るなぁ(笑)。

平林 ホントげっそりですよ。「ちくわ大好き」さん、もう『カオルワールド』は送って来ないでください。完結した作品を投稿してください。ホントみんな、応募規定をちゃんと読んでくださいよ!

山中 今回平林さんは結構ひどいものばかりを引いてますね。

平林 そういう意味では引きが強かったよ。だって、次の『学園EXILE』も僕が読んだんだもん。

一同 『学園EXILE』!(笑)。

平林 これ、どこであのEXILEが出てくるんだろうとワクワクして、頭の中で「Choo Choo TRAIN」を流しながら読んだんですけど、HIROもTAKAHIROも一向に出てこない(笑)。

太田 出てきたら逆にびびるよ! で、実際はどういう話だったの?

平林 巨大学園を舞台に、何らかの事情で家がなく寮にも入れないある生徒たちが、学園内のコンビニから廃棄の弁当を調達したりしてサバイバルしていくというだけの話です。

太田 ただの『学園ホームレス』じゃん!(笑)。

平林 そうなんですよ! 「はぐれ者」っていう元々の意味のEXILEだと気づいたのはかなり読み進めてからでした

山中 それ、もっと早く気づきましょうよ!

太田 確かに冷静に考えたらEXILEが出てくるはずないんだけど、だからといって小説のタイトルに使うこの人はやっぱりセンスがないと思うよ。だって、いま、「奈須なす」とか「西尾」とかって名字はペンネームに付けないでしょ?

岡村 有名な他の著者を想起してしまいますからね。

太田 『学園EXILE』もそうだよ。タイトルとかペンネームって、あまり考えずに付けている人もいるかもしれないけど、すごく重要なところなんだよ。特に新人にとっては名刺代わりなんだから、考えに考え抜いて決めてほしい。

柿内 タイトルやペンネームが酷いとテンション下がりますよね。

太田 逆に、タイトルとペンネームが両方いい人は、それだけですごく才能を感じるよね。『姑獲鳥うぶめの夏』も“京極夏彦きょうごくなつひこ”も、両方、素晴らしいじゃない? 才能しか感じない。ペンネームのほうだけとってみても、“舞城王太郎まいじょうおうたろう”とか“高河こうがゆん”なんてやっぱりセンスを感じるよね。“高河ゆん”なんてペンネーム、それまでの日本語の響きには絶対なかったと思うもん。

山中 ぜひとも大事に付けてほしいですね。

太田 あと、これは編集家の竹熊健太郎たけくまけんたろうさんが仰っているんだけど、ペンネームを決めるのに悩むくらいだったら本名でいったほうがいい。佐藤友哉さとうゆうやさんなんかはそうだよね。あとはさっきも言ったけど、既存の有名作家とかぶるやつは厳しい。もちろん、村上春樹むらかみはるきさんみたいに世界的な存在になれる自信があるのなら別だけどね(笑)。

タイトルにだまされるな、今回の「緑萌賞」受賞作!

太田 タイトルだけだとこれもひどいな、『或る魔王軍の遍歴』(笑)。これは一行かな?

平林 いや、ちょっと待ってください! これ、意外と面白かったんですよ!

太田 おっ、来た! こういうことがあるから新人賞は面白いんだよ!

平林 僕も実はタイトルで侮って「一行で片付けることになるんだろうな~」と思いながら読み始めたんですが、なかなか読ませます。

山中 タイトルからは予想できない内容なんですか?

平林 いや、内容的にもこのタイトルはふさわしいんだよ。どういうお話かと言うと、『勇者のくせになまいきだ。』とか『まおゆう』みたいな、ファンタジーRPGで作られた世界観を逆手に取った作品なんですよ。

一同 (にわかに盛り上がって)おお、面白そう!

平林 200年ぶりに復活した魔王が周到に準備を整えて地上征服に乗り出すんですが、“勇者”を名乗る少年が魔王軍に戦いを挑んでくる。この“勇者”にはいくつかの“勇者”らしい特性があるんです。「仲間が傷つけられると力が増す」「愛と勇気で何度でも立ち上がる」「ピンチになると覚醒する」「短期間の修行ですごく強くなる」などなど。

一同 面白い!

平林 この勇者パワーのせいで、魔王軍の精鋭が次々と理不尽に敗れていくわけです。「勇者ってホントにひどいやつだな」と思いつつ楽しく読めました。

山中 正義は立ち位置によって変わりますもんね。

平林 明らかに魔王のほうがいいやつなんですけど、“勇者”だから民衆にも支持されるし、仲間も思考停止状態に陥っている。読んでいて、“勇者”が非常にむかつくんですよ。無邪気に「魔族は倒さなきゃいけない、そこには理由なんてない!」みたいな。魔族にも色々事情があるんだっつーの!!

