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魂だけは、合っていたからこそ、

心が折れそうになったときに手にとる漫画、小説、映画というものを決めている。

今、この瞬間とにかくどうあがいてもどうにもなりそうもないとき、それでも今すぐなんとかして、しおれかけた心に火を吹き込むために、別の作品に目を通す。

 

小説なら佐藤友哉。

映画なら押井守、今敏。

漫画なら、創作に関するもの、勝負に向かう男子の話が多い。

 

 

北海道にいたとき、持っていたそういう漫画を、上京してから何冊か買いなおした。

瞬間的に心を立て直してくれるそれを求めて。

そのうちの一冊が、「大東京トイボックス」

 

僕の目の前には、「大東京トイボックス」の作者であるうめ先生(@ume_nanminchamp @ume_asako)のサインが書かれた「東京トイボックス」がある。

 

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再会は東京で

連休中の午後のことだ。夕刊が休みだったので黙々とパソコンを打鍵していると、携帯が突然着信した。

携帯画面には懐かしい名前が表示されていた。

 

「いま、渋谷にいるから飯でも食いにいかない?」

北海道で大学に通っていた頃の、数少ない友達からだった。

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履歴書と小説家

中野サンモールにあるカフェで、21日の僕は履歴書の経歴欄を前にして、手が止まっていた。

コンビニの無料求人誌で新聞配達の募集は見つけた、開いたばかりの書店で履歴書も買った、30分くらい歩き回って二回くらい通り過ぎたところにあった証明写真機で写真も撮った。

 

経歴は、何年何月に卒業したとか入学したなどの、社会的な人生を事細かに明らかにしていく。

学生時代のことはともかく、ここ数年に関しては、経歴に書くことがなかった。

 

小説を書いていた、ということ以外に、書くことが一切なかった。

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いつかあなた方が気付くその日が来るまで

配達の人らと話していると、アニメや漫画の話になることが多い。三月に辞めてしまった人なんかは、一時期『Fate/Zero』の話をしていたし、会話のなかに「星海社文庫」という単語が出てきたりもしていた。

その辞めてしまった人の部屋には、漫画やゲーム機本体が大量にあり、いくつかあったダンボール箱の中には大量の文庫本に混ざって『パンドラ』という名の雑誌があったりした。ちょっとペラパラめくると、「小柳粒男」「くうそうノンフィク日和」なんて単語があったりする雑誌だ。

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