熱き野望を抱く者よ、来たれ! 星海社編集者・宣伝プロデューサー募集開始!!

星海社の新メンバー募集にあたり、社長杉原&副社長太田が、採用に込めた思いを語りました。会社の現状、求める人物像、同業他社にいる人へのメッセージ、これからの展望等々、すでに応募を決めている人はもちろん、まだ迷っている人も、必読の対談です。

杉原 今年で星海社は会社の決算期でいう6期目に突入しました。人材募集は今回で6回目となります。僕たちが人材募集をかけるたびに毎回こうした対談を公開しているのは、応募してくださる方と会社が来てほしいと思っている人のミスマッチをできるだけ減らしていきたいと思うからです。採用してみて、また採用されてみて、こんなはずじゃなかったと思うのはお互い時間も労力もすごくもったいないですよね。この対談を読んで、星海社の活動理念に共感していただいて、星海社で未来の出版に挑戦したいと心から思ってくれる方に応募してきていただきたいと願っています。
さて、僕たち星海社は、創業の頃とはまた違った意味で大切な時期にきています。創業の頃はまず「チームを作る」ことが先決で、必要なポジションに合う人を優先して採用してきたわけですが、6期目を迎え、今の星海社は個人の集団から組織へと変わりつつあります。それに伴い、今回の選考基準はこれまでとは若干変わってくると思います。募集要項はあんまり変えていないですけど。

太田 本当は去年一度募集をしたかったんですけどね。

杉原 そうですね。ただ、創業当時から在籍しているアシスタントエディターがエディターに昇格しない状況のまま、新たに人材募集をかけることに対して抵抗があったんですよ。

太田 誰一人としてアシスタントエディターからエディターに上がれていない状況だと、「そんな会社に入って大丈夫だろうか」と思うのは当然ですからね。仕事人として大きく成長できない環境なら、小さな出版社に入る意義なんてほとんどないじゃないですか。なので、エディターが輩出されるまで新規の募集はできないなーっていう判断でしたね。

杉原 昨年秋に平林さん@seikaisha_moegiがエディターに昇格してくれたお蔭で、今回胸を張ってまた募集に踏み切ることができます。アシスタントエディターが、きちんとエディターに上がれるかどうかについては、〝人材を育てる〟という点での僕らの経営手腕が問われる、とても重要なポイントですから。

太田 ここで星海社においてアシスタントエディターからエディターに昇格するための条件を説明しておくと、とある具体的な目標売上金額があったり、ウェブやイベントで新たな仕事を成し遂げてほしい、という感じの仕事上のミッションがいくつかあるんですね。これらの条件をすべてクリアできるとアシスタントエディターからエディターに昇格することができるのです。エディターになると、アシスタントエディターを使ってよりエネルギッシュに仕事ができるようになる仕組みです。

杉原 しかし平林さん、この4年間頑張りましたよね。

太田 そうですね。このエディターになるための条件をクリアできれば、おのずと、今の平林さんみたいに、出版業界においてもそれなり以上に存在感のある編集者になっているはずですよ。また、1年間だけ他社で雑誌編集の経験があったとはいえ、ほぼ未経験者といってもいい平林さんが条件をクリアしてアシスタントエディターからエディターに昇格できたということで、僕たちとしてもこの昇格条件が無茶な課題ではないということを認識できてよかったです。だから今回の募集でも、未経験者こそ張り切って応募してきてほしいんですね。というのも星海社のスローガンでもある「デジタル・ペーパー・イベント」の三本柱で戦うときに、中途半端に経験があると、往々にして僕はデジタルだけやりたいとか、私はペーパーにしか興味ありません、とかの残念な結果になりがちなんですよね。だから編集者として一人前に育つまでにはどうしても時間はかかるけど、出版の経験がないまっさらな人に来ていただいても全然いいと僕は思います。でも、流石さすがに創業の4年半前とは出版業界の状況も大きく変わってきていて、これからは紙だけで勝負し続けていってもだめだって気づきはじめた人も多いと思うので、今回は経験者の採用にもいい人が現れる予感がします。

杉原 そうですね。あ、今太田さんが言った「デジタル・ペーパー・イベント」の三本柱の部分、ミスマッチを減らすための大事なポイントです。ここは理解して応募してきてくださいね。特にシニアエディター、エディター枠で応募を考えておられる方は特にこの点にご留意いただければと思います。

太田 そして、ここでエディターの待遇についてちょっと説明をさせていただきたいのですが、まず星海社がエディターにお支払いするギャランティーに関していうと、出版界では大手三社しか勝てないと思います。また、エディターとしての業績次第ではその大手三社も敵わないような数字になるように設計しています。ただし、星海社が永続しますという保証はどこにもありません!

