編集部ブログ夜の最前線

2013年3月 8日 19:00

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』からサンプリングを考える!

「復讐は何も生み出さない」という言葉がいかに絵空事であるかを痛感できる映画でしたね!

 

金曜日は映画の日! 今回はクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』をご紹介します。映画『ジャンゴ 繋がれざる者』日本版予告編


タランティーノ監督との作風といえば、サンプリングです。

サンプリングとは、過去の名作映画のシーンや台詞を引用し、再構築することで新たな作品を作るという技法です。

 

彼の場合、サンプリングしている映画が1、2作品ではなく、全ての画に元ネタが存在すると言わんばかりにサンプリングしまくるのが特徴です。

 

へたすれば「このパクリ野郎!」と嫌われかねないのですが、タランティーノ監督が嫌みに感じないのは、

「俺はこの映画の大ファンなんだ! だから俺の映画に同じシーン取り入れるぜ!」というリスペクト精神が根底にあるからだと思います。

 

一方、リスペクトしすぎて逆に振り切れてしまった作品もあります。

『KILL BILL』など、元ネタを踏まえて当たり前! 初心者お断りだよ!! と言わんばかりに、

映画マニアしか理解できない、なんて作品は少なくありません。

 

リスペクトしすぎた結果、自分の「好き」だけが暴走してしまう……他人事とは思えませんね。

なぜなら先日、山中さんに好きなイラストについて話していたときに「ファン的目線だけで仕事をすると周りが見えなくなるから気をつけた方がいいよ」と釘をさされたから!

 

尊敬しつつ、読者目線を忘れない……そんな絶妙な距離感を、今回の『ジャンゴ 繋がれざる者』は保っています。

元ネタの『マンディンゴ』や『続 荒野の用心棒』は全然知らなくてもOK!

ウエスタン知識についても、映画内で説明してくれるので事前知識は必要ありません。

 

それに「差別」という普遍的なテーマを扱っているから、より感情移入しやすかったです。元黒人奴隷のジャンゴが復讐を果たすラストシーンで、劇場でおもわずガッツポーズしましたもんね!

 

『ジャンゴ 繋がれざる者』は誰でも楽しめるので、「タランティーノって名前知ってるけど作品みたことないわー」って人は特にオススメしたいです。

まぁ、デートムービーには向かないけどね!!