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読者レビュー

銅

名探偵夢水清志郎事件ノート 亡霊は夜歩く

ほのぼのミステリ

レビュアー:Panzerkeil Adept

この物語は一応ミステリ仕立てにはなっているけど、本質は学園青春ドラマだと思いました。だんだん謎が明らかになって行くのですが、それは物語の進行に必要だから。そもそも探偵の夢水清志郎自身が、犯人を捕らえる事を、全く重視していない事からでもあきらかです。それに、トリックも少々、いやかなり無理がある気がしますし。
というわけで、本格的なミステリー作品のつもりで読むと拍子抜けするかもしれませんが、自分は楽しく読むことができました。ちょっと、かつての竹本泉を思わせる可愛らしい絵柄がどこか懐かしく、元気なキャラが動き回るマンガは良いものですね。思ったより一つのエピソードが長くてじっくり読めました。
他のエピソードではもっと違った切り口を見せてくれるかもしれませんが、心安まる作品であるのには代わりないのではないかと想像していますが、果たしてどうでしょうか?

2013.06.11

さくら
子どもの頃に謎解きに憧れる時代って一度はありますよね! 大人には物足りないかもしれませんが、イラストが可愛くって読みやすくって「推理するドキドキ感」が楽しめる。ミステリを読み始める入口にはぴったりだと思います。そして少年探偵団へっ。
さやわか
このレビューは読みやすい。正確な目を持った人が書いた作品についての雑感というように読めます。だから「銅」とさせていただきました。なぜ「銀」でないかというと、メモ的である分、文章としてのトータル感は意識されていないように感じられたからです。少しだけ例を挙げると「ちょっと、かつての竹本泉を思わせる可愛らしい絵柄がどこか懐かしく、元気なキャラが動き回るマンガは良いものですね。思ったより一つのエピソードが長くてじっくり読めました。」という部分を見てみましょう。この文章の前半は、二つの微妙に異なった内容が一つの文章として融合されてしまっているように見えます。そして、特に前後のつながりが意識されることなく次の文章が書かれている。最後の「果たしてどうでしょうか?」という結びもなかなか淡泊で、それはそれで一つの魅力ではありますが、どこか作品に対して距離を保って書き終えたように見えます。こういうところから、僕はメモ的だなという印象を受けました。その態度がよくないというわけではないのですが、こうした部分をさりげなく修正してやれば、このレビューは読者にとって、より読んでうれしいものになると思います。

本文はここまでです。