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レビュアー「ジョッキ生」のレビュー

銅

ぱん女さん

パンダ可愛いよ、パンダ

レビュアー:ジョッキ生 Knight

同級生がパンダの日常ガールズコメディって聞いたら、パンダはボケなり、ツッコミなり、何かしらのポジションだろ?と思ってたんだけど、見事に肩透かしをくらった。

ぶっちゃっけ、あんましゃべらない。しゃべっても耳元でこそこそ程度と、お淑やかですよ、こいつ。三つ編みおさげ髪だしね。この時点でかなり意外性を感じた。

デカイと言われて泣いたり、水着回に備えてダイエットしてたり、BL本をこっそり見て顔を赤らめていたり、何だか乙女で可愛いなー。

最初イロモノかなと思っていた印象なんかどこへやら、完全にヒロインの一角となってしまった。

ただ、そんな可愛いパンダの女の子こと田中くにえさんを、みんなが名前では呼ばず、パンダとしか呼ばないのは何故なんだ?愛称なのか?だとしても他になんかなかったのかよー。まんまじゃねーか!まあ、分かりやすいけどね。

明らかな異分子が紛れ込んでいるのに、それが見事に溶け込んでいる空気感を描き出すこのなぎみそという作者さん、やるではないかー。

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2014.05.20

銀

ゲーム―Super 27years Life

追悼

レビュアー:ジョッキ生 Knight

著者の飯野さんが精力的にゲームを作ってた時代。プレステ初代やセガサターン全盛期。やってたなーゲーム。それこそゲームしてなきゃ体調悪いくらいのことを友達に言ってたわ。

残念ながら飯野さんの作ったゲーム『Dの食卓』『エネミー・ゼロ』『リアルサウンド』はやったことがない。でも兄貴がやってたのをよく見てたなー。『エネミー・ゼロ』は超難しそうで、めっちゃ死んでるのを後ろでゲラゲラ笑ってたら殴られた記憶がある。

この本ではそれらのゲームの制作過程も語られている。そのこだわり様は読んでて面白かった。音楽にこだわる。シナリオにこだわる。映像にもこだわって、果ては流通にもこだわる。もう全てに手が行き届いていないと納得がいかない。そんな想いをひしひしと感じた。そりゃー延期もするわな。

飯野さんの作ったゲームのメッセージ性の強さは、こういう所に起因していたんだね。好き嫌いがはっきり分かれるものばっかり作ってたもんなー。よく言えば個性的、悪く言うと一般的じゃないゲーム。そんなのばっかりだったよね。

読んでて懐かしかった。だから今飯野さんは何してんだろって調べて愕然としたよ。去年お亡くなりになっていたとはね。なんかショックだ。この本の中で語られている最高のRPGとやらは、もう世に出ることはないんだな。なんだろう、今無性に飯野さんのゲームがやりたくなったきたわ。

才能のある人が早くにその人生を閉じてしまうのは、なんか寂しいね。もっといろんな作品を生み出して欲しかった。そして、それを俺自身がやりかった。あー、やりきれない想いでいっぱいだよ。

いまさらだけど、飯野さんお疲れ様でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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2014.05.20

銅

メイ・デイ

勘違い

レビュアー:ジョッキ生 Knight

ラストでそうくるか、と唸ってしまった。いやーそうくるか。

母親に捨てられ、父親と共に過ごすも、食べ物もろくに与えられないような生活を送る少女の物語は、彼女がその状況から解放され、幸せになることで終わるだと思っていた。

でも、違った。

そもそも、彼女が抱く父親への想いを、俺を含め、作中の大人達みんな勘違いしていたんだな。

思い込みというか、よく聞く、虐待されてる子はそれでも疑いなく親元を離れない的な話が頭の中にあって、彼女も例外なくそれなんだろうと思っていたんだ。

だから後半、彼女が父親への想いを語るたび、その想い深さを知って、ちょっと恥ずかしくなっちゃった。表面的なことだけを見て、何を分かった気でいたんだろう。最後の少女の言葉を聞いて唖然としていたのは、作中の大人達だけじゃなく、俺も一緒だ。

この物語は、不幸な少女の話なんかじゃなかったんだなー。見事に騙されたぜ。

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2014.05.20

銀

画展 空の境界

道中記

レビュアー:ジョッキ生 Knight

『画展 空の境界』に行って来た。いやー、中野に行くのって何年ぶりだろ。『千と千尋の神隠し』の試写会にいったのが最後だから、えーと何年前だ?まーいっか。とにかく、それぐらい久しぶりに、中野の地に降り立ったのだった。

住んでる場所が地図上で真逆にあるため、行くのにも時間がかかるのよね。片道1時間ぐらいかな?開始が12時からだったので、11時半くらいに着くように時間を調整して、家を出発。そして、到着したのが11時半ちょい前。少し早く着きすぎてしまったようだ。

ちょっと時間も余ったし、小腹もすいたので、いい機会だしなんか道すがらのお店で食べていこうと思ったら、いいところにパン屋さんが。メープルメロンパンを推してたのでそれと、ほかに2、3個購入。どれもうまかった。

時間も丁度良くなったので、いざ中野ブロードウェイへ。いやー、どんな所なんすかね。楽しみにしつつ突撃だー!

