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なんて豊かなんだろう！！　世界に誇るといわれる日本のマンガ文化。その最も価値有る資産は膨大な「絶版作品」です。「絶版」ですから出版社から一旦はもう「売り物の価値はない」とされた作品たちです。ですがそこにこそ、多様で、自由で、豊かな、掛け替えのない生命の海が在ります。Jコミの勇気ある試みに僕は感動を覚えます。漫画家・赤松健氏の作家としての強い誇りと使命感に胸を打たれます。多くの作品をいつでも誰でも自由に読めるようにすること、これは断然、正しいことです。

「復刊ドットコム」、ありがたいですね。僕もよく利用しています。復刊希望のリクエストもいくつか出しています。サイトを見て回るだけでも楽しいです。「同じものを同時に大量に」こそが力であり勝利であり正義でありました。そうなれない作品は売り物の価値が無い（低い）となりました。そういう価値観やビジネスモデルは、いま、そろそろ無理が出てきていると感じます。作品の価値は誰と誰によって、どこで、どのように決められるのが本来なのでしょうか。

勇気をくれる本です。“総じてコミュニケーションとは「価値あるもの」を創出するための営みです。ことの順序を間違えないでください。「価値あるもの」があらかじめ自存しており、所有者がしかるべき返礼を期待して他者にそれを贈与するのではありません。”　タイタニックの例えで言えば、早々に海に放り出されているような僕ですが、おかげさまで、何とか泳いでいます。海は暗いです。だけど、 僕の描いたものを読んで「ありがとう」を言ってくれる人がいるならば、きっと生きていけるでしょう。 そう信じます。