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読者レビュー

銀

ゲーム―Super 27years Life

追悼

レビュアー:ジョッキ生 Knight

著者の飯野さんが精力的にゲームを作ってた時代。プレステ初代やセガサターン全盛期。やってたなーゲーム。それこそゲームしてなきゃ体調悪いくらいのことを友達に言ってたわ。

残念ながら飯野さんの作ったゲーム『Dの食卓』『エネミー・ゼロ』『リアルサウンド』はやったことがない。でも兄貴がやってたのをよく見てたなー。『エネミー・ゼロ』は超難しそうで、めっちゃ死んでるのを後ろでゲラゲラ笑ってたら殴られた記憶がある。

この本ではそれらのゲームの制作過程も語られている。そのこだわり様は読んでて面白かった。音楽にこだわる。シナリオにこだわる。映像にもこだわって、果ては流通にもこだわる。もう全てに手が行き届いていないと納得がいかない。そんな想いをひしひしと感じた。そりゃー延期もするわな。

飯野さんの作ったゲームのメッセージ性の強さは、こういう所に起因していたんだね。好き嫌いがはっきり分かれるものばっかり作ってたもんなー。よく言えば個性的、悪く言うと一般的じゃないゲーム。そんなのばっかりだったよね。

読んでて懐かしかった。だから今飯野さんは何してんだろって調べて愕然としたよ。去年お亡くなりになっていたとはね。なんかショックだ。この本の中で語られている最高のRPGとやらは、もう世に出ることはないんだな。なんだろう、今無性に飯野さんのゲームがやりたくなったきたわ。

才能のある人が早くにその人生を閉じてしまうのは、なんか寂しいね。もっといろんな作品を生み出して欲しかった。そして、それを俺自身がやりかった。あー、やりきれない想いでいっぱいだよ。

いまさらだけど、飯野さんお疲れ様でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2014.05.20

さくら
「~ゲ」ーという言葉がありますけれど、100%飯野さんらしさが注入されているゲームの数々なのですわね。こだわりのあるゲーム=個性的・一般的じゃないというのがちょっとひっかかったのですが、「そんなのばっかりだったよね」って一文になんだか愛を感じる気がしましたわ。
さやわか
姫がおっしゃるように、「こだわりのあるゲーム」が個性的だけど一般的なものではないという話になっていくのは、そこをイコールで結んでOKなのかな?とも思ってしまうのですが、しかし飯野賢治への書き手の愛情がうまく伝わってくるので、なるほどきっとクセのある、しかし愛すべき人物なのだな、と思わせる。いいと思います!そしてさらに注目すべきは、このレビューが単に飯野賢治について語るのではなく、「この本」についてのレビューになっていること。一瞬、レビューの後半でもうちょっと本に触れてもいいかなと感じましたが、だけどこの追悼のニュアンスをきちんと出した方が文章としては美しいので、このままでいいかなと思い直しました。ということで「銀」にいたしました!

本文はここまでです。