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テーマ 思わず「中二ゴコロ」を熱くさせる作品

レギュラーセレクター 曜日

永遠の中二であろうわたくしの中二ゴコロですか…おお。それは今もずっと大好きなもの達をあげられるということですね。これらをご一緒に、好きと言って下さる方がいるのなら、あなたもきっと、中二さんだわ!

3 ~キリンジ

キリンジのアルバムの中で一番思い入れのあるのはこれです。本当に中二から、ずっとずっと聴いてる音楽です。特に「アルカディア」という曲が好きです。歌詞を是非見て頂きたい。どや、この中二ゴコロ満載の歌詞。大好きだッ!!!「永遠と刹那のカフェ・オ・レ」このフレーズにヤラレタわたしは、深夜絵を描いたり、勉強をするときはかならず、カフェオレを飲みながらすることにしました。成長期だったからいいけど、今これやると、すごく、太ります。

ポーの一族萩尾 望都

吸血鬼。不老不死。時をこえてゆく少年達に、触れる瞬間。それはたくさんの人の中に鮮明に残り、その記憶だけが語り継がれ、人を置いて、少年達を追っていきます。中二ゴコロは幼く、そしてそれに反してとても壮大なんです。だから、その膨大な時間を生きる少年がいたとして、憧れないわけ、ないです。そして、その先にある切なさに心から震えました。何度も読み返す漫画です。最後まで読んだとき、また第一話を読み返してしまうのは、彼らにもう何度でも会いたいからです。

リリイ・シュシュのすべて 岩井俊二

ココロを熱くさせる…なんていうとちょっと違うのかもしれません。わたしはこの映画を観るたびに心が静かになります。でも静かに、ただ一瞬だけすごく熱くなる。その後は冷めて…ううん、まるで醒めていくような。映画の中で使われる音楽が、すごくすきです。ずっと聴いてしまう。だからわたしは、自分自身がリリィのファンであるような錯覚を以てして映画を観ることができたのかもしれません。まるでヒトゴトなんかではなかったのです。この映画が、つらくて観ることができないと、友人のうちのひとりは言います。

日出処の天子 山岸 凉子

読んだことをこれほど後悔した漫画は後にも先にもこれきりでしょう。未だ、わたしは通しでこれを読み返せません。そりゃ、切なさが、異常だからです。だけど言えます。こんなに面白い聖徳太子の出てくる漫画、どこっっっっっにも、ない!!あまりのことに、平常心で日本史の授業を受けられなくなりました。夢殿とかがテストで出ると無性に興奮する嫌な学生でした。聖徳太子の色気に是非惑うが良い全国の中二!!! あと、せっかくの中二ゴコロが熱くなったところで…叫びます。「毛人のバカァァァァァァァッッ!」

魍魎の匣京極 夏彦

本物の中二ゴコロというのは、その実年齢を遥か越えた頃に本領発揮するものと信じています。これを何度繰り返し読んだかわかりません。アホかと思います。この小説に書かれていることは全て、みんなが一度は考えていたことだと思うんです。きっとそれはしっかりとした足場のあるところで、その下にある底の見えない泉をそっと覗き込むようにしていただけなのと、同じ。わたしは、それを覗き込んでしまう瞬間が中二らしさだと思っていて、それはただ、安全なんです。問題はその後、足場を崩されるか、或いは踏み越えてしまうのか、泉から手が伸びて来て、連れ込まれるのかもしれない、そういう本当の危うさが、ここにずっとある。

釣巻 和さん

87年生まれ。漫画家。代表作に『童話迷宮』『くおんの森』『水面座高校文化祭』などがある。2010年11月に坂本真綾の満月朗読館・第三夜『ベッドタイム・ストーリー』(著・乙一)にイラストを寄せ、その繊細な絵筆によって多くの視聴者を魅了した。

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