一同 (爆笑)。

太田 (しみじみと)魔族だってきっと苦労して地上に出てきたのにねえ。

平林 “勇者”は聞く耳持たないですから(笑)。

太田 しかしこれ、かなり面白いんじゃないの?

平林 はい、面白いです。ただ、ちょっと構成が未熟なところがあって、不要な部分に筆を尽くしたりしていてバランスが悪い。特に後半は駆け足すぎる気がしました。魔王が敗れるなら敗れるで、そこに至るまでの鍔迫り合いをもっと書いてほしかったし、個人的な希望を言うと、魔王が勝って、その後に今まで見た事のない世界がやってくるっていうのも、小説ならできるんじゃないかと思ったんですよね。

太田 主人公ってある種のチート性を持ってるんだよね。しかも魔王って努力や成長ができないから大変だよね。生まれ持った力だけが戦力なわけだし。うーん、この人は発想が面白いし、まだ若いから今後の見込みがあるんじゃない? ちょっと遠くにお住まいだったら会うのは大変だけど、連絡だけとってみたら?

平林 わかりました! 電話してみます!! なお、今回の「緑萌賞」はこの作品です!

山中 どうでもいい「緑萌賞」がまた出ましたね(にやり)。

異能バトルものの難しさ

太田 次は『ミステリアス・アンサンブル』。これは岡村さん?

岡村 はい。南海の諸島に学園があってその学園の生徒は皆、異能力を持っている、という設定のもと、ミステリ2:バトル8の比率で話が進んでいくという

山中 これ、きつかった。なんかもう、中二病の見本市みたいな感じで

柿内 目次の章タイトルもすごかったよね! 中二病のオンパレード! 中二病的な要素を入れるのは全然いいんだけど、それを全く俯瞰ふかんできていなくて、その世界に完全に没入してしまってるのがきつい。

山中 異能バトルの部分もしんどかったなぁ。

平林 いわゆる異能バトルで新しい面白さを提案するには、一度ちゃぶ台をひっくり返すようなことをしないとだめなんじゃないかという気がする

太田 ライトノベルだと『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬かまちかずまさんがひとつの最高到達点だよね。鎌池さんは本当に完成しているし、今から異能もので大活躍するためにはそれ以上の才能が必要になるってことになるけど、果たしてそんな人がいるのか?

山中 『禁書』はファンタジー的な要素もSF的な要素も上手くミックスしていますし、相当なハードルですよね。異能もののお約束をちりばめていくと、形にはなってても既視感バリバリだし

太田 少年漫画だと『BLEACH』が大きな壁だよね。これまた相当高い壁だよ。

平林 僕、未だに単行本ではずっと買ってるんですが、先日出た49巻の帯にでっかく「新章突入!」って書いてあって「これはかっこいいな」と(笑)。

太田 ヤバい。49巻目で「新章」はすごい!

平林 でも、まだ物語全体の3分の1くらいらしいです。

一同 「なんだと!?」。

太田 久保帯人くぼたいとさんって、僕は一度だけお目にかかったことがあるんだけど、彼は、『ジャンプ』的な王道のストーリー展開が自然に次々に湧いてくる人なんだと思う。天才だよね。

山中 どんどん強いやつが出てきますけど、そういうインフレに耐えて物語を紡いでいける才能ってすごいですよね。

平林 しかも、新章に入ってそのインフレをリセットしたんですよ。『BLEACH』は戦闘力の数値化をしなかったのもすごいと思います。

太田 『ドラゴンボール』と違ってね。でも、(『ドラゴンボール』の)「スカウター」もすごい発明だよ。「戦闘力が数値化できる」なんて、それまで誰も思いつかなかったわけだから。

(以下、フリーザの戦闘力などに話が逸れていく)

太田 図らずも異能ものについて詳しく検討を加えてしまった。しかし、改めてこれから異能ものを書くハードルは非常に高いということにもなります。投稿者の皆さんは心してください! 超ヤバい異能ものバトル、楽しみに待っていますね!

『レビュアー騎士団』のエース参戦!

太田 次は『リブート』。これを読んだのは?

平林 僕です! これは我らが『最前線』が誇る最強の読者コーナー『レビュアー騎士団』のエース投稿者の方です!

太田 おお、大和やまとさんか!

平林 異世界にあったバベルの塔が「ある事」をきっかけに現実世界に向かって突き出してしまい、そのバベルの塔を見ることが出来る主人公が事態を収拾するためにというお話です。

山中 うーん、なんかありがちですね。

平林 登場人物が複数出てきて、それぞれのパートで主体になる人物が変わっていくという書き方をしていて、何人か魅力的なキャラクターもいるし、文章もさすがに達者なのですが、全体的に面白いものにはなりきれないところがある作品でした。

太田 何でそうなったんだろう?