入ってすぐに唖然。何だこれ?店ばっかりや!ちっちゃな店舗がぎっしりと。見渡す限り全部店じゃねーか。すげー。面白くなっちゃて無駄に歩き回ってしまった。目的地は2階なのに、1階をぐるっと一周してしまって、時間がヤバイ。そろそろ2階に行かなくちゃ、ってことで、エスカレーターで2階へ。

2階は2階でやっぱ店ばっか。特にまんだらけが多いのね。見かけただけでも4店舗ぐらいあったり。この階もなんか面白そうだ。とりあえず、歩きながら目的地にいこうなんて気持ちで歩いてたら、何故かまた一周してるんですけど・・・・・・。魔物が住んでるなこの場所。時間がどんどん盗まれるよー。

やっとこさ目的地に到着。でもあれ?12時前なのに何故かもう開いてる。おかしいなーと思いながらも、物販はどうなってるのか気になったので、そっちを先に確認。あっ、こっちはまだだ。でも気になる張り紙が。『整理券をお持ちの方は並ばずにお買い求め頂けます』ん?頭に中に?が浮かぶ。整理券?そんな注意書きあったけ?まあいっかとスルーして、ちょっと歩くと待機列らしき人集りが。結構並んでるなー。こりゃー大変そうだ。まあでも、欲しいのはパンフくらいだから、絵を見終わった後にでもゆっくり並ぶかーと思いながら、一旦引き返すことにした。

さて、絵を堪能する時間だ。お客さんはまだ少ないみたいだし、ゆっくり見られそうだ。おっ、一番奥に見えるは50万の絵だな。でたー、金枠の額縁だー。すげー。見るからに高そうだ。大きさもなかなか。これは家にあったら映えるなー。他人の家にあったらびっくりするレベルの威圧感。これは50万出す価値があるね。他の絵も大体1Rのスペースにぐるっと並べてあってなかなか壮観だった。

どれもいいねーと思いながら見てると、一つの絵に目が止まる。『終末録音』と題された絵。これに目が釘付けになった。赤と白のコントラスト。そして真ん中に閃く十字の光。うわー、すげー綺麗だ。なんだこれ。直感的に欲しくなってきちゃったぞ。いやまて、ちょっと冷静になるんだ。視線を下に移せば、そこには『10万』の文字。うーん、無理。絶対無理。落ち着くんだ。よーし、もう一回ぐるっと回って落ち着こう。しかし、もう一回回っても視線は『終末録音』に。いやー、10万は無理だって。でも、無理だけど、でも……。うーん、そうだ、こうしよう。クイズとか答えないと買えないらしいし、そんな用意もしてきてないから、まあワンチャンあったら購入も考えるということで。そうだ、そうしよう、と自分を納得させつつ、とりあえず物販に移動することにしたのだった。

いざ、物販待機列へ。て、すげー並んでるー。階段を2階分上がり、着いたフロアーの壁際を一周してる……だとっ!こりゃー1時間はかかるなー。まあ、ゆっくりと本でも読みながら待つとしよう。そっとボカミツ取り出して、そして読み始めた。

経つこと約1時間。ほんとにかかってるー。その間にも後ろにどんどん人は並んで行き、来た時と列の長さが変わってねー!すげーな、この列。何人並んでるんだろ?まあ、僕は一足先に買わせていただきます。皆さんも頑張ってください、と心でつぶやきながら、中に足を踏み入れた。

と、ここで、あることに気付いた。この列、もしかしてパンフとポストカードしか買えない?ということは、絵はどうやって買うんだ?・・・・・・あっ、気付いちゃったわ。あれだ、整理券だ。繋がったわ。このための整理券かー。てことは絵は買えんな。そしてクイズも出来ないのかー。うーん、なんか残念なようなほっとしたような。何だろうこの気持ち。でもこれでいいんだよ、きっと。お財布的にはさ・・・・・・。

悲しみを振り切りつつ、パンフとポストカードをゲットし、これでやることは全部終わった。さあ、帰ろう。と、その前に、もう一回だけ『終末録音』を見て帰ろう。それで全て終わりだ、と再び画展を訪れて、本日の工程は完全終了と相成りました。

いやー、長い一日だった。でも、家に帰るまでが画展だからね。雨が降っていたので、パンフが濡れないように気を使わなければ。て、何で電車がこんなに混んでるのー。やめてー。パンフが折れるー。ふいー、最後まで疲れるなー、もう!

なんとか無事、家に帰宅した。なんかいろいろあったなー。でも楽しかった!行った甲斐はすっごくあった。改めて、こんな機会を作ってくれたすべての人に感謝を。とってもいい経験でした。これにて、画展にまつわるお話は終わりとさせて頂きます!じゃあねノシ

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2014.04.22


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