エコールルシール・アザリロヴィック

数年前に渋谷の映画館でこれを観ました。静かに漂うような綺麗な画なのに、最後まで張りつめて目を離せませんでした。静かに縛り付けられるみたいに、じっと映画館の椅子で身を固めてしまって、終わった後はぼんやりと。外の空気を吸ってやっと、冷たくて心地よい沼の底から出たような気持ちです。たくさんの少女が出てきます。生物としては、わたしもかつては少女だったはずなのに、永遠にああはなれないだろうなあと、哀しいようなほっとするような不思議な気持ちに、なりました。

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VEGEMITE ベジマイト

知っていますかベジマイト。わたしは、ニュージーランド人の知人からもらった時がお初です。日本でいうなら…「納豆」とか。そんなかんじのいわゆる「珍味」です。中濃ソースによく似た色味のペーストは、うっすらと伸ばし、焼きたてトーストにつけてざっくり、食べるのが基本だとか。少量でかなりシオッカライので、うすーくのばすのがおすすめですが、その一口に、いろんな味がする…気がする、発酵食品です。はじめ「!?」となったわたしですが…えええ…なんだろ。気がついたら、また食べたくなってる。そう、そうなのよね、きらいじゃないの。むしろ、す…。すき…? ちょっと、素直になれないだけなんじゃないの、ねえみんな? 食べてみて。

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よだかの星(CD付絵本)宮沢 賢治

高校時代、図書室で、何年も貸りられていない絵本がありました。それが、この「よだかの星」。このお話の絵本は、他にも数多く出ていると思います。けれどあえてこれを選ぶのは、朗読CD付きの文字。これが、わたしの心を射貫きました。きゅん。あがた森魚さんの独特な語り口と、キラキラ滲むような音が重なって、夜空みたい。言葉になんて、できません。ただ、きれいなだけじゃないのが、この朗読の旨味です。ときおり掠れるような声が、言いようも無く切なく、よだかのこころに迫るから、わたし泣けないです。よだかの星は、最後いつも泣いてしまいそうになるけど、この朗読を聴いていると、夜空を見上げて涙を飲み込むような気持ちになるからです。つらくて優しい。

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