平林 さっき山中先生が言ったように、ありがちな匂いがするんですよ。お話全体は規模が大きくて、枚数的にも結構膨らんでしまっているのに、コアになっているアイデアにオリジナリティが足りないんだと思います。世界を巻き込むような大きなネタでなくても、「これは今までになかった!」と言えるひらめきがひとつあれば小説は書けます。とくに文章力は申し分ないので、それを活かして面白いネタを料理してほしいです。

太田 風呂敷を広げる方向じゃなくて、発見を大事にする方向のほうが向いてるってことね。でも、批評的な方向に行ってしまうとそれはそれで難しいんじゃないかな? 『レビュアー騎士団』をしばらくやめてみるとかどうだろう?

山中 ブッちぎりトップの人になかなか厳しい話ですね

平林 いや、むしろ『レビュアー騎士団』で培った批評的な目線を、自分の書いている作品にも適用してみてほしいです! そうすれば弱点が見えるはず!

太田 でも、クリエイターになりたい人は、批評をやりすぎると良くない結果を招くことのほうが多いと思うけどなぁ。これは一般論だけど。

平林 その太田さんの意見をひっくり返すような小説&レビューを待ってます!

太田 うーん。騎士団の補佐役、平林さんのこの熱さを受け止めて頑張ってもらいたい!

面白いけど、日本語崩壊。

太田 次は『whisper voice 』!

岡村 これも異能ものです。他の人には聞こえない「声」を聞ける高校生の男女4人組が、人間に危害を加える「虫」を、それぞれの異能力を協力して用いて倒していく青春もの。

山中 これ、面白いんだけど

太田 そう、いろいろ問題が多いよね。

山中 長いんですよね。特に本筋と関係のないやり取りも多いし、もっと削ってほしかった。

平林 あと、1ページに4ヶ所くらい誤字があるんだよね。どうやったらこんなに誤字が多くなるんだってくらい。ホント勘弁してほしい。

岡村 投稿するぎりぎりまで書いていたんでしょうか。見直してないですよね。とりあえず突貫とっかん工事で納期までに上げてる感じ。

柿内 僕は本当にこれは読むのがつらかった。これ、校閲者が読んだら発狂するんじゃないかな。

太田 この人は何かある人だとは思うんだけど、とにかく誤字はひどいよね。本当に大学院生なのか疑っちゃう。面白いは面白いんだけど、この人は果たして職業としての作家業をやれるのか? あと、話の展開も遅いよね。

山中 枚数が多いと思う作品は大抵そうですよね。1000枚あっても最初の50枚で惹きこまれたら長いなんて思わないですもん。

太田 設定は面白いし、中二病的な要素をちゃんと客観視した上で書けているんだよね。だから惜しいと思った。

岡村 キャラクターの掛け合いも楽しく読めましたし。

平林 自称アンドロイドの女の子とかはいい造形ですよね。いわゆる無機質系のキャラなんだけど、今っぽい感じにアレンジされてて良かった。

太田 いわゆるライトノベル的な、キャラや会話のセンスはすごくある人なんだよ。だから、天性の上手さはあるんだけど、とにかく漢字の間違いが酷い。「大学院」ってもしかして地名なのかな?

柿内 そんな地名ないですよ!(笑)。

平林 もうひとつ気になったことがあって、ここ数年のキャラクター小説以外に、この人のバックボーンになっていそうなものが何一つ見えてこないんですよ。

山中 そういうもののインプットがすごく多そうな気はするんですが。

平林 でも、それって絶えず更新していかなきゃいけないデータベースじゃない? この人は年齢も若いっていうほどじゃないし、そのあたりも不安要素だと思うんですよ。今回全員が読んだものの中では僕としては一番面白くなかったです。

太田 あれ、そうなんだ。僕は意外とこの人のセンスは買っていて、会話やキャラクターは本当に上手いと思うな。ただ、文章はやっぱりちゃんとしてほしい。子供に言ってるみたいなんだけど、書き上げた原稿はちゃんと見直しをしてください。それから、枚数的にも推敲していないせいで余分に膨らんでいる部分もあると思う。この人にはぜひまた送ってきてもらいたいけど、そこらあたりは読み手のことを考えて、ちゃんとしてください! って感じかな。

受賞なるか!? 有望作登場!

太田 次は『メンヘラ』。これはみんな高評価なんじゃないかな?

