自らの“愉悦”の在処に気づいた求道者・言峰綺礼は、師である遠坂時臣を暗殺し、時臣の妻・葵と、葵を救うことを願い魔道に身を落とした間桐雁夜の心を弄ぶ。綺礼の愉悦の在り方は英雄王・ギルガメッシュをも瞠目させる歪な形を見せ、聖杯戦争の闇を深めていく……。
一方、妻のアイリスフィールを誘拐された衛宮切嗣は、着実に陰謀の布石を打っていく綺礼に翻弄され、手詰まりに陥りつつあった。しかし、綺礼のあらゆる策謀に追い詰められながらも、綺礼の目的が「聖杯」ではなく、自らとの対決であることを知った切嗣は、全ての因縁を断ち切るために決戦の地へと歩みを進める。
「聖杯の器」であるアイリスフィールの体内で具現化を始める聖杯と、聖杯の元に集い始める魔術師と英霊たち。ライダーとアーチャー、セイバーとバーサーカー、そして——衛宮切嗣と言峰綺礼。生き残った英傑と魔術師たちが、それぞれに求める“望み”を胸に抱き、最後の戦いの火蓋を切る。
燃え盛る煉獄の炎の中、絶望に打ち拉がれるセイバーの“約束された勝利の剣”は、その光で未来を切り開くのか——。
これは始まりに至る物語——。第四次聖杯戦争、決着の刻。