ここから本文です。

テーマ

曜日

一口に旅といっても色々ある。例えば徳川家康は「人の一生は、重荷を負うて、遠き道を行くがごとし」と言ったとされており、人生もまた一種の旅だと解することが出来る。ただ、幸いなことに明日から南の島へ行く予定があるので、それに即して書いてみようと思う。ただし、旅支度は全く終わっていない。出立までに終えるべき仕事も終わっていない。皆さま大変なご迷惑をおかけ致しまして、まことに申し訳ございません……。

曜日

最悪の時期は、近所の本屋へ行くのにも「旅」という言葉を使っていたほどインドアの佐藤は、旅行がとにかく苦手です。地図が読めない。宿がとれない。交通機関に乗れない。地元民と話せない。そもそも行きたいところがない。果たして今回、お題を無事に切り抜けられるのでしょうか。乞うご期待。

曜日

かつては自転車で北海道まで行ったこともある僕ですが、最近偉そうなことにめっきり忙しくなってしまった事もあって、気軽にどこかに行くということがやりづらくなってしまいました。たまに走り出したくなって自転車でふらりとどこかへ行ってしまうこともありますが、逃避型の中二病を今更発症しているのでしょうか……。一番最近は――といっても半年以上も前ですが、『Fate/Zero』1巻の校了日に、人生初の校了のお祝いをしようと星海社から築地まで自転車で行って寿司を食べました。ひとりで。徹夜明けだったので行きはハイテンションだったのですが、帰りがきつくて心を折りかけたのを覚えています。

曜日

正直に告白しましょう。わたしは、学校の行事以外で旅行をしたことが、ほぼありません。家族旅行は何度か行った事がありますが、それも小中学生の頃…。大人になって、旅行をした思い出というのは一度だけ。四年前に直島へ行ったきりです。それも、父の会社の社員旅行に交ざって…なんかね、なんかねえ。高校を卒業してそのあとすぐに漫画を描く生活になってしまったので、要領の悪いわたしには旅行へ行くという時間の使い方がずっと出来ませんでした。だから、この五年ほどの間は、心の旅をたくさんしました。

曜日

もちろん多少の不満や不具合はあるにせよ、本来「普段の生活」こそが誰にとっても自分にとって一番快適なようにセッティングされているはずです。旅に出るというのは、つまりはより不便で、より不快適で、より不案内な環境にわざわざ赴くということです。日常の安定した環境に、知らず知らず余計なものが沈殿して制度疲労を起こしそうになった時に、人は「旅」に出るのかもしれません。忌野清志郎は言いました。「本当に必要なものだけが荷物だ」


本文はここまでです。