山中 すごく痛い、ネグレストのお母さんを持ってしまった男の子の話です。母親の愛を受けられなくて世の中を斜めに見るようになってしまった男の子と、ポップで変わった彼女が、日常を重ねながら母親の死をきっかけに“親の愛”に気付くまでの物語ですね。

太田 お父さんがほとんど登場しないんだよね。そこがすごく変なんだ。

柿内 甲斐性かいしょうなしってところだけ(笑)。

山中 お母さんがとにかく中二病なんですよね。

平林 でも、ここまで極端かどうかはともかく、ネットにはこういう人いるよね。でも、面白かった。今回一番良かったです。

太田 どの辺が良かったの?

平林 「メキスト賞」ですかね

一同 (爆笑)

平林 でも、全体的に一番受賞に近いと思いました。「母の愛をめぐる物語」ですよね。テーマを一言で言えるのもいいと思いました。

太田 なるほど。ところで、最後にくっついてた短編は何だったのかな?

山中 たぶん付け足しですね。もしかしたら枚数が足りなかったんじゃないでしょうか?

太田 ここは蛇足だったよね、正直必要なかった。岡村さんはどうだった?

岡村 まず、リーダビリティーが非常に高かったです。ページが進みます。

山中 確かに、今回読んだ中では抜群に若い文章でしたね。リズム感が本当に瑞々しくて

平林 でもこれ、タイトルは良くないよね。作中にすごく印象的に「きらきら」って言葉が出てくるのに、どうしてそれをタイトルにしなかったんだろう? ペンネームもケータイ小説作家みたいだし

太田 お母さんのペンネームのほうがまだマシだよね。というか、この人は名詞のセンスがあんまりないんだよ。彼女の名前も古臭いし、その辺はもっと磨いてほしい。

山中 彼女の名前を見て最初男の子だと思っちゃったんですよね。あと、作中に出てくるネット掲示板の書き込みとかもイマイチでしたね。せっかくの文章のリズムが損なわれてる気がしました。

平林 僕はその部分はアリだと思って読んだなぁ。本にするなら、組みを変えたりすれば面白い読み味を出せるんじゃないかなって思いました。

太田 うーん、僕は山中先生に一票。あんまり上手くないと思う。その部分、柿内さんはどう思った?

柿内 僕はそもそも作品の「世界」に入っていけなかったんですよ。僕は小説を読む際に、アイデア・構成・キャラクター・文体、それから作者の哲学の5つを重視していて、このうち2つでも突出しているものがあれば評価したいと思っているんですが、この作品は突出しているものがなかった。悪くはないけど、面白くはない。世界に没入できない。

太田 テーマが見えてくるのがちょっと遅いっていうのはあるよね。

柿内 テンポはいいんですけどね。

太田 あと、もし僕がこの作品の担当編集者だったら「お母さんに萌えないよ」って言うと思う。お母さんは誰がどう見たって酷いお母さんなわけじゃない? でも、読者に「このお母さん、酷い人だけどほっとけない!」って思わせないと、ラストのカタルシスが弱くなると思うんだよね。見ようによってはすごく可愛いところがあるとかね。

平林 僕、主人公が面と向かってお母さんに反抗できない理由になるような過去のエピソードがほしいなって思ったんですよ。今の太田さんの意見はすごくわかる気がします。

太田 そうそう、だからやっぱり、お母さんの魅力だよね。メンヘラとしてのお母さんは書き込まれているんだけど、魅力的なキャラクターって、多面体であるべきじゃない? そういった部分が不足しているのかな。

山中 川のエピソードとか、そういう意味では膨らませられましたよね。

太田 最後で振り返ってみたら、実はいいお母さんだったっていうのがまるでオセロが一気に裏返るみたいに見えてくる、そうなるための伏線を忍ばせてほしかったね。

山中 確かに伏線は少なかったですね。

太田 あと、この作品は話としてのスケールが小さい作品だよね。人は死んでいるけれど紛れもなく“日常の謎”系の作品じゃない? このスケール感覚だったら、もっと細部を書ききってほしい。もしこのネタで乙一さんが書いたら、きっともっと面白くなると思うよ。

平林 でもこの人、どこかで賞を取れる才能だと思うんですが。

山中 僕も、一度会いたいと思いました。

太田 っていうか、「太田の意見はどうでもいいから、俺に担当させてこいつをデビューさせろ!」って人はいないの?

山中 実は僕、この人がほしいんですよ。最初に読んで「これはほしい!」と。

太田 「デビューさせろ」じゃないの?

山中 じゃあ、デビューさせてくださいよ。

太田 (がっかりして)ええ~。山中先生、なんか今のは先輩編集者に対するプレゼンとして良くなかったよ。僕に懇願してどうするのよ。編集者としての気合がまったく足りていない。だから僕の心が全然震えない。ダメ!

