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機動戦士ガンダム
『ガンダム』は、100%外せない。編集者としての僕は、そのデビューに立ち会った若い才能には必ず『ガンダム』を薦めていることは公然の秘密だ。設定、ストーリー、キャラクター、セリフ……今もって、すべてが卓抜。きっと現実の歴史のどの一年よりも、「宇宙世紀0079」のことを僕は深く知っている。ジーク・ジオン!!
伝説巨神イデオン
この『イデオン』という作品で、「アニメーション」という表現は宗教的な高みにまで至ってしまった。めぐりあい、わかりあう、未来の可能性を描いた『ガンダム』と、めぐりあい、わかりあえない、たった今の現実を描く『イデオン』。尋常ではない質量の正と奇が「富野由悠季」という才能の器には納まっているのだ。こんなアニメーション、いったい他の誰がつくることができる?
密会 アムロとララァ富野由悠季
この『密会』こそ、小説家・富野由悠季の代表作なのではないだろうか。『ガンダム』シリーズ宿命のライバル、アムロとシャアが互いに愛したただ一人の女性、ララァ・スン。彼女こそ、まさにファム・ファタル(運命の女)。僕は女性の好みを聞かれたら、いつも「僕を地獄に引きずり込んでくれるような女」と答えているけれど、ララァ(とメーテル)がきっとその原型。この小説を読めば、きっとその理由がわかる。
無敵超人ザンボット3
富野監督の暴力的なまでの“初期衝動”に満ち満ちた作品。守るべき民衆から忌み嫌われる主人公一族、悪とは断じきれない敵、人間爆弾、“皆殺しの富野”の嚆矢となったラストシーン……。こんな危険なアニメーションを観たのは生まれて初めてだった。「人間爆弾」エピソードの16話、17話、18話なんて、震えながら観てたっけ。不世出の天才アニメーター、金田伊功の代表作でもあるので、至高のガイド本『20年目のザンボット3』(氷川竜介)も併せてぜひ、ご一読を。
映像の原則――ビギナーからプロまでのコンテ主義富野由悠季
『劇場版 空の境界』で務めたスーパーバイザーに始まって、アニメーションの仕事に関わる機会が増えてきたときに、最初にとまどったのが絵コンテの見方だった。いくら眺めていても、完成形となるべきフィルムのイメージがどうしてもつかめないのだ。そこで閃いたのが、以前から買って積んであったこの『映像の原則』。富野監督独特の言葉で、クリエイターの「気持ち」をどう絵コンテに乗せていくかについての決定的セオリーを伝えてくれる一冊。絵コンテを読むときには、絵ではなくて、描いた人の“意思”を読むべきなのだ。