杉原 今の出版界の状況をかんがみれば、どんな会社だってそんな保証はできないですよ。

太田 わっはっは。あとはエディターの権限についてですけど、これは端的に言って非常に大きいです。自分自身で経験したからこそ言える話ですが、講談社の小さな編集部の部長クラスなみ以上の権限はあります。星海社においては、アシスタントエディターの権限も大きいのですが、エディターはさらに大きくなります。僕自身も、20代・30代の頃にこれだけの権限を持っていればといつも思っているくらいの強力な権限です。待遇についてはざっとこのような感じですね。

杉原 次は僕たちが考える出版の未来像についてです。星海社は「デジタル・ペーパー・イベント」の三本柱で出版の未来を探っていくという姿勢を創業から一貫して続けています。このアプローチが未来の出版像に近づく方法だと信じているからです。あと、未来の出版社は、紙以外にも一定の収益を生み出すビジネスモデルを持たないと経営していくのが難しくなると思います。本や雑誌といった紙の出版活動を核にしつつも、紙以外の収益源をどれだけ思いつけるかどうかが、その出版社が成功できるかどうかの鍵になるのではないでしょうか? 当社は今、「ツイ4」@twi_yonという新しいデジタルコンテンツに挑戦しています。これで紙以外の収益モデルが構築できるかどうかが、僕たちが未来の出版社になれるかどうかみたいなイメージです。太田さんが考えている未来像ってどんな感じですか?

太田 出版社が本を出していくことは未来永劫変わらないし、変わるべきではないと考えます。ただし、収益源としてはその比率を下げていかないと、いずれどんな出版社も立ちゆかなくなるはずです。その点に気がついてきたからこそ、KADOKAWAさんとドワンゴさんさんが統合したり、講談社はNewsPicksを提供するユーザーベースさんに出資したりしているんだと思うんです。今までは出版界の人間は、才能が目の前にあったとき、いかに紙と結びつけるかさえを考えていればよかったわけだけど、これからは別の形でも才能を世に広めていく方法を、それぞれの立場で提案していく出版社が生き残っていくんじゃないかと思います。具体的には、星海社においては3年後には紙の売り上げ比率を全体の売り上げの半分以下にしたいですよね。できれば3割くらいにでも、もしうちが大成功していたらそれは1割くらいになっているんじゃないかな。

杉原 現状の星海社においては、紙の売り上げが全体の売り上げのまだ7割くらいを占めています。早く半分以下にしたいと思っているのですが。

太田 勘違いしてほしくないのは、僕たちは決して紙を軽視しているわけではないんですね。紙の売り上げ比率が下がれば下がるほど、全体の売り上げが上がっていくと考えているんです!

杉原 そうなるでしょうね。

太田 僕は、旧来の、旧大陸における出版活動を誠実に行うからこそ、新しい、新大陸における出版活動も、胡散臭うさんくさがらず皆に素直に認めていただくことができると思うんです。こう言うと、意地悪く「方便のために出版を使うのか?」なんて人もいると思うけど、そうじゃない。一番力のかかるテコの部分だからこそ、一番しっかりやらないとすべてが崩れてしまう。ですので、こういった考えにちょっとでも共鳴してくれる人だったら、新卒だろうが中途だろうが引きこもりだろうが、今回の人材募集に応募してくれたら嬉しいですね。

杉原 さてここからは、これまでの4年半で僕たちができたこととできなかったことの総括をしたいと思います。まずは創業時によくお話ししていた「デジタルファースト、ペーパーレイター」って言葉、誰も言わなくなりましたよね。

太田 もう常識になったからですよ。その点においては僕らも役割を終えたってことじゃないですかね。もちろん僕らだけの力ではないですけど、時代を回す側にいたってことはすごく良かったですよね。ただもうそれは過去のことなので、次のステージに行かないといけない。