平林 本当はここで僕が手を挙げるべきだと思うんですが、僕もちょっと躊躇しちゃうんですよ。

太田 どうして?

平林 この人、大学の4年生じゃないですか。就職が決まってるかどうかは知らないですけど、大学4年のGW明けに受賞の連絡をするって、すごくこの人の人生を揺さぶると思うんですよ。

太田 そうだね。もしかしたら入社前研修なんてしているかもしれない。でも、作家になろうとしてるような人の人生は、あまり気にする必要もないんじゃないかな?(苦笑)。

平林 でも、僕は気にするんです。その僕の常識人だった名残を突破するにはもう一歩という感じです。もしこの人が、少々枚数が足りなくても短編をつけずに勝負してきていたら手を挙げたかも知れません。そういうところで少しだけ何かが足りない気がしました。でも、この人はまだ若いし、まだまだ時間がありますから。

太田 そうだね、時間はたっぷりある。あと、平林さん的な気遣いは、僕はもうあんまり気にしないな。若いからこそ、人生が滅茶苦茶になっても大丈夫だよ。平林さんは優しいね。

平林 普段は“ドS”と言われてますが(笑)。でも、この人は大学在学中にもう一作くらい投稿できると思うんです。それが素晴らしかったら、そのときは手を挙げて、山中先生と戦いたいです。

山中 次作のリベンジ、心から待ってます。僕もリベンジさせてください!

太田 わかった。じゃあこの人は要マークということで、僕が一度会って話してみよう。どこかできっかけを得て、飛躍してくれることを期待しよう!

理系剛速球、その名は『エクスカリバー』!

太田 最後に控えた作品は『エクスカリバー』、これは本当に面白かった。まず、最初に読んだ岡村さんの感想は?

岡村 これ、今回担当した中では抜群に面白かったです。若者たちがロケット作りに取り組む直球の青春ものです。最後には世界の危機も関わってきて、面白く読めました。キャラクターも立ってます。これ、言ってしまえば「ロケットを作るだけの話」なんですけど、個人的にはこういうストレートな作品が好きなんですよね。

太田 「ビル建てるぜ!」とか?(笑)。

岡村 そうですそうです(笑)。「竣工しゅんこうまで一心不乱に!」という感じが。

太田 でも、テーマがシンプルな作品って、書ききれていれば強いよね。目的がはっきりしてるからね。

岡村 とにかく、ひとつの目標に向かって寝食を忘れて取り組むような話が大好きなんですよ。

太田 なるほどねえ。平林さんは?

平林 この作品って、口コミで伝えやすいところもいいと思ったんですよ。「×××××の主人公がテロ組織から奪った設計図を基に、ロケットを作る話」って、伝えやすいですよね。「立川のアパートでイエスとブッダがルームシェアしてる」っていうのと同じくらい伝えやすい。

一同 (笑)。

太田 この作品はキャッチフレーズもつけやすそうだよね。

岡村 タイトルと中身はちょっとギャップがありましたけど。最初にタイトルを見たとき、「これは絶対つまらないに違いない!」って思いましたもん(笑)。

柿内 確かにタイトルだけ見るとひどいよね。でも、読むと「これしかない!」って思うんだよね。

太田 僕はこれ、『Fake Plastic Trees』の次に読んだの。僕は『Fake Plastic Trees』は肘から先だけで書いてるって評したわけだけど、この作品は自分の人生を削って書いている感じがして、それが非常に好ましく思えたんだよね。ご職業は「金属加工業」って書いてあるんだけど、まさにその経験をフル活用して書いたんだなっていうのがひしひしと伝わってくる。

岡村 宇宙関係の法律が作中に出てくるんですが、調べてみたらちゃんと実在するんですね。

山中 専門の金属加工以外の部分も資料の読み込みが半端じゃなかった。

太田 そういうふうに自分の経験や取材で得た知識を総動員して、「ロケットを飛ばす」っていう少年の夢を書いた作品で、それはすごくいいんだけど、ちょっと「これはどうなの?」っていう部分もある。だって、主人公が×××××なんだぜ!(笑)。

山中 そう、犯罪者ですからね。

太田 しかも犯罪者として手馴れすぎているんだよ(笑)。もう極悪人! これ、冒頭30枚だけ読んだらハードボイルド小説だと勘違いするよ。それが、いざロケットを作り始めたとたんに「努力・友情・勝利」ってなっちゃう。そこはキャラクターが一貫してないように思ったんだよね。あとは、やっぱりちょっと長いよね。これが350枚くらいだったら最高なんだけど

