学研まんがひみつシリーズ

小学校低学年の頃の愛読書。特に『できる・できないのひみつ』『恐竜化石のひみつ』『忍術・手品のひみつ』あたりがお気に入りでした。夏休みの宿題を『まんがことわざ事典』丸写しで切り抜けさせてもらった事もありました。『できる・できないのひみつ』に出てくる、何でも『できっこない』と否定する外国人キャラの名前が『デキッコナイス』だったのを見た時の衝撃は今でも忘れられません。いつの間にか復刻され、巻数もずいぶん増えています。恐竜の化石なんか、今とずいぶん解釈が違うはずですが、どう改訂したんだろう………。

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空想自然科学入門アイザック・アシモフ

高校時代の教科書。文字通り、授業を放棄してずっと読んでました。順を追って考える事、平易な言葉で説明する事、視点を変えるだけでありふれた物が全く違う意味を持つ事などの大切さを学んだ本です。『人間は人工的に生物をつくれるか?』という疑問から、まず生命の基礎とは何か、炭素である。炭素の化合物の多様性が生命の基礎である。他に近い性質の原子はないか? 珪素がある。宇宙には珪素を基盤にした生命があるかもしれない。そしてひとしきり巨大なスケールの宇宙生命体の可能性を語り、最後に『さて、身の回りには多くのコンピュータがある。基盤はシリコンでできている。シリコンは珪素でできている』。今では珪素生命はポピュラーなSFネタですが、こういう視点のアクロバットは新鮮でした。

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霧の中の風景テオ・アンゲロプロス

テオ・アンゲロプロスというギリシャの映画監督の撮った映画。内容については言葉で説明してもあまり意味はなく、観てもらうしかないと思う。小さな映画館で、友達と二人で観ました。17か18かの頃。映画が終わり、幕が下りて照明がついても、誰一人客席から立ち上がる事ができず、係の人が慌てて走り出てきて『終了です!』と叫ぶと、全員が夢から覚めたみたいに目を瞬かせ、恐る恐るといった感じで席を立っていった。薄暗い劇場から外に出ると、午後の夏の陽射しが射していて、でも、数時間前とは全く別の場所のように思えた。見慣れた街並みの中にいるのに、知らない街にいるような、あるいは自分が知らない人間になってしまったような。映画に運ばれてしまったのだ。 掛け値なしに、僕にとっての最高の映画体験でした。年齢とかその時の心のありようとか、いろいろな物がカチッと合っていたのだと思う。決して万人受けする映画じゃないので、こんなに褒めてしまうと観て『??』となってしまうかもしれないけど、この映画によって、僕は物語とは人を運ぶものなのだ、という事を学べた、大切な映画です。

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こんにちはマイコンすがやみつる

12歳の時、僕のまわりにちょっとしたマイコンブームが起きました。正確にはもっと前から流行っていたのだと思いますが、値段も高く、小学生が手を出せるものではなかったので。それが、PC-6001、JR200(消しゴムキーボード)、SMC-70、コモドール64、ぴゅう太(日本語BASIC)、MZ-700(プリンタ付き)など、ギリギリ手が届く価格帯のもの(それでも当時の価格で10万円前後)が出始め、この本をぐいぐいと親の鼻先に押し付けて『遊びじゃない! BASICという言語を勉強するんだ!』と強弁。全額貯金に回されていた誕生祝いとお年玉を全額突っ込んでPC-6001mkIIを買いました。まさに人生の変わり目、それを支えてくれたのがこの本です。

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