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レビュアー「陽秋」のレビュー

銅

君を守るためにぼくは夢をみる

人の可能性と小さな幸せ

レビュアー:陽秋 Novice

この作品に出会ったのは、2003年でした。その時、表紙の絵で描かれている新海誠さんの雲のむこう、約束の場所という映画を観ていて、絵を担当しているというので作品を手に取りました。

その時は絵を見たくて買ったんですが、最初のページから物語の中に引き込まれていきました。ごく普通の小学生の淡い初恋から話が始まって行きなんだか懐かしさを覚えました
ところが話の軸である事件が起こります、朔のところにやってくる、眠ろうよという甘いささやき、何度も何度もささやきが朔を眠りえと誘う、五分だけでもとついに朔は眠りえと落ちてしまう。

起きてみると時間はさほど経ってなく急いで家に帰ると母親が泣きながらどこにいってたの?と。さすがにこの展開には驚きました。先が気になり読むの止められなくなりました。

現実は厳しく、彼だけを残して七年という時間が経過してしまい、まさにタイムスリップです。物語はこの辺で止めておきます。熱が入りすぎて全部言ってしまいそうなので。

この後、朔は現実と向き合っていくわけです。

この本の魅力とは、辛い現実でも朔が前向きに頑張るとこだと思います。
読者が朔を応援したくなるスパイスがきいてます。逃げ出したりもありますけど、最後は必ずやり遂げる朔の強さでもあります。小学生からのこの状況はかなりキツイと思います、だからこそ読みながら「朔頑張れ!!」と思ってしまうのです。

人が成長するのは当たり前なんですが、もし時が止まってしまったら、自分はどうしたらいいのかと深く悩んで現実を見れなくなってしまうかもです。

最初はもがいていても、一歩ずつ積み重ねていけば可能性が見えてくる、それは誰でも持っている、それを朔が教えてくれる、人は最初幸せを感じるのに段々慣れてくると当たり前になってしまう、それが普通に生活できることでも、好きな人と居ることでも。

改めて世の中をみて自分が生きていることの幸せを感じれる作品であると思う。

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2013.04.16


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