平林 でも、ちゃんと取材してロケットものを書くとなると、やっぱり枚数膨らんじゃうんじゃないですかね? 打ち上げものって割と長いものが多い気がします。

太田 言われてみればそうかもしれない。

平林 僕、これを読みながら川端裕人かわばたひろひとさんや山本幸久やまもとゆきひささんを思い浮かべました。

山中 読者層的には、やっぱり男性サラリーマン向けって感じでしょうか。ちょっと冒険することに疲れてしまった世代が読むとキュンとしちゃう気がしますね。

太田 山本さんに近い気はするよね。

柿内 ロケットものってたくさんあるけど、織田裕二おだゆうじが主演した『ロケットボーイ』っていうドラマとか、川端さんの『夏のロケット』とか、サラリーマンになった人がもう一度夢を見るっていう動機付けは説得力があってすごくいいよね。

平林 浦沢直樹うらさわなおきさんの『NASA』もそうですよね。

柿内 そうそう。あと、『度胸星どきょうぼし』みたいに独自の動機付けをしている作品もある。それらと比べると、この作品は動機付けがやっぱり弱い。

平林 ああ、そうですね。あと、ちょっと地味なんですよ。

柿内 ロケットものの醍醐味である打ち上げに至る過程は面白く書かれていて、そこはすごくよかったんだけどね。

山中 ロケットものっていう時点で、「ロケットを打ち上げる」っていうラストが見えちゃうじゃないですか。途中の展開も含めて、ロケットものであることが弱点になっているようにも感じたんですよね。予想の範疇はんちゅうを超えているところがなかったんです。

平林 ロケットものに限定せず、もう少し射程を広げて“打ち上げもの”“宇宙もの”っていう視野で見ると今までに非常に沢山の名作が作られているんですよね

太田 『オネアミスの翼』とか『プラネテス』とかね

平林 そこに特攻していくと考えると、「行くぜ!」って感じではないですかね

太田 資金提供してくれる女の子とかいいキャラだったんだけどね。あと、謎のロシア人。

山中 セルゲイ! あれはいいキャラですよね!

平林 セルゲイはいいんだけど、最後の展開がちょっと不満かなぁ。みんなで銃を取って戦うんじゃなくて、公安に助けてもらうべきだったんじゃないかと。「こいつら、仲間パワーで何でもやりすぎだろう!」ってちょっと思った。

岡村 いや、あそこは仲間全員で戦わないと盛り上がらないですよ!

山中 とは言え、銃を持って戦うって

(以下、展開について侃侃諤諤かんかんがくがくの議論が交わされる)

太田 この人はちゃんと小説を書いたの、何作目くらいなんだろう? こういうタイプの小説って、専門知識を入れすぎて読みづらくなりがちなんだけど、これはリーダビリティーが高かったんだよね。

山中 説明も面白く読めたんですよね。CADに関するところとか、人生を削っている感じがしました。

太田 そうなんだよなぁ。本来つまらないところもそれなりに読めるんだよ。っていうか、我々はこの人をどういうふうにぐうしたらいいんだろう?

平林 どこか本にする出版社があるんじゃないかっていうレベルの原稿ですよね

太田 でも、うちで出すってなると

平林 単行本で小部数って感じでしょうか?

太田 そうなるよなぁ。それだと、この人にとって必ずしもベストな選択ではない気がするなぁ。

平林 僕が総合出版社の文庫担当だったら、迷わず「出しましょう! 半年かけて改稿してください!」っていうんですが。

太田 応援はしてあげたいんだけどなぁ。

山中 僕はちょっと、意外性が足りなかったと思います。

太田 うーん、一度会ってみたいっていう人は?

岡村 僕はぜひ会いたいです。

太田 じゃあ、一度会ってみましょう。さすがにこれだけの原稿を預けてくれた人だから、無下には出来ないよね。ロケットのように飛躍してくれることを願っています!

受賞作なし! しかし、ここで思わぬ隠し球が!!

太田 というわけで、今回は本当に残念ながら「受賞作なし」という結果になりました。ただ、才能を感じた方が二、三人いらっしゃるので、その方々とは一度お会いしてお話ししてみようと思います。星海社は若い出版社だからこそ、じっくり才能と付きあっていきたいね。

平林 雑感ですけど、今回も20本くらい読みましたけど、経験則として最初の方に届くものとギリギリで届くものにはいいものが少ないですね。

山中 サンプル数少なすぎじゃないですか?

平林 でも、今のところそうなんだよね。

太田 確かにちょうど中間くらいに届いたものに有望作が多かったね。まあ偶然じゃないかな?

岡村 しかし、受賞作なしに終わったのは残念ですね

柿内 (うつむいて)テンション下がっちゃうよ

太田 実は、そんな柿内さんのために、僕がとっておきの隠し球を用意してるんだよね。

柿内 (バツグンの笑顔で)えっ、僕のために!?

