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読者レビュー

銀

うーさーのその日暮らし

うーさーと私のその日暮らし

レビュアー:AZ Adept

 その日暮らしとは、手元にある辞書によると「予定も計画も無しに一日一日を過ごしてしまうこと」という意味である。そんな風に無意味に日々が過ぎて行くと、人はぼんやりとした不安を覚えるのではないか。自分の人生は、こんなことでいいのかと。
 実は、筆者も失職中であり、絶賛その日暮らし中なのである。今日も、友が仕事に行くのをTwitterで眺めながらこのレビューを書いている。こんなことをしていると、自分だけが置いていかれているようで、不安がどんどん膨らんでいく。さっさと、その日暮らしから脱したい…
 そんなとき、うーさーのその日暮らしを覗いてみた。彼(であっているのだろうか)の生活は、自分と大差ない怠惰で無意味なものである。しかし、彼は不安をほとんど表に出してはいない。むしろ、その日暮らしという境遇を楽しんでいるようである。例えば、6月28日更新分は、雨が降り他人の予定が潰れるのを見て悦に入るという内容である。ちょっと後ろ向きだが、その日暮らしのみを楽しんでいるようだ。これを見ていると、自分も出勤している友を見てちょっとくらい喜んでもいいのではないかと勇気づけられる。
 その日暮らしは、周囲から見れば無益で不安定でいい加減なものだ。しかし、不可抗力でそんな境遇に置かれてしまうこともあるだろう。だが、安心してほしい。その日暮らし界には、うーさーという大先輩がいるのだ。彼の生き様を学べば、不安を抱えながらも他人を笑って過ごす方法が見つかるだろう。
 ちなみに、その日暮らしにはもう一つの意味がある。「その日その日の収入で毎日をやっと暮らすこと。経済的に余裕が無い生活」だそうだ。うーさーは、いったいどうやって収入を得ているのだろうか。その辺も教えていただけると、たいへん助かるのだが。

2013.07.08

ゆうき
まさかうーさーの怠惰な毎日が、誰かの心の支えになっているとは!誰にでも焦る時期があります。私も友人達が就職活動をしているのを見ると時折自分の将来が不安になってしまいます。人生は長いです。辛くなったらまたこの本を開いて、気持ちを切り替えて頑張っていきましょうっ!
さやわか
真面目な文章のようで、不真面目なようで、でもやっぱり生真面目さの感じられるレビューですね。こういう感じは個人的に好きです。辞書の引用から書き始めるというのも、一見すると正確さを狙っているようで、そこもいいですね。「勇気づけられる」とまで言い切ってしまっているのですが、この曖昧な雰囲気のせいで、「そこまで大きな問題か?」と思わせずに読ませてしまいますね。いや、なかなかうまいと思います。「銀」ということにしましょう!このレビューの魅力はこの淡々とした書きっぷりなのですが、ある意味では人目を惹きにくい書き方だとも思うので、「金」を取るにはそこをどう生かしていくかが思案のしどころでしょうね。ともあれ、今回は「銀」です!

本文はここまでです。