杉原 まずこの4年半のデジタル事業の活動の中で言うと、僕の中で一番手応えがあったのは「星海社朗読館」と「ツイ4」ですね。

太田 「ツイ4」は企画発案者のアシスタントエディターの岡村さん@seikaisha_k_okaが頑張って運営してくれているのですが、岡村さんは星海社への合流前までは森ビルの社員で六本木でビルを建てていた人なんですね。本人は小説を編集したくて星海社に入ってきたけど、今じゃ4コマ界で旋風を巻き起こしていて人間っておもしろいなって思いますよね。

杉原 「ツイ4」は今すごく勢いがありますよね。僕、講談社ブルーバックスのキャッチコピー「科学をあなたのポケットに」というのが大好きなんですよ。
「ツイ4」はまさに、「マンガをあなたのポケットに」という感じです。Twitterをメディアにしちゃったのが新しいですよね。

太田 単行本もまだ一冊も出ていないのに、Twitterのフォロワーが3万人を突破したりしてね。これは立派な数字ですよ。

杉原 ペーパーの面では、星海社FICTIONSと星海社新書が書店さんである程度棚を割いていただけるようになってきたということが嬉しいですね。

太田 創刊から3年経ってようやくって感じですね。もちろんまだまだなわけですが、立ち上げ時に比べたら大成長ですよ。本当にありがたい話ですね。イベントに関してはどうですか?

杉原 やっぱり印象に残っているのは「星海社朗読館」と、あとは画展でしょうか? お客さんへのインパクトもこの2つが大きかったのではないかと思います。朗読館イベント、またやってみたいですね。

太田 いいですね。そして武内崇たけうちたかしさんの『から境界きょうかい』展から始まった画展企画は、2015年にはいくつか弾を撃っていきたいですよね。まずはこの春にとある絵描きさんがめでたくデビュー20周年になるので、その記念画展を皮切りに画展をいくつか開いていく予定です。

杉原 事業別での課題としては、デジタル事業単体では、自立できるだけの収益をあげるモデルが作れなかったことですね。ペーパー事業で言うと、会社を代表するような新人を発掘できていない。

太田 そうですね。

杉原 イベント事業に関しては、画展の展開スピードを上げないといけない。これは今年の画展が成功したらの話なんですけど、最終的には画展ができるようなイベントスペースと編集部が併設されている場所に引っ越したいと思っているんです。

太田 音羽からの脱却!

杉原 こういう目標が実現できそうなところまで、6期目の星海社は持っていきたいですね。

太田 僕、ニューヨークに行った時に、「powerHouse Books」っていう出版社を見学したことがあるんですけど、ああいう感じがいいなあ。1階に本屋さんとギャラリーがあって、2階に編集部があるんですよ。

杉原 いかにも「オフィスビル」って感じが多い日本の出版社と違って、海外の出版社は文化の香りがするというか、建物や内装デザインが洗練されている会社が多い印象がありますよね。僕はアジアの出版社しか知らないですけど。

太田 僕は今の質実剛健な感じの星海社も好きですけどね。いつも灯りが付いていて、アシスタントエディターの林さん@seikaisha_mikoはソファで寝てるみたいな。また、デジタルだけで十分な収益をあげるモデルが作れていないという問題点ですが、「ツイ4」に関しては自家発電してマネタイズができそうなきざしはありますよ。

杉原 そうですね。今後「ツイ4」にはお金と人をどんどん投下していきましょう。その辺はこの4年半、他社のウェブサービスの会社のやり方をかなり見せていただいて、勉強しましたし。

太田 新人に関しては、第1回星海社FICTIONS新人賞を受賞した小泉陽一朗こいずみよういちろうさんは、スパイク・チュンソフトさんの『ダンガンロンパ』シリーズのシナリオライターの小高和剛こだかかずたかさんの下について頑張っているし(新作小説も準備中ですよ!)、『アリス・エクス・マキナ』の伊吹契いぶきけいさんは、重版までもうあと一歩って感じですよね。こちらもいいきざしがあると言えます。今後も全力で引き続き新人を推していきたいなと思っています。

杉原 そして今回もエディターと共に広報の募集もしたいと思います。しかし、星海社は太田さんを含め編集者がたった6名というなかで、なぜ今あえて広報の人員を増やすのかと疑問に思う方もいると思うんですよ。