太田 そう、この人は素晴らしい才能だよ。しかも、女子高生!

柿内 女子高生!!!!!

山中 柿内さん、食いつきすぎです(笑)。

柿内 いや、普通食いつくって!

太田 都立六本木高校在学中の18歳。演劇部。まさに「文学少女」な感じの可愛い女の子だよ。

柿内 いいなあー。なんで太田さんはこの人に声をかけたんですか?

太田 処女作のタイトルと、ペンネームだけで「この人には才能がある」って僕にはわかってしまったから。タイトルは『六本木少女地獄ろっぽんぎしょうじょじごく』。ペンネームは「はらくくる」。

山中 一秒も演劇を観ていないのに、一行も脚本を読んでいないのに、太田さんはいきなり連絡を取って原さんに会ってしまったというそんなのアリなんですか?

太田 (断言して)アリだよ。あの宇山日出臣うやまひでおみさんも、見城徹けんじょうとおるさんもやっているよ。宇山さんは有栖川有栖ありすがわありすさんに、見城さんは村上龍むらかみりゅうさんに、それぞれ一行も作品を読んでいないのに連絡を取っちゃっているんだよね。まさか僕がそれをやるとは思ってなかったけどさ。

山中 新たなレジェンドですね。

太田 編集者たるもの、常に全額をベットせよ。読む前に跳べ。心に狂気を宿さなければ、新人を世に問うことはできない。(キリッ) というわけで、原さんに会ってみたらやっぱりものすごい才能を感じたので、このあいだ開かれた『六本木少女地獄』のファイナル公演を観に行ってみたのね。

山中 僕も行きました!

太田 太田、山中、紺野、そしてたけさんと釣巻和つりまきのどかさんと一緒に観劇してきました。いやー、素晴らしかったねえ。感動した。

山中 原さんは女優としても素晴らしいんです。

太田 そう、原くくるは脚本・演出・役者と三拍子で才能がそろっているんだよね。野田秀樹のだひできを彷彿とさせるなあ。

柿内 え、そんなにすごいの?

太田 『六本木少女地獄』のファイナル公演は新宿の小劇場「タイニイアリス」で観たんだけど、入場無料とはいえ150人くらいは入れる劇場で、あっという間に満員になってしまって、最終的には100人近くの人が劇場に入れなくって帰っちゃってたもん。高校生の学生演劇でこんなにも盛り上がったのって、かつてほとんど類例がないんじゃないだろうか。

山中 舞台、熱かったですよねー!

太田 想像妊娠した引きこもりの少女を軸に、「女性」「神」「許し」といったテーマについて鋭く切り込んでいく前衛的な演劇。うん、これは僕が世に問うしかないでしょう! というわけで、戯曲集を星海社FICTIONSから出版します!! まあ、星海社FICTIONS新人賞の1.5回受賞者だと思っていただければ幸甚こうじん

平林 しかしいまどき、新人の戯曲集を出版するだなんて狂気の沙汰、星海社じゃなきゃ出来ないですよ!

山中 若い才能を世に問うのは本当にドキドキしますね!

太田 もちろんね、新人の戯曲集なんて出したって売れないのは百も承知ですよ。でも、編集者なら、たとえ売れないとわかっていても出版しなければならないときがある。そして、今がまさにその刻です。18歳の才気がほとばしる新人・原くくるさんのデビュー作『原くくる処女戯曲集 六本木少女地獄』を8月か9月には星海社FICTIONSから刊行します! 挿画は竹さん! 竹さんを起用したことでおわかりのように、僕は「本気」モードです!

柿内 いやぁ、なんかテンション上がってきた!

岡村 そして、次回の星海社FICTIONS新人賞も既に募集を開始しています。

太田 新時代は既に始まっているね。応募要項はこちら、しっかり読んでくれよ! というわけで、第2回の座談会はここまで。みんな、次回もヨロシクだ!!

