編集部ブログ夜の最前線

2013年3月 5日 20:12

新たなる校閲講座

こんばんは。アシスタントエディターの林です。

 

本日も校閲講座がありました。

講談社の校閲局で校閲第一部部次長を勤められている川崎さんが、直々にご指導してくださるということで、

「こんなチャンス滅多にない!」と全アシスタントエディターが参加です。

 

今回は川崎さんに教えていただいた知識を参考に、クイズ形式で校閲についてご紹介したいと思います。

 

皆さん、これらの単語の間違いがわかりますか?

 

有頂点

最高調

肝に命じる

万事窮す

 

パッと見、正しい日本語のように見えますが、全て間違いです。正しくは、

 

有頂点・・・・・有頂天

最高調・・・・・最高潮

肝に命じる・・・肝に銘ずる

万事窮す・・・・万事休す  となります。

有頂天って、三角形の頂点のようなイメージがあるので、筆記なら絶対に「有頂点」って書いちゃうわ。

 

おつぎはこちら!

 

「豊かなるアマゾン、その大自然の脅威が胸を打つ」

 

どこが間違いなんだ……? しかしこれは、昨今最も多いとされる変換ミスです。

正しくは、「豊かなるアマゾン、その大自然の驚異が胸を打つ」となります。

脅威も驚異も同じ読みのため、間違いに気づかずにスルーしがちです。

 

そしてラストクエスチョン!

 

「祖父も父も足が短いという劣性遺伝が災いしてか、自分も足が短い」

 

うぅーーーん……何度見ても間違いが見つけられない!

 

この場合、「劣勢遺伝」という言葉の意味がポイントです。

劣性=劣っている、というイメージを持ちがちですが実際の意味は少し異なります。

 

【劣性】(遺伝子学の用語)メンデルの法則に従って遺伝する形質のうち、一方の親から来た形質が雑種第一代には現れず、潜伏してその子孫に現れるものをいう。(広辞苑より)

 

言葉の意味を間違って覚えてしまっていたら、この手のミスは自分で気づくことが非常に難しいです。失敗から学び、積極的に辞書を引いて確認するしかありません。

 

言葉のミスを少なくするにはどうすればいいのか?

それは語彙力をコツコツと積み上げるしかありません。

 

その最善の方法として、川崎さんは辞書を引くことをオススメしてくださいました。

「昔の編集者は辞書の小口が手垢で真っ黒になるほど辞書を使い込んでいた。そういう風にストイックに知識を吸収し続けることこそが、編集者なんじゃないかな」と川崎さん。

 

ごめんなさい! ずっと電子辞書を使っていました!!

これからは、辞書を引きます! 辞書買います!

そして調べた単語の両隣にある言葉も同時に見るようにします!

 

私はまだまだペーペーの新米ですが、編集者かくあるべき、という本質について触れられたような気がします。

川崎さん、本日はありがとうございました!