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テーマ 日本人として驚いた「海外作品」

レギュラーセレクター 曜日

そうそうわたしって日本人なんです。日本にいると、たいてい、まわりがほとんど日本人だから「わたし日本人です!」って言う機会って、あまりないですね。「○○出身なんです」は良く言うけれど。モノを知らんわたしは、海外作品に接したとき、どういう意味? とつまずくことがあります。それは日本人の文化にはないジョークだったり、或は神話や伝説、宗教が関わっている事が多いのです。はぁーっその発想はなかった! 人間面白い!…といつも思います。○○人として驚いた「海外作品」! というタイトルがあるのなら、そこに日本の作品が入っていたら、嬉しいな。って思うくらいには、彼らにとっての外国であろう日本という国も、好きです。

glee

昨年末、原稿に追われる深夜、TVから流れて来た歌声におもわずペンを止めてしまったのが始まりでした。TV画面に映っていたのは綺麗な瞳の少年。その歌声があんまりにわたしのささくれた心を癒してくれたので、〆切後、あのときの歌声の子は誰なんだろうと調べたところ…合唱部がテーマのミュージカルドラマ?…正直あまり馴染みなく、日本で合唱といったら壇上に整然と並んで一斉に歌う…中学の頃やったっけ…。ところがまあ、キャラクター全員個性的で愛しい! その上、冴えないキャラを演じながらのこの歌唱力は、海外ならではです。

ジェームズ・タレル

何年か前、直島へ旅行した時に出会った作品。まっくらやみの部屋のなか、何も見えないはずの世界に、すこしずつ、すこしずつ、くらやみに慣れた目が光を映すのがわかります。その光だけをたよりにまっくらな部屋を出てゆくことになります。そのときに徐々に目の奥からじわじわと広がるような青い光が忘れられないのは、光を意識しているその瞬間が、わたしは異様に怖かったのです。普段の生活で形のない光、意識をしないその光が物質のようにわたしに迫ることで、くらやみが充満してることも同時に意識するのかもしれません。

ディズニー ファンタジア

観た瞬間、「わたしのトラウマが…!」でした。それは大学の授業。たまたま上映されたのがファンタジア。これこれ! 子供の頃に観て恐かった…、と、夢中で踊る花を目で追いかけたのを思い出し、この時も絶え間なく、くるくる変わる画面を眺めているうちにすっかり無心になったのでした。少なくともわたし、何も考えられません。そういう時間が大好きなので、たまに眺める事にしています。後から考えたらこのアニメが作られたのは1940年。昭和でいうと…15年。もし昭和15年を生きる日本の子供がコレを観たらどう思うかな。

太陽アレクサンドル・ソクーロフ

この映画のポスターを観てすぐに「行く」と決めたので、映画館についてからロシアで公開されたものだと知ったくらいの間抜けです。わたしは日本人なのに、日本の歴史さえよく知りません。教科書に載っている事を、テストに出る程度をつまみながら覚えているくらいです。ただこの映画の中で昭和天皇は、一人の人間です。個人的な意見になりますが、多分、これは歴史物映画ではないんです。だからわたしは、この映画で、彼が、チョコレートを食べるシーンが好きです。

白鯨ハーマン・メルヴィル

本当のことを言うと…まだ読みかけなんです。この本。しかもまだ上巻。重ねて言うと、宗教やらなんやらわからんことが多くて、注釈を行ったり来たりしちゃう! こういうとき、つまらないやつだなわたしという人間は! と思うのですが、そうまでしても、どうしても惹かれるこの白鯨という小説。なんでだろう? みなさんは白い生き物ってどうですか? わたしは…どうしても気になります。白という存在。存在が人を狂わせるときってあるのです。エイハブ船長のモービーディックへの執着はそこらへんの恋などよりも深いぜ、それはもう、海のよう。

釣巻 和さん

87年生まれ。漫画家。代表作に『童話迷宮』『くおんの森』『水面座高校文化祭』などがある。2010年11月に坂本真綾の満月朗読館・第三夜『ベッドタイム・ストーリー』(著・乙一)にイラストを寄せ、その繊細な絵筆によって多くの視聴者を魅了した。

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