第2回星海社FICTIONS新人賞 1行コメント

『遠神アキラと黒い石碑』

ライトノベル的伝奇モノの典型。多くの先達がすでに歩んできたフィールドで勝負をするのは難しいでしょう。(山中)

『Android Mobile Unit 警視庁アンドロイド機動隊』

アンドロイドの設定が面白い。取材の跡も見える。ただ、刑事もののスタイルで書いてしまったせいで古さを感じさせてしまい惜しい。タイトルのつけ方なども工夫して、是非とも再チャレンジを!(平林)

『ネコ、月を俟つ』

タイトルは良くないが、ネタやテンポは悪くない。設定はもう少しすっきりさせたほうがいいかも。全体的にブラッシュアップを心がけて! 次もお待ちしています。(平林)

『恋愛形而上学』

1500枚。多過ぎです! しかも序盤で会話シーンが延々と続いて物語が進まないのは(山中)

『鳳凰の剣』

15年くらい前の色んな作品から要素を寄せ集めてきたらこんな感じになりそう古いです。(平林)

『666のケモノ』

冒頭が一瞬だけ面白かったのですが、そこからの展開が平板でした。主人公以外のキャラクター造形もどこかで見た感じ。(平林)

『風の旋律』

今回最年少の17歳。でも不良がなんでピアノに興味を持ったのか唐突過ぎ! もっと不良の勉強を!(山中)

『テンペスト 活力の円』

1000枚。長い! 資料を添付したりする努力は認めますが(山中)

『海辺のスケッチ』

悪くない。が、決め手がない。つぎは、自分の「現実」に向き合った、自分の物語を1人称で書いてみては?(柿内)

『ストライクガール・フロム・ウサギヘル』

特別な意図がないのであれば文体は統一したほうが読みやすいと思います。終結に至るまでの過程で説得力が不足している印象。キャラは立っています。(岡村)

『あなたの傍にいるあなたへ』

やりたかったことは何となく分かるが、こういうものを書くにはセンスと教養が不足している。(平林)

『HATE HEADS』

哲学的すぎてよくわかりません。読者に対するリーダビリティーを考えてください。(岡村)

『かたちのない世界と、そのひとつの現われとしてのボク』

物語ではあるが、小説にはなっていない。(柿内)

『大噓吐き』

「最終章までの話が創作」という設定でこのオチでは、読み手は納得できません。(岡村)

『我が最愛なる中世合理主義論』

キャラの魅力は感じるが、全体として古さと幼さを感じる。古典的ハイファンタジーを書ききるには今ひとつ足りない。(山中)

『機械仕掛けのカイン』

『空の境界』と「戯言シリーズ」を足して『サクラコ・アトミカ』で割ったような作品なのに面白くないという不思議。作中に「緑萌賞」が登場したのは笑いましたが。(山中)

『零が人でも手』

考え過ぎ。凝り過ぎ。まねごと。一度川に落ちてから、もう一度筆を執ってください。(柿内)

『マスク少年系』

冒頭30ページはスピード感があって読ませる力がありますが、後半が息切れ気味。伝奇物を書くのであれば、資料の読み込みが足りていない印象を受けます。(岡村)

『BLUE MOON』

宇宙SFへの愛はものすごく感じました。ただ、それだけに既視感が。自分が嫌悪するジャンルで書いてみては。(柿内)

『スイッチ少年×デバッガー少女』

設定はすごく面白いが、上手く料理できなかった印象。(山中)

『きみとぼくのキャンドルゲーム』

今回下読みを担当したなかでは一番。ただ、設定が面白くない。小説のアイデアはどれくらい考えていますか? 最初の「正解」に飛びついてはいけない。いま自分が好んで読んでいるジャンルの小説(マンガや映画も)は今後一切読まなくていい。積極的に異質に触れてください。(柿内)

『ヘッドフォン チルドレン』

何故かウノサワスバルさんのイラストつき。死人が夢で殺しにくるという設定は好きなのですが、内容が足りない。もっと密度を高めてほしい。(山中)

『トキの迷宮』

ライトノベル的なキャラが「マジック:ザ・ギャザリング」をしているだけ。その手のゲームに興味がない人には厳しいです。(岡村)

『ケダモノの世代』

ハードボイルドものですが、このテーマでやるのにこの設定にする必然性を感じません。何が書きたいのかもよく伝わってきません。(岡村)

『ヤリガイ』

設定はおもしろいと思います。ただ、設定ありきでトリックを無理やり繕った感が否めません。(岡村)

『うさチン!  〜世界は盗用 パラダイス〜』

官能的すぎます。うちではないです。(岡村)

『青の住人』

自分の書くものに耽溺しすぎている。読者のことをもっと考えてあげてほしい。(平林)

『環境に優しい戦闘機』

説明が説明的。世界観やキャラクターを紹介する部分を面白く書くことを心がけてほしい。(平林)

『SAKUYA』

この作品のどの辺が「時は戦国」なんでしょうか? ふざけるなと言いたい。(平林)

『さくら』

全体的に平坦に過ぎます。もっと起伏を。そして、未完の作品は応募要件を満たしておりません。(平林)

『大切な者は目に見えない 〜 The invisible individual』

主人公の設定は面白かったんですが、構造的にはこの設定でなくても書ける話ではないでしょうか? もう一歩突き抜ける何かがほしかった。(平林)