編集部ブログ夜の最前線

2012年7月31日 22:59

夏=甲子園=松坂世代

みなさんこんばんは。

暑い日が続きますね。

夜の最前線から、今井雄紀です。

 

夏と言えば高校野球の季節ですね。

僕は小1~高3まで、ずっと野球をやっていた(実力のピークは小6)ので、

やはり、高校野球の情報は多少気になります。

 

高校野球と言えば、やはり松坂世代。

そして、この時期になると必ず読みたくなる本が1冊あります。

 

僕は86年生まれで、ちょうど中1(実力のピークを過ぎたころ)の時に、

松坂世代が「3年の夏」を迎えていました。 

 

毎試合出てくる強烈なライバルたちを、

時に完膚なきまでに叩きのめし、

時に大逆転で下す、松坂選手擁する横浜高校。

 

「完全に少年漫画やがな」と思いながら、そんな横浜高校を応援していました。

起こっていることのレベルが高すぎて、ドラマチックすぎて、

ファンタジーのように思えてしまったのです。

 

この認識を変えてくれたのが、こちらの本でした。

その名も『松坂世代』

 

 

 

この本は、松坂世代の大卒選手たちがこぞってプロ野球入りした2003年に出版されており、

あのとき甲子園で起こっていたことと、あのとき甲子園にいた選手たちのその後が、

綿密な取材をもとに、超丁寧に描かれています。

(文庫版も発売中)

 

これを、彼らと同じ高3の時に読んでまず、

「野球のレベルまじでおかしいな」と思いまいた。

 

例えば、横浜対PL学園。

松坂選手に隙がなさすぎるからと言って、

横浜のキャッチャーの小山選手(元中日)の構えから球種を読むPL学園もすごすぎるし、

途中で読まれていることに気づく横浜高校もまたすごい。

あのドラマチックな試合展開の裏には、文字通り超高校級の攻防戦があったことがわかります。

 

また、彼らが「普通の高校生」だったという点も、これまた丁寧に丁寧に描かれています。

沖縄で「なんくるないさ」(なんとかなるさ)と思いながらのほほんと暮らしてきた新垣選手が、

大学でどう変わったのか、変わらなかったのか…って話があったり。

僕はこれを読んで、新垣選手(現ソフトバンク)のことが好きになりました。

 

そして、今なお続く松坂世代のドラマ。

 

PL学園のエースとして松坂選手と投げ合った上重選手は、

立教大学の投手として活躍したのち、プロ入りを諦めてアナウンサーになります。

これを聞かされた時の松坂選手のリアクションがまた泣かせる。

「またプロで投げあおうって言ったじゃねえか!」(うろ覚え)と怒るんです。

 

この話を知っていたので、WBCで松坂選手がMVPを取った時の中継インタビュアーが、

上重アナウンサーだったときはそりゃもう、泣きました。

 

はー。また読みたくなってきた。

 

分厚いですが文章がお上手でさらさら読めるので、ぜひ手にとってみてください。

特に試合ドキュメントの部分は、暑いうちに、蝉の声を聞きながら読まれるのをおすすめします。