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レビュアー「ラム」のレビュー

銅

メイ・デイ

あなたに出会えてうれしい

レビュアー:ラム Adept

広大な書物の海の中、自分好みの作品に出合えるということはまるで奇跡なのです。恋のようなときめきと、お酒のような酩酊を覚える素敵な出来事です。
だから、私は、好きな作品ができると同時に作者も好きになります。
なので、主人公の行動はとても得心がいきました。すべての作品を読み、献身的な介護をし、同じようになりたいと修行する。
たとえどんなダメ人間でも、暴力をふるう父親でも、関係ない。
素晴らしい作品をつくった尊敬すべき人。
血のつながりなど瑣末なことです。
それでも。
故意に気付かずにいた彼女の感情は確かに愛だと私は感じていました。
なればこそ、私は『メイ・デイ』という作品を、この結末を愛さずにはいられない。
作者が、作者と同じ名前の登場人物をどれだけダメ人間にみせかけようとも、彼女の思慕から優しさを見つけるたびに、私も『メイ・デイ』作者への思いが募っていくのですから――。

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2014.06.18

銀

決断できる人は2択で考える

ビーフオアチキン?

レビュアー:ラム Adept

題名の通りである。

小学生の頃、書道で新しく書いた1枚と前のものを比べて、上手に書けた方を勝ち残りで提出していたのを思い出した。

実際の生活でも、そうやって無意識に2択を続けて決断しているらしい。

それを、こういう時は必ず右、とかこうする、とか意識的に決めておくのが即断即決できる秘訣だそう。

面白いのは、あくまで決断できるというだけなところだ。
決断したから運気があがるわけでも成功者になれるわけでもない。悩まなくていいことでうだうだ迷う時間を節約できるだけ。
即断即決が全て!というわけではない。決断することで時間を有効活用するだけだ。悩むべきところで悩める時間があるように。

好きになる俳優がアヒル口ばっかりで、顔しか好きじゃないのかなってちょっと悩んでたわけ。
そういう顔が好きなんだからしょうがないって、割り切ればいいんだと書いてあってちょっと衝撃だった。
確かに考えてもどうしようもなかったわははははは!!

でも買い物とかは、悩みながら決める方が楽しいときもある。こういうのは、決断できなくて困ることでもない。そういう時間の使い方が嫌いではないわたしは完全に優柔不断です。
でも、いざというときにはきっと。

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2014.06.18

銅

spica

生きめやも

レビュアー:ラム Adept

  「恋愛は甘くて音楽のように心地の良いものだと思っているやつがいたら死ね。」


冒頭文に感涙ほとばしる。
続く文章も最高で、私はもう「spica」を崇め奉るしかなかった。

恋愛は甘ずっぱいだけではない。
前作「エレGY」では、親友カップルで示唆されていた。好きだから嫌いだと思うこともあったり、喧嘩したり、嫉妬したり、反省したり、恋愛には嫌なこともいっぱいだ。

終わったあとも続く恋の物語。未練たらしく、残酷な物語。
それでも「spica」に出てくる主人公の親友は初々しいカップルで、二人とも水井くんに優しくて、苦しい恋愛だけが生きてるすべてじゃないんだと思える。
私は冒頭文を礼讃しているけれど、やっぱり死ななくていいよ、うん。生きよう。

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2014.06.18

銅

レッドドラゴン

深謀遠慮

レビュアー:ラム Adept

長かった物語がようやく終焉を迎えた。
それは、とても素晴らしい出来事だった。
それぞれの思惑の中、おめでとう、と心から祝福できる最高の幕引きだったと思う。

忌ブキは最高に主人公だった。

エィハは忌ブキのために気を抜けない戦場を闘いきった。

婁さんは最初から変わらない。

スアローも、禍グラバも、正反対ながら同じ思いで出来る限りを尽力していた。

そして、GMと、RPFを裏で支え、作り上げたスタッフの方々。正直、なんかすげぇことが起こってたのにきれいにまとまってしまったのはプレイヤーだけの力ではないと思う。

好きな作家さんたちが集まって楽しそうなことをやっている、と思っていた。
今も、思っているけど、そのための努力も途方もないものなんだろうって今なら分かります。

ありがとう、皆さんお疲れ様。

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2014.06.18


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