太田 はい。でもそこには杉原さんの持論があるんですよね。

杉原 僕は先程お話しした出版の未来像を考えると、広報機能のより一層の充実は絶対に必要だと思っています。コンテンツとお客様のタッチポイントをどうやって増やしていくかというミッションについて、これまで我々出版社サイドはあまりに書店さんに頼り過ぎていたと思うんです。これからは、出版社側から知恵を絞って新しいアプローチで発信していかないといけない。もっと言えば、お客様が本を読む環境を創造し、その提案をするところまで踏み込んでいかないといけない。こういったことを考えたい人、考えられる人にぜひ応募してきてほしい。これまで出版界にいなかったような人材がいいな。

太田 ですね。いっそ、「広報」って役職名を変えたほうがいいかもしれないなぁ。攻めの姿勢を打ち出すために、「宣伝プロデューサー」なんて名前はどうでしょう。

杉原 いいんじゃないですか? そうしましょう。

太田 星海社に新しく広報として入ってきてくれた築地さん@seikaisha_ktには実際にプロデューサー的な気質があるじゃないですか。単に編集の手伝いに終始していない。「作品をプロデュースする」って意味では、広報も編集者と同じ目線であるべきなんです。

杉原 じゃあ今後は「広報」ではなく「宣伝プロデューサー」を募集することにしましょう。築地さんの名刺の肩書きも変えなくちゃね。

太田 やっぱり今まで書店さんに丸投げしていたぶん、出版社のほうから読者と作品のシナプスを繫げるような努力をすべきですね。

杉原 編集とはまた違った目線を持っている人がほしいですね。コンテンツレベルじゃなくて、レーベル対レーベル、会社対会社間でシナプスを繫げるためには専門の人間がいたほうがいいと思います。

太田 瀧本哲史たきもとてつふみさんの『武器としての決断思考』や、芝村裕吏しばむらゆうりさんの『マージナル・オペレーション』シリーズに代表されるように、星海社新書にしても星海社FICTIONSにしても星海社の名刺となるようなラインが出揃ってきたので、宣伝プロデューサーとしては星海社はやりがいのある環境だと思いますよ。それこそ、画展だったり、『レッドドラゴン』の新展開にまつわる大胆なメディアミックスだったり、活躍の場はたくさんある職場だと思います。

杉原 最後になりますが、今回求めている人材についてのイメージを具体的に語りたいと思います。ちなみに前回の募集では何て言っていたのか覚えています? 僕たち「来たれ! 暴れん坊!!」って言ってたんですよ(笑)

太田 採用した築地さん、全然暴れん坊じゃない! めっちゃ実直な人!!

杉原 というわけで、言ったからといってそういう人材が採用となるかどうかはわかりませんが、現時点でそれぞれが希望する人材について一言ずつ話しておきましょうか。

太田 僕は、優秀な編集者が20人揃って力を発揮すれば、日本の新しい文化を創れると思っているんです。だから、そういう野心を持った人に来てほしいっていうのは、常々考えています。

杉原 冒頭で、今の星海社が個人の集団から組織に移行している最中という話をしました。それとも関連するのですが僕は、アシスタントエディターの場合でいうと、継続して努力できる人がいいかな。自分なりのビジョンと戦略の軸を決めたら、とりあえず3年から5年はきちんとそれをやり遂げる志がある人に来てほしいですね。今いる星海社のメンバーからは皆その志を感じていますし。

太田 若い人がたくさん来るはずなので、少なくともエディターになれるかなれないかの結論が出るまでは頑張ってほしいですよね。

杉原 あと、昔太田さんが言っていた「僕と付き合って損したと思われたくない」っていう気持ち、僕も最近すごくよくわかるんですよ。

太田 そう! 「太田と付き合って損した」って言われるのだけは傷つきますね。他はたいてい、何を言われても大丈夫なんですけど!

杉原 僕は太田さんほど何を言われても大丈夫じゃないですけど(笑)。「損したと思われたくない」という気持ち、僕個人としてだけでなく、会社としてもそうでありたいと思っています。

太田 あの人がいてくれて星海社は損しなかったな、自分は星海社で働いて損しなかったなとお互い思い合えるような関係を築ける人ということですかね。

杉原 そうです。そうありたいです。

太田 じゃあ、そんな人をお待ちしておりますということで!

杉原 ご応募